居場所
ふわふわする、ふわふわする。気が付いたら私は温かな牢獄の中で暮らしていた。小さな牢獄には私しかいない。ただ、桜色のビー玉が私の足元に散らばり、私はいつまでも真っ赤な安楽椅子に座っている。夜も朝も昼もなくいつだって牢獄は瑠璃色に染まり、波の音を奏でる。私はそれを美しいと思いながら息を深く吐き出した。とても静かで幸福な時間──
私は立ち上がることを忘れ、足先でビー玉を転がし、波を聞く。私は吐息を漏らした。心すら温かくなっていく、そんな気がした。瞳は瑠璃色の光を飲み込み続けている。
ふと、私は瞼を閉じた。静かに身体を揺らす。そうすれば私は瞬く間に暗闇に落ちていった。気が付けば空腹も排泄も何もかも要らなくなっていた。
私は目を開け、自らの舌に触れる。舌先には蔦が巻き付いていた。私は目を閉じ、暗闇に戻る。私はこのまま蔦になるのかもしれない。
こういう意味が解らない話、好きなんですよね。たまに書くかもしれません。