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僕は二人に出会った その①

 僕は――1人だ。

 親父とお袋を交通事故で失い、祖父や祖母の反対を押し切って、一人暮らしを始めた。高校入学と同時に、だ。月三万五千円の家賃であれば、バイトをしながらどうにか生活できる。まあ、学業そっちのけで働いているから、褒められたものではないけれど。


「さてと、今日はどうしようかな」


 週五でバイトがあるのだが、土日は休みをもらっている。

 そして今日は土曜日。だからいま、僕はこれから何をしようか考えているのだ。

 忙しければ忙しいで大変なのだが。だからと言って、こうも暇な時間を過ごしていると、これまた手持無沙汰で、考えものである。

 重たい腰を持ち上げ、ソファーから立ちあがる。

 それとほぼ同時、インターホンが鳴った。

 小ざっぱりとした部屋の中に、軽い音が響き渡る。僕の孤独な心を癒してくれるような、そんなメロディーだ。


「誰だろう、こんなお昼時に」


 誰に告げるわけでもなく、僕は独り言を零す。

 歩くたびに、ぎしりぎしりと奇妙な音をたてる廊下。けれど、まあ、安い家賃で借りた家だ。仕方がない。

 一つしかない鍵を開き、僕はひょこりと顔を出す。

 すると、一筋の風が、僕の頬を優しく撫でた。ずっと昔に、お袋が僕を抱きしめてくれたような、そんな優しさと包容力を兼ね備えた、不思議な風。

 少しばかり、懐かしい思い出に浸っていたが、すぐに気持ちを切り替えて。


「どちら様でしょうか?」


 僕の目の前に立つ、一人の少女。ショートパンツにニーソである。実に王道的な服装だ。

 視線を下から上に戻す。

 首のあたりまでしかない、微妙な長さの後ろ髪。綺麗に整えられた眉毛に、それを隠すようにして切り揃えられた前髪。

 日本人ならではの黒目であるが、赤く輝く三日月のようで、けれど、青く輝くインディゴライトのようでもあり。妖しさと華やかさを併せ持つ瞳に、僕の視線は釘付けになる。

 けれど、少女から目を離せなくなった原因はそれだけじゃない。

 中世ヨーロッパの街並みに佇む、立派な彫刻のように、少女の見目形は優れているのだ。真の芸術作品は一目で分かると言うが、確かにそれは、言えている。

 気後れするどころか、そのまま家に後退してしまいたい。

 少女が女王様であるところの、僕は奴隷である。それほどまでに、少女は完璧で絶対的に、美しかった。


白鷺桃音しらさぎももねと言います。あの、御手洗達也みたらしたつやさんはいらっしゃいますか?」 


 小さなお口を開いたかと思えば、とんでもないことを言う。

 御手洗達也、その名前は、僕の親父の名だ。


「ええっと……僕の親父の知り合いですか?」

「知り合いというか……なんていうか……」


 もごもごと、随分と歯切れの悪い物言いである。

 白鷺桃音。少女が名乗った名前を、心の中で反復する。しかし、僕にはまったく聞き覚えのない名前だった。

 いや、まさかね。親父がこんな若い女の子と、良からぬことをしていたとは思えない。

 と思ったけれど、やっぱり、可能性はありそうな気がしてきた。

 いかんせん、あんな親父である。

 飲み歩きは当然として、徹夜麻雀とかキャバクラとか、何て言うか、真面目とは程遠い父親だったからな。

 それに比べてお袋は、どんなに親父が不真面目でも、顔色一つ変えなかった。

 親切丁寧、どこまでも素直で優しくて、僕はそんなお袋のことが好きだった。

 それなのに――


「あの、すみません?」と、僕の思考を遮るように、白鷺さんは口をはさむ。

「あ、ごめんなさい。ちょっとボーっとしちゃって」

「いえいえ。大丈夫です」


 悪くはない沈黙の時が流れ、待つこと約二、三分。実際には、もうちょっと時間が経っていたかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

