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第2話: 瞳に響く残響

( ゜▽゜)/ やあやあ、また戻ってきたぞ!

最近めちゃくちゃエネルギーが湧いてきて、この物語を書くために夜更かししすぎてる!( ノД`)シクシク…

今まで何度も書いてはやめてを繰り返してきたけど、今回はなんか違う…この物語が僕を掴んで離さない! Σ(っ °Д °;)っ


それに、ストーリーの展開を考えながら通勤の行き帰りに長距離散歩するようになったんだけど、先週まで(๑´ڡ`๑)ポカポカだったのに、今週は氷点下!? なんで!? ⛄(゜Д゜)⛄ 鼻の感覚がない!! ヾ(°∇°*) オイオイ


ではでは、楽しんでいってね! (ノ≧∀≦)ノ

何が起こったのか、僕にはわからなかった。


気を失った後の記憶は、一切ない。


目を覚ますと、冷たい夜風と、燃え盛る焚き火のパチパチとした音が耳に入った。


オークたちは焚き火をこよなく愛していた。

炎の中を踊り狂い、焼けた鉄を素手で握り締め、自らの肉を焦がして強さを誇示する。

僕たちの軍勢の規模を考えれば、近くの森が燃え尽きるのも時間の問題だった。


そして木々が尽きれば、また次の地へ向かうのだ。

──掠奪し、焼き払い、蹂躙し、穢すために。


全身が痛みと疲労に震えていた。


この痛みには慣れている。

ゴブリンとして生まれた以上、殴られ蹴られ、毎日ボロボロにされるのは当たり前だった。


だけど、今回の痛みは違った。

世界が、少しだけズレたような感覚。


ほんの一瞬だけ時間が止まり、その間に僕以外のすべてが微妙に動いたような、そんな違和感。

身体が重い。まとわりつくような感覚がして、思考も鈍い。


──違和感。


言葉にしづらい。

ただ、はっきりと理解していた。


僕は、この世界に属していない。


まるで、ずっと他人の皮をかぶって生きていたみたいだ。

そして、ほんの一瞬だけ"本当の自分"を取り戻したような感覚があった。


――それは、どんな感覚だった?


自由?

解放?


だが、その感覚は一瞬で消え、僕は再び小さな身体に閉じ込められた。

この世界は僕にとって、小さすぎる檻だ。


考え込んでいると、不意に何かが僕の唇に押し当てられた。

ざらついた感触。


反射的に身をこわばらせる。


……冷たい液体が喉を流れた。


全身の緊張が一気に抜ける。

気づいていなかった渇きが、一気に押し寄せた。


口に流れ込んだものを夢中で飲み干す。

喉を通るその感触は、まるで干ばつに見舞われた砂漠に降る恵みの雨のようだった。


"これ"を飲ませてくれた誰かがいる。

つまり、今すぐ殺されることはない、ということか。


スクラム。


オークどもが作る"酒もどき"。

酒粕や汚れた麦を発酵させ、ろ過もされずに放置された液体。


一応、少量のアルコールが含まれているが、それは雑菌を殺すためのもので、"酔う"ためのものではない。

オークにとってはただの水代わりだが、僕たちのような小柄なゴブリンにとっては、数杯飲めば簡単に意識が飛ぶ。


──それにしても、冷たい。


冷えたスクラムなんて、普通はゴブリンが隠し持てる代物ではない。

誰かが、川に浸して冷やしたのか?


そんな手の込んだことをするゴブリンは、僕の知る限り一人しかいない。


「ヴォルト、少しはマシか?」


かすれた声が、僕に問いかけた。

その声には、まるで自分が喋ること自体に苦労しているかのような、そんな響きがあった。


ガック。


昨日、オークの手に握り潰されていた、僕と同じゴブリン。

僕たちの"群れ"をまとめる長老のような存在だ。


「ヴォルト、感謝するんだな」


ガックは、ひとこと付け加えた。


ゴブリンの世界では、"善意"は存在しない。

何かを得れば、それに対する対価を支払わなければならない。


「ガックはな……いい時のために、このスクラムを取っておいたんだぞ」


喉の奥が引きつる。


……どういうことだ?


