柚月:2
しばらくは、この二人だけの登場です。
「やめてください!」
そう叫びながら柚月は目の前の四人組から逃げようとした。しかし、左腕を掴まれ逃げることができなかった。柚月は右に持つ鞄を振り回し抵抗するが大した効果はない。
「ちょっと一緒にお茶でもしよって言ってるだけじゃん。君も告白されて『ごめんなさい』だけじゃあ後味悪いだろ?」
「そんな事私には関係ないでしょ!!」
柚月が言っている事は正論だが相手を逆上させるだけだった。しかも、運が悪いことにこのタイミングで振り回していた鞄が相手の一人に当たってしまった。
「痛ってぇな!!」
鞄が当たった男子生徒が怒りを露わにすると、別の男子生徒が
「これは本当に着てもらわなくちゃな。」
品のない欲望丸出しの顔を見せられた柚月は
「警察を呼ぶわよ。」
と言い脅すが
「呼べるものなら呼んでみな!!」
と意に介さず柚月を突き飛ばした。女の子にしてははしたなく尻餅をついた柚月はもうここまでかと心の中で呟き目の前の四人の冥福を祈り殺そうとした。しかし柚月が見たのは小柄のすっきりとした体躯のこの場に割り込むには余りにも頼りない背中だった。
柚月さん怖いです(^_^;)不良に襲われて殺すとか・・・。
勇君のおかげで回避されましたが、実際にそれを出来るだけの力があります。それは後々に。
読んでくださりありがとうございます。