 それはいいとして。

 白鷺さんは、神妙な面持ちで、僕にこう告げたのだ。


「実は……その……達也さんは……あたしの、パパなんです……」

「ああ、なるほど。つまり白鷺さんはキャバ嬢で、僕の親父はあなたに貢いでいたと。そういうことですか」


 嫌な予感は、多少のズレはあったけれど、的中した。

 パパ、なんて言葉を使うのは、ああいう業界ぐらいのものだ。

 それに、親父は確かに、頻繁にキャバクラに通っていたという事実もある。 

親父は僕の親父であって、白鷺さんの親父ではない。そんな当たり前の前提を考慮すれば、すぐに結論付けることはできるだろう。この少女は、キャバ嬢である、と。

 それにしたって。

 それにしたって、である。

僕とはさほど年齢が離れているとは思えない白鷺さん。

とても成人しているとは思えない白鷺さん。ナンバーワンのキャバ嬢になれそうな白鷺さん。

 ぜひ一度、僕も大人になったら、相手をしてもらいたいものだ。

 って、違う違う。

 こんな思考回路では、親父みたいだ。

 ぶんぶんと被りを振っている僕を見つめ、しばらく無言でいた白鷺さんは大声で。


「はあ!?」


 と、驚きの声をあげた。


「どうかしましたか?」


 僕の肩を強く掴み、白鷺さんは顔を至近距離に近づける。


「どうしてそうなるわけ!? ありえないでしょ! あたしがキャバ嬢? どう見ても未成年でしょうが!」

「親父が言ってました。いまの時代、キャバ嬢は未成年でもなれるって」

「どこの世界に、親子でキャバクラの話をする人がいるのよ……」


 そっと右手をあげて、「ここにいます」と、悪ふざけで言ってみた。

 すると、バシッと勢いよく右手を叩き落とされる。

 依然として近距離にいる白鷺さんをしり目に、僕は深く深呼吸、もとい。匂いを嗅いだ。

 香水でもつけているのだろう。女の子らしい、甘ったるい匂いが僕の鼻腔をくすぐる。


「それで?」

「それで、とはなんでしょうか」


 僕のこの発言は、苛立たしげな白鷺さんを余計に怒らせてしまう。


「だ・か・ら! あなたのパパでもあり、あたしのパパでもある達也さんは、いまどこにいるのかって聞いてるのよ」


 違和感というか疑問というか。

 これは、歯についた青のりぐらい、どうでも良くて些細なことかもしれない。けれど、それに気付かぬまま誰かと話せば、恥ずかしい。

 要するに、違和感とは、気づかないよりは気づけた方がいいのである。


「パパ、って言ってますけど、白鷺さん。御手洗達也はあなたのパパはではなく、僕のパパなんですよ」


 久しぶりにパパなんて言葉を使ったな、とか思っていると、白鷺さんは表情を暗くする。


「それが……その……非常に言い辛いんだけど、違うのよ」


「違う?」


 続きを促すように相槌を打つ僕。


「実は――」


 覚悟を決めたような顔つきで、けれど不安を隠し切れていないのはすぐに分かった。

 白鷺さんは、曖昧で我武者羅でまっすぐな瞳で言った。


「あたし、達也さんの隠し子なの」


 嫌な予感を遥かに通り過ぎ、それは悪寒となって僕の身体を震わせた。

 もうじき夏になる時期だと言うのに。

 僕はただただ、震えていた。


「ちょ、ちょっと待ってくれ。あの、何て言うか、え? それ本当に?」


 敬語からため口に変わる。今は切羽詰まった状況だ。そんなことをいちいち気にしている場合じゃない。

 それに、この白鷺さんだって、初対面の僕に対し、ため口になっているのだから。


「あたしだっていまだに信じられない。でもね……この前、ママに聞いたのよ。どうしてあたしにはパパがいないのかって」


 ナレーターのように淡々かつ平坦に語る。


「そしたらね、何て言ったと思う? あなたには父親がいるけど、でも、その父親はもともと妻子持ちで……だから、私が女手一つで、わざわざ育ててあげたのよ、あなたのことを、ってさ」