「ガックは、また探してこないといけない……」


皮肉を言おうとしたが、口を開く前に考え直した。

ゆっくりと目を開く。


途端に、昨日の記憶が押し寄せてきた。

ほんの少しでも目を開けたら、また"あの光景"に引きずり込まれるような、そんな気がして。


──あのサラリーマン。


絶望と共に、最期の瞬間を迎えた男。


──モクタンは、かつて人間だった。


僕は、確かに"見た"。

モクタンの過去を。


それなら……


他のオークたちは?

ゴブリンは?

ノールは?

エルフやドワーフは?


この世界にいるすべての者たちは、もしかして……転生者なのか?


息苦しくなった。


思考がぐるぐると回り始め、止められなくなる。


僕は、気が狂ったのか?


いや、これはただの幻覚かもしれない。

痛みと疲労のせいで、こんな妄想を見ているだけかもしれない。


──でも、もし本当に狂ったのなら、僕は今こうして正気を疑うことすらできないはずだ。


「ヴォルト、どうした?」


ガックの言葉で、現実に引き戻された。


気づけば、僕はガックが座っている"寝床"の上に横になっていた。

ゴブリンにとって唯一の快適な寝床──馬車の下の、ボロ布の上。


「……ヴォルト、平気だ」


震える声で答える。


鼻が折れているせいで、空気を吸うだけで顔が痛む。

でも、僕は"今ここにいる"と、そう実感するために、あえて空気を吸い込んだ。


「……ただ、疲れただけ」


「なら、どけ」


突然、ガックの声が冷たくなった。


「ガックの寝床だ。ヴォルト、どけ」


ガックは咳き込みながら、どこか誇り高げに言った。


「借りは、返した」


「……借り?」


「ヴォルトは、モクタンからガックを救った」


ガックは、苦々しく吐き捨てるように言う。


「だから今度は、ガックがヴォルトを救った。借りは、もうない。」


僕たちの間に、沈黙が落ちた。


僕は答えようとした。だが、ちょうどその時——


「ゲフゥ!」


荷車の影から、大きなゲップが響いた。


一瞬の沈黙のあと、乱暴な罵声と喧嘩の声が続く。それがどこかへ移動していくと、僕たちはまるでその余韻に押し流されたように、今までしていた借りの話をやめてしまった。


ガックに礼を言おうかと考えていた自分に気づき、思わず苦い顔をする。


——いや、違う。


なぜ僕は、ガックに礼を言おうとしている?


ゴブリンは、他のゴブリンに感謝などしない。


……そして。


僕は、本当にゴブリンなのか?


頭の中に、あの光景がよみがえる。


サラリーマン。


絶望の淵で、すべてを賭け、破滅していった男。


馴染みのないはずの世界。


けれども、知っているものばかりの風景。


彼は、モクタンだった。


彼は、"元"人間だった。


ならば、他のオークたちは?


ゴブリンは?


ノールは?


エルフやドワーフは?


この世界にいるすべての者たちは、もしかして……転生者なのか?


思考が暴走する。


止められない。


僕は、気が狂ったのか?


いや、これはただの幻覚かもしれない。


痛みと疲労のせいで、こんな妄想を見ているだけかもしれない。


……でも、本当に狂ったのなら、僕は今こうして正気を疑うことすらできないはずだ。


ゆっくりと体を動かすと、ガックが僕を寝かせた場所がどこなのかが分かった。


ボロボロの麻袋の上。


ゴブリンにとって"特別な寝床"——荷車の下の唯一乾いた場所。


視線をガックに向けようとしたが、その瞬間、体が痛みに悲鳴を上げた。


かすれた声でうめき、力なく背中を地面に投げ出す。


だが、その刹那、僕は気づいてしまった。


ガックの"目"が、ほんのわずかに揺れたのを。


……気のせいか?


いや、確かに見た。


ガックの表情には、"心配"の色があった。


ゴブリンが、他のゴブリンを気にかけるなんて……そんなこと、ありえるのか?


その疑問を胸に抱きながら、僕の意識は再び暗闇に沈んでいった。


***


"休息"という概念は、ゴブリンには存在しない。


僕たちは、大軍**"アドラフの大軍勢"**に属する最下層の奴隷。


"仕事ができる者"だけが、生きることを許される。


動けなくなったら?


