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最強の複製師  作者: ノヴァ
4/6

思い出

 現在、時雨は最弱と知り、よく分からない天職と発覚してから二週間経った今、王都中央図書館と言う場所に来ている。読んで字のとおりの場所だ。なぜそんなところにいるのかと言うと、弱いと分かっているので知識だけでもつけて少しでも足を引っ張らないようにするためにも来ていた。他のことも調べていた。それは、過去の複製師に関する資料だ。何かできないかと自分で考えてもいるが、過去の資料から何ならできるか調べようと思ったからだ。

「う~ん。めずらしい天職らしいけど、ここまで何もないとは・・・・・」

数少ない資料で分かったことと言えば、本来の見た目だけの複製しかできないはずなのに見た目だけじゃない物を作ったとか、当てになるか分からない物やまったく使えない糞技能であるとかばかりであった。

「どうすればいいか、まったく持って分からないな~。」

少なすぎる資料を読むのはあきらめてこの世界についての資料なども読みふけっているころ。

「まったく、こっちに来ても勉強とは精が出るな創時風紀副委員長。他の者も見習ってほしいな。ほら、差し入れだ。」

「あ、ありがとうございま・・・・・・って違う!!何でこんなところにいるんですか!?それにいつからいたんですか!?」

 堂々と橘先輩がいることに時雨も驚きを隠せないようだ。

「いつからと言われたら・・・・・君がまずここに入っていくのが見えてな、私も入って君のことを見ていたらがんばっているのが見えてなかなり時間が経ったからそろそろ腹がすくだろうと思ったしだいでな。急いで差し入れの一つでも入れたの方がいいと思ったから急いで作ってきたら、本を読みながら遠い彼方を見ると言う謎過ぎる技をやっていたので少し見ていたのだ。」

 時雨は言葉が出ない。がっこはツッコンどいたほうがいいだろうと思ったのか、それとも反射なのかは分からないが・・・・

「最初から見たたんじゃないです!」

「ほら、せっかくの差し入れがさめてしまう食べたらどうだ?」

「あ、はいそれでは頂きます。はむ、もぐもぐ、ごく」

「どうだ?うまいだろ」

「美味しいです・・・・違う!そうじゃない!」

「ふふっ」

 完全に橘先輩に遊ばれる時雨であった。



_________________________________

「昼間は、疲れたー。」

 橘先輩に遊ばれすぎて疲れていた。しかし少しでも他の人の足を引っ張らないようにするために自分が唯一できる複製に関して毎晩訓練は欠かしていない。それに魔法に適正がない時雨でもいちいち巨大化している魔法陣を持ち歩かなくても良いように魔法陣(一番簡単な各属性の魔法)を一応複製済みである。一度複製すれば次からは直接それを見なくても良いので国の練成師達に頼んで魔法陣を作ってもらったのだ。訓練そのものは一応自衛用にもらった直剣と短剣ぐらいの間の長さの剣をできるだけ精巧に複製するだけの物だ。(複製師に関するアーティファクトがないので複製用の手袋をもらった)

「なかなか、すごい物だな。」

「!!」

気づいたら橘先輩がいる。

(何だこの先輩!神出鬼没すぎる!)

と内心驚きつつ、表情を変化させすぎないようにしながら

「先輩。勝手に人の部屋に入らないでください。」

「何を言っている。ノックしたじゃないか。」

まったくやれやれ、といいたそうな感じに身振り手振りをしている。

「何のようですか?」

と、言いつつ時雨自身は昼間のお返しと言わんばかりに部屋に備え付けられている、紅茶のような物を差し出す。

「ありがとう」

真正面からいつも見せないような顔で礼など言われてしまい赤面して少しそっぽを向いてしまった時雨。

「確か用件だったな。君に明日の試練もとい迷宮攻略に参加して欲しくはないと言いたいのだが」

「さすがにそれはお断りします。いくら一番弱いとは言ってもここでひもになる気はないです。」

苦笑いしつつ、自分も紅茶もどきを飲む。

「そういわれると思ったよ。・・・・・・・」

見詰め合っている。が、しかし時雨は恥ずかしさで今にも眼をそらしたいぐらいだが・・・

「一つ思い出話をして良いか?」

「いや別にかまいませんけど・・・・」

「まずは・・・小学校六年のときだな。私は子どもが一人の高校生ぐらいの男にぶつかってしまってその男が切れてしまって、殴る前に止めようと私が入ろうとした瞬間だ。一人の同い年かそれよりしたぐらいの少年がすごい勢いでその間に入って土下座をしたんだ。私はある意味、敗北を感じたよ。私より先に出てくるんだから。そしてその少年はその子どもに「気をつけなよ」と言ってすぐにどこかに行ってしまったんだ。で次に中学三年の時だ学校の行事関係で変えるのが遅くなってしまった時、一人の男子生徒がカツアゲに会っているのが廊下から外に飛び出そうと鍵を開けて出ようとした瞬間だ。また、誰かが勢いよく、土下座していたんだ。今回も負けてしまったんだ。だがその少年は前に見たことのある少年と同じだったんだ。声をかけようとしたら、欠伸をしながらさっさと帰ってしまったんだ。追いかけようとしたんだがな上履きのまま追いかけるのも良くないだろうと思ってその日はあきらめたんだ。その少年を探して見つけたがいつも見る時は寝ていたので無理に起こすのは・・・と思ってずっと話しかけられなかったんだ。最後にあれは幼少のころ・・・・いやこれは良いか」

時雨はすでに筋肉がちぎれそうなぐらい顔がひきつっていた。その理由は、それに心当たりがあるからだ。

「もしかしてずっと見てたんですか?」

それは、時雨自身だったからだ。

「もちろん」

時雨はもう恥ずかしさが天元突破しそうだった。そんな時雨をおいといて、橘は隣まで近づく

「私はそういう人のことは好きだぞ。どんなことがあってもあきらめようとしたりしなかったり、とっさに誰かのためになろうとするのは理由はどうであれ、素晴らしい物だと思う。」

時雨の顔は真っ赤を通り過ぎそうだ。

「だから、君の事は私が守ろう。」


そこから先は特に何もなく時雨は記憶がなかった。

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