「わざわざ……育てた……?」

「そう。要するに、ママは仕方なくあたしのことを育ててくれたってこと。その後にね――」


 笑顔とは受け取れない歪な笑みを浮かべ、白鷺さんは言う。


「あなたがいなければ、あなたさえ授からなければ、私はあの人と、結ばれていたかもしれないのに……って」


 最低でアホな父親だとは思っていたけれど、まさかこれほどまでとは。

 災厄を呼ぶ最悪な父親だ。

 顔面の一つでも、ぶん殴ってやりたい。まあ、もう死んでしまったけれど。

 いずれにせよ、僕の父親と白鷺さんの母親がろくでなしなことは理解できた。

 さてと。

 そろそろこの話に落ちをつけようじゃないか。


「あのさ、白鷺さん。僕の親父にしてあなたのパパは、もうこの世にはいない。死んでるんだ」


 慌てふためく、と思っていたが、どうやらそんなことはないらしい。

 むしろ清々しい顔つきで、白鷺さんは静かに頷いた。


「そうなんだ。良かった……だってあたし、もし達也さんを見たら、勢い余って殺してたかもしれないもん」


 さらっと恐ろしいことを言った。しれっとした表情で、さらっと。ドロドロとした男女関係のもつれに巻き込まれた白鷺さんは、あくまでも冷静である。

 感情を昂らせていた僕は、そんな白鷺さんにつられて自分がバカらしく思え、徐々にクールダウンをしていく。


「親父の死に様、話そうか?」


 曲がりなりにも、白鷺さんは親父の子供である。それを知る権利があるし、まあ義務はないけれど。

 それでも、僕は話しておくべきなんじゃないかと考えた。しかし――


「いいよ、別に。あたしは今日、達也さんを散々罵倒するつもりで来ただけだから。もう、それが果たせないと分かった以上、それ以外のことはどうでもいい」

「了解……」


 玄関先で話すのには、随分と重たい話であった。

 だが、物語には終わりがあるように、僕らの話もここで終了を迎える。


「それじゃ、お邪魔しました」


 少なからずの縁がある彼女、白鷺さん。この出会いを最後に、僕らはもう二度と関わることはないのだろう。

 僕としては残念なことこの上ないが、まあ、でも――人間関係なんてそんなものだ。そういうものだ。


「わっ……!」


 白鷺さんが僕に背を向けた瞬間、いきなり突拍子もない、小さな悲鳴をあげた。

 ゴキブリでも見つけたのかと思い、僕は黒い侵入者の侵入をさせまいと、家の扉をすぐさま閉める。

 引っ越しをしてから約二カ月。

 ゴキブリは三度出現した。そのたびに僕は、丸めた新聞と床の間にやつらをサンドしてやったのだが、それだけじゃあない。

 バイトから帰宅して、家の中に入ると、何故か黒い小さなものが、部屋中に散らかっていた。何事かと思い、眉を顰めて見てみれば、なんとアリの大群が家の中にいたのである。

 ルームシェアというか、不法侵入である。

 しかし残念ながら、この世の法律はアリには通用しない。それならばと思い、僕は、吸引力の落ちないただ一つの掃除機で、全てを一掃してやったのだ。

 要するに、だな。

 僕が何を言いたいのかと言うと、ごめん、正直自分でも良く分かっていない。

 そろそろ頃合いか。扉の除き穴から、外の様子を探る。

 すると、どういうわけか、白鷺さんはまだ残っていて、おまけに、素性が知れない小さな幼女と向かい合っていたのだ。

 がちゃりと扉を開いて、「知り合い?」と、僕は聞いた。


「いや、全然知らないよ。なんかね、あたしたちが話してる間、ずっとあたしの背中にいたみたいで……」


 それでさっき、振り返ったらいきなり小さな女の子が視界に入ったものだから、素っ頓狂な声をあげたわけか。まあ、それは驚くに決まっている。


「なんだそれ。迷子か何かなんじゃないのか?」


「それもよく分かんない。話しかけても、全然反応ないし」


 女性の扱いはあまり心得ていないが、幼女の扱いともなれば、話は別だ。

 一級品にして最高品質な僕の態度。

 と、言うのも、僕は遊園地でバイトをしているもので。それ故に、夢の世界で仕事をしているが故に、僕は幼女に慣れている。

 だからあれだよ? 僕がロリコンだからとか、そういうことではありません。

 改めて僕は、幼女を見る。

 やたらと手入れされた長い髪の毛。太陽の光に反射して、銀色にも見える。やはり純粋無垢というか、その瞳からは、一切の穢れも感じさせない。

 おまけに、身に纏っている純白のワンピースは、子供らしさに拍車をかけている。 

 僕にも、こんな子供が欲しいな、と、思える。

 それほどまでに、幼女は子供よりも子供らしく見え、可愛い。子供としては、完成されていると言っても過言ではない。

 母性本能ならぬ、父性本能というやつなのだろうか。


「お名前は?」


 長い髪の毛をさっと払うと、幼女はツンとした表情で言った。


「気安く話しかけないでください、穢れます」


 前言撤回。父性本能もくそもありゃしない。

 生きているまま全身の皮を剥ぎ取られるように、僕は多大なる精神ダメージを喰らった。ライフポイントは、ゼロだ。

 ゲームであれば、ここでコンテニューするかどうかの画面に切り替わる。

 当然僕は、イエスを選択し、再度立ち向かう。


「き、君は迷子なのかな……?」

「私の言葉が聞こえませんでしたか? 話しかけないでください。耳が腐ってしまいます」


 救いを求めるように、僕は横で突っ立っている白鷺さんに視線を送る。しかし、むかつくことに、ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべているのであった。