その肉は、煮られ、焼かれ、鍋の中へ消える。


だから、"休む"暇はない。


ゴブリンが生き残れるのは、"しぶとさ"のおかげだ。


もし、僕たちが痛みに耐えられない生き物だったなら、とっくにこの軍勢は崩壊していただろう。


**選ばれし者(チョーズン)**との戦争。


他の軍勢との抗争。


それらの戦いよりも、もっと危険なのが"オーク同士の喧嘩"だった。


オークという生き物は、理由がなくても争う。


ちょっとした言葉の行き違いで刃を交え、殴り合い、牙を突き立てる。


結果?


軍勢の半分が、常に"回復中"の状態になるのだ。


……それでもオークは死なない。


腕の一本、二本なくなったところで平然と生き延びる。


ゴブリンも同じだ。


肋骨が折れようが、肺に穴が開こうが、寝れば治る。


——痛みが消えることは、決してないけれど。


"痛み"がない日なんて、この世に存在しない。


だからこそ、僕たちは知っている。


五箇所以上骨が折れていなければ、それは"幸運"なのだと。


***


夜が明けるころ、ガックが僕を蹴って起こした。


……優しく、だったが。


「ほれ、食え」


差し出されたのは……昨日、僕たちが奪い合っていた"あの"ソーセージだった。


僕は無言で受け取った。


そして、昨日と同じように、ボロボロと崩れるほどに乾いた肉を口に放り込む。


"美味い"なんて感想はない。


ただ、胃に入るだけマシだ。


一方、ガックは……


"虫が湧いた部分"を僕に押しつけ、自分は少しでも"まともな"ところを食べていた。


……"かなりの譲歩"だった。


最近、襲撃がうまくいっていないせいで、食糧が底をつきかけている。


オークどもはもちろん最優先だが、そのオークの下にいる"デカいゴブリン"どもも、それなりに優遇される。


……その"余り"が、僕たちの食料だ。


"今日の食事"が"明日の自分"にならない保証なんて、どこにもない。


それが、僕たちの現実だった。


……それでも、僕は"生きている"。


それだけで、感謝すべきなのかもしれない。


ふと、僕の意識が"ガックの行動"に向かう。


昨日のことを考えれば、ガックが僕に対して"親切"だったのも理解できる。


……だが、それだけではない気がした。


ゴブリンに"友情"なんて概念はない。


"貸し借り"だけで、すべてが成り立っている。


ガックの"貸し"は、もう消えたはずだ。


……なのに、何かが違う気がする。


僕は考え込む。


モクタンが転生者なら……


ガックは?


この軍勢にいるゴブリンたちは?


僕は……?


