1-1 覚醒
20XX年 6月 17日
僕の名前は紀 晴。
中高一貫校の軌跡学園に通っている。
「ご馳走様でした!」
今日も晩御飯を食べてお皿を台所に持っていく。
さてと…風呂入る前にパパっと部活の予算だけ整理しとくか…
学校から支給されたパソコンで部活の予算と部員が欲しいと言っている物とそれが適切かどうか確認する。
部員の望む物を見てみると中には200万円かかるPCを欲しいとか言ってる中一の子がいるが…
明日その子と話してみるか…
まあ後は大方大丈夫そうだから…
残りは明日でもいいか…
「風呂入ろ」
自分の部屋にあるキャスター付きの椅子を後ろに引いて立ち上がる。
十分後
風呂から出てパジャマに着替えて
風呂に入ったし、今日はもう寝るか!
そう思い、ベッドの端に腰を下ろす。
軌跡学園の一年目。
部活会計を任されてからというもの、毎日なにかしら仕事がある。
とはいえ、今日はそこまで難しいものでもなかった……はずだった。
ベッドに横になり、天井をぼんやりと見つめた瞬間。
ピコン
机の上に置きっぱなしだった学校支給のノートPCが、突然ひとりでに起動した。
「……え?さっきスリープにしたよな?」
部屋の電気も消していないのに、モニターが淡く青白い光を放つ。
何かの更新かと思い目を細めると、画面いっぱいに赤い文字が浮かび上がった。
《緊急アラート。能力者候補の反応――付近0.4km圏内にて検知》
「は? なんだそれ、ジョークアプリか?」
そんなものインストールした覚えはない。
むしろ、学校のPCは余計なアプリを勝手に入れられないはずだ。
気味の悪さを覚えながら近づこうとしたその時――
ドンッ!!!
家の外から、大きな衝撃音が響いた。
地鳴りのような震動。窓ガラスが震える。
「地震……じゃないよな?」
胸がざわつく。
数秒後、再びアラートが鳴る。
《高エネルギー反応接近。推定 Sクラス能力者》
「……何言ってんだよ……」
ふざけているにしては悪質すぎる。
そう思いながら画面に手を伸ばした瞬間、玄関のほうから母の叫び声が聞こえた。
「晴っ!!危ない!!下がって!!」
母の声が震えている。
ただ事じゃない。
身体が勝手に動いて、部屋を飛び出した。
階段の途中で目に飛び込んできたのは、玄関を破壊して踏み込んでくる“影”。
黒く揺らめく霧のようなものに包まれた男が、倒れ込む母を見下ろしていた。
そして、そいつはこちらを向く。
「ヒョ……ウ…テイ…」
低い、機械のような声。
男の右手には光の歪みのような球体が生まれている。
殺される――!
そう直感した瞬間。
ズァンッ!!
視界が白く弾けた。
胸の奥から、熱とも痛みともつかない何かが噴き出すような感覚。
全身が震え、世界がスローモーションになる。
男の放った球体がこちらに向かって飛んでくる。
避けられない距離――のはずなのに。
僕の周囲に、透明な氷が形成されていた。
「……え?」
その氷はバリアの様に展開され、音もなく消滅した。
母も、影の男も、僕自身も驚いたように固まる。
そして画面の中の赤い文字が、自動音声のように告げる。
《能力覚醒確認。能力名:氷》
《属性系・最希少クラス》
「……能力……?」
すると影の男が動き出す。
「お前か……“次”は……」
ドロリとした闇が腕の形を変え、槍のように尖る。
母がかすれた声で叫ぶ。
「晴…逃げて…」
その声が最後だった…
僕が最後に母親の声を聞いたのは…
死んだ…目の前で…
胸の中から何かが走る。
冷たい風が
冷たい血が
冷たい記憶が
そのすべてが僕を覆う。
氷帝として別世界で仲間と共に戦っていた記憶が…
白と銀色の鎧が左手を覆い始める。
不完全だが今はどうでもいい…
目の前のあいつを僕は殺さないといけない…
影の男と視線がぶつかる。
夜の静けさはもうどこにもなかった。
彼女は強いこの世界においては最強ともいえるだろう
ただ…
過去の記憶を取り戻した僕には…
「影核の末端ごときが私を倒そうなど100年早いわ!」
そう口走っていた。
主人公実は左利きそして私も左利き