「なに笑ってんだよ……」

「いや、別に。ただ、面白いなって思って」

「人の不幸は蜜の味、ってか。そいつは笑えないな」

「あたしは笑えるけどね」


 はいはい、と、僕は投げやりな返事をしてから、幼女を一瞥する。

 手荷物はなし。こんな子供が、身分証明になるようなものを持っているとは考え難い。


「なんで白鷺さんの後ろに、べったり張り付いていたの?」

「張り付いてなんかいません。ただ、目の前に、たまたまこの女の人がいただけです」


 どうせまた酷いことを言われるのだろうと覚悟をしていた僕だったが。

 思いがけず反応があったので、ここぞとばかりに言ってやった。


「ふふ、いま、僕の言葉に反応したな? 大丈夫か? 耳が腐ってしまうんじゃなかったのか? 穢れてしまうんじゃなかったのか?」


 勝ち誇り顔で、ほらほら、と煽ってみる。大人げないとかそんなことはどうでもいい。

 これは言わば、教育である。年上はちゃんと敬いましょう。

 口をへの字にしていた幼女であったが、薄気味悪い笑顔になって。


「勘違いしないでください。私はあなたとおしゃべりをしているつもりはありません。たんなる独り言ですから」

「うわ、独り言とか言っちゃうタイプの人間なの、お前。まじドン引きだわ」

「う、うるさいですね……あなたに言われる筋合いはありません」

「また独り言? ねえ、ちょっと、お前の方こそうるさいんだけど。いい加減に独り言やめてくんない?」

「そちらこそ、私の独り言にいちいち反応しないでくれます? 鬱陶しいです」

「ああ言えばこう言うんだな……お前は」

「ああ言えば、For you?」

「違う。For youじゃない。こう言うだ」


 末恐ろしい幼女である。その年齢にして英語を知っているとは。おまけに発音も良かったし。まあ、年齢はまだ聞いてないけれど。どうせ小学一年生とかそこら辺だろう。

 それにしても。

 少しムキになり過ぎたかな。舌刀を鞘におさめつつ、白鷺さんに目を向ける。


「小さい子供相手に、そこまで必死になっちゃうなんて。あなた、バカなの?」

「放っておいてくれ」

「ああ、そうそう――」


 何かを思い出したように、白鷺さんは人差し指をかかげて言う。


「そういえばあなたって、名前は何て言うの?」


 そういえば、まだ自己紹介を済ませていなかった。僕は、さっきからずっと睨んでくる幼女にあっかんべーをしてから、白鷺さんに言った。


御手洗透みたらしとおる、よろしく」


 ぷぷっと、おならみたいな笑いをする幼女。


「なんだよ。なに笑ってんだよ」

「いえいえ、笑ってなんかいませんよ、お手洗いさん」

「僕の名前をトイレみたいに言うな。僕の名前は御手洗だ。おてあらいじゃない」


 確かに、御手洗という字は、おてあらいとも読める。けれど、そんな小便臭い名前はこちらから願い下げである。却下だ。


「それにしても、御手洗さん」

「なんだよ」

「名前というものは、その人の人間性をよく表している、とかって聞きますけれど、それはまさしくその通りのようですね」


 幼女は、たいして膨らんでもいない、平らな胸をポンと叩く。


風見鶏優子かざみどりゆうこ。それが私の名前です。ほら、私って名前の通り優しいじゃないですか? ね?」

「アオミドロ優子?」

「違います。やめてください。人の名前を藻類みたく言わないでください」


 お互いにいがみ合っていた風見鶏ちゃんと僕であったが、白鷺さんの咳払いによって、我に帰る。


「一時休戦だ、風見鶏ちゃん」

「それなら、今の時刻は一時ちょっと過ぎですから、二時ぐらいに再開しましょうか」


 そういう意味での一時ではないのだが。

 僕と風見鶏ちゃんの間に割って入るようにして、白鷺さんは飽き飽きとした表情になる。


「いい加減にして……これじゃあ、優子ちゃんがここにいた理由が、いつまで経っても分からないじゃない」

「それもそうだな。じゃあ、風見鶏ちゃん。なんでここにいたの?」


 まったく考えるような素振りも見せずに、風見鶏ちゃんは言葉を紡ぐ。


「あなたに用事があったからです、御手洗さん」


 今までふざけていた雰囲気が嘘みたく変わり、緊張感がこの場を支配する。雲行きの怪しい天気のように、僕らは揃いも揃って暗い顔をする。

 そうするのが適切だと思えたからだろう。


「ねえ、あたしちょっと、嫌な予感するんだけど、どうしよう……」


 頬をひくひくとさせている白鷺さんを横目に、僕も頷く。ぎこちなく頷く。それは壊れかけのロボットのように、変てこな首の動きであった。


「ま、まあ、ほら……そうやって悪いことばかり考えちゃうのが、お前の悪い癖だ」

「なにあたしのこと知ったような口きいてるわけ?」


 明らかに、「なにこいつ、キモいんですけど」みたいな目で見てくる白鷺さんの視線。

 痛いというか、この場に居たくないというか。

 いずれにせよ――


「私、御手洗達也さんの隠し子なんです」という、風見鶏ちゃんの一言で、僕らは凍りつくのであった。

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