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キミに逢えたら  作者: ちびすけ
ルルの魔法薬
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4


「ん~。あれは女性化の魔法薬だからぁ……」

 ブツブツ言いながら、ルルは部屋の隅に置かれているショーケースの1つに近づくと、綺麗に並べれられているガラス瓶の1つを掴んだ。

 蓋を開け、赤色の涙型の魔法薬を1粒取り出す。ガラス瓶を元の場所に戻すと、取り出した魔法薬を持ったまま、横の棚に置かれている細長いフラスコを持ってテーブルの前に移動し、取り出した粒をその中に入れた。

 次に、テーブルの上に置かれていた水差しを手に取ると、フラスコの中に少量の水を注ぎ、クルクルと回す。カチャンッ、カランとフラスコに魔法薬がぶつかる音が部屋の中に響く。

 普段、愛らしい表情で笑うルルを、ただただ可愛い女の子と思っていたが───真剣な表情で魔法薬を混ぜる姿はかっこ良く見えた。



 そこには、確かに『薬師』としてのルルがいた。



 ある程度フラスコを回していたルルは、一度手を止め、その中にフーッと息を吹きかけた。

 もう一度少量の水を入れ、何度か同じ作業を繰り返していく。すると……。

「あ、色が変わった!」

 近くに行ってルルの作業を興味深そうに見ていた零が、フラスコの中の溶液の色が変わったのを見て驚きの声を上げた。

 魔法薬が溶けたフラスコの中には、先程入れた赤い色ではなく……泥の様な、茶色く濁ったものに変わっていた。

 どう見てもゲロマズそうだと思える色である。



「はぁ~い。完・成♪」



 色の変化を認めたルルは、これを飲んだら完璧に元に戻るよと言いながら、水に溶けた魔法薬(あの泥色をした)をニッコリ笑いながらフィードに差し出した。

「………………」

 受け取ったフィードは、それをジーッと見詰めながら固まる。

 なんだこの色は。これは本当に解毒薬なのか? この唯の泥水としか言えない様な物が!? それに、なんか臭うし……これを本当に飲んでもいい物なのか、と、激しく悩みながら呟くフィード君に私は同情の視線を送る。

 あれは私でも飲みたくはない。

「大丈夫ですよ。ルルはウェーゼン国一の薬師ですからね」

 眉間に皺を寄せて悩み続けるフィードに、ハーシェルが安心させる様にそう言った。

 最後に、味は保証しませんが効き目はぴか一です。と付け加える。

「ウェーゼン国一の薬師?」

 フィードはルルに目を向ける。そして、何かに気付いた様にハッとした。

「……名を、『ルル』と言ったな。この国一の薬師で、魔法薬を扱う『ルル』と言う事は……かの有名なオルディガ家の『毒姫』か───」

 目を細めて確認するフィード君に、ルルはいつもと変わらぬ笑顔で「そうよ」と言った。

「…そうか。なら、信用できるな」

 何かを考えるよな素振りをしたフィード君であったが、一度目を閉じ、何かを決した様に見開くと。



 ゴックン!



 鼻を摘まみながら、勢いよく泥水の様な解毒薬を飲み干した。

 おぉ、いい飲みっぷり。

 しかし。

「まっず!!!」

 口元を片手で覆い、違った意味で苦しみ出した。

「はい。これを飲んで」

 そうなると分かっていたルルが、水にシロップみたいな物を溶かしたコップをフィード君に差し出す。それを引っ手繰る様に掴んだフィード君はそれも一気に飲み干した。

 はぁ~っと息を吐いて落ち着いた彼の目は、若干涙目である。



 そんな彼を見て、私と零は顔を引き攣らせていた。次は自分の番であると……。

ちょっと短いので、本日の7時にも次話を予約投稿しております。

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