考えても仕方ない。


だが、一つだけ確かなことがあった。


"ここで死にたくない"という気持ちだけは、僕はまだ失っていない。


——僕は、この世界に負けるつもりはない。


それにしても、僕たちの"慈悲深い指導者"が今朝どこにも見当たらないのは驚きだった。


モクタンは、僕たちの目を覚ますために鞭を振るう機会を決して逃さなかったはずなのに、今朝は誰も彼の姿を見ていなかった。


「グリッツが言ってたよ。」


フリンクがくすくす笑いながら言う。猫のような目を楽しげに細めて。


「モクタン、昨日ぶっ飛ばされたんだってさ! もし運が良ければ……モクタン、帰ってこないかもね!」


「えぇえぇえぇぇえ!!?」


モッドとソッドが同時に息を呑み、口を両手で覆う。細長い指の間から見えるのは、信じられないほど嬉しそうな表情だった。


だが、ガックは鼻を鳴らす。


「グリッツの言うことは、"寝ぼけた月"と同じ。」


彼は苛立たしげに首を振る。


「ガックは、目で見るまで信じん。」


モッドとソッドは、すぐに"信じたこと"を後悔し、急いで頷く。大きな耳が左右に揺れながら、


「そうだね! グリッツ、嘘つく!」


「グリッツ、ばか!」


と、同時に呟いた。


……二匹とも、何の反省もしていない顔だった。


フリンクは肩をすくめ、小指の爪を使って歯の隙間をほじる。


「ま、ただのウワサだけどね。」


見つけた何かをちらりと見てから、彼女はそれを飲み込んだ。


「でもさ、モクタン、いないじゃん? ムチの音もしないし、今日はラクな一日になりそうじゃない?」


「違う。」


ガックが低く呟いた。シワだらけの顔に、苦い表情が刻まれる。


「今日は、"ラクな日"じゃない。」


ガックは、周りの僕たち全員を見渡した。


僕は、彼の視線を避けた。……いや、避けたというよりも、怖かった。


"ガックが誰だったのか"を、僕は知りたくなかった。


彼は、やがて口を開いた。


「昨日、聞いた……」


ガックは慎重に言葉を選びながら続ける。


「モクタン……"寝る前"に何か言われていた。」


一瞬、彼は僕をちらりと見た。"あの出来事"を言うな、という警告だ。


「……酋長(ウォーチーフ)が言った。」


「もうすぐ、大会議が開かれる。」


「多くの酋長(ウォーチーフ)がここに集まり……選ばれし者(チョーズン)の都市を襲う計画を立てる。」


「つまり、オークが増える。」


「ゴブリンも増える。」


「戦いも増える。」


「死ぬやつも増える。」


その言葉の重みが、じわじわと染み渡る。


フリンクでさえ、もう笑っていなかった。


"大会議"が開かれるということは、つまり……新たな戦争が始まるということ。


そして、それは"ゴブリン同士の殺し合い"も意味していた。


僕たちは知っていた。


僕たち全員が、経験していた。


——それは、一世代前にも起こった出来事だった。


ガックが"目"を失ったのは、その時だった。


僕の母が、弟のために食料を盗もうとして殺されたのも、その時だった。


……そして、僕が**"初めてゴブリンを殺した"**のも、その時だった。


僕は、あいつの名前を知らない。


話す言葉も、ほとんど理解できなかった。


でも、僕はあいつを殺した。


毒キノコの樽の裏で。


あいつが、僕の耳をナイフで切り裂きながら、僕はあいつの首を絞めた。


あいつの息が止まり、あいつの舌がだらしなく垂れ下がり、あいつが動かなくなっても、僕は手を離せなかった。


……その時、あいつが持っていたナイフ。


僕は、今もそれを隠し持っている。


いつか、また使うことになるかもしれないから。


僕たちの部族は"勝った"。


でも、"勝った"からといって、何かが良くなったわけじゃない。


ただ、働く手が減っただけだった。


当時、モッドとソッドは、まだ歩くことすら覚束なかった。


フリンクは、その二匹を育てることを自分の役目にした。


——成功したかどうかは、まだわからないけれど。


***


ぼんやりと考えごとをしていた僕は、何気なくフリンクと目を合わせた。


……その瞬間、"それ"は起こった。


最初は、"何も起こらなかった"と、思った。


いや、違う。


"何も起こらなかった"んじゃなくて、"時間が止まった"のだと気づいた。


誰も動かない。


ただ、フリンクの大きな瞳だけが、"僕を呑み込もう"とする。


黄金色に近い、黄緑の瞳。


獣のように細く長い瞳孔。


僕は、目をそらせなかった。


そして、次の瞬間——


——僕は、"そこ"にいた。


——僕は、"そこ"にいた。


***


暗闇の中に浮かぶ、長い机の列。


教室だ。


窓の外には夕焼けが広がっている。


一人の少女が、肩を震わせながら泣いていた。


震える手には、錆びたハサミ。


黒く長い髪を、乱暴に切り落としている。


彼女の髪には、何かが絡みついていた。


……何か、ベトベトしたものが……


それが絡まり、髪を糊のように固めている。


次々と、机の上に髪が落ちていく。


——クスクスとした笑い声が、四方から響く。


——ひそひそとした声が、教室中に広がる。


彼女の肩が震える。


それでも、彼女はハサミを動かし続けた。


——まるで、"それ"を切り落とせば、すべてが終わるかのように。


僕は息ができなかった。


水の底に沈められたような、圧倒的な閉塞感。


思考が止まり、何も考えられない。


それでも、"彼女の感情"だけは、はっきりと伝わってくる。


怒り。


悔しさ。


屈辱。


……憎しみ。


——"僕"は、彼女の憎しみを感じた。


***


「ヴォルト!?」


ガックの叫びが、僕を引き戻した。


意識が現実に戻った瞬間、僕は尻もちをつき、頭を押さえた。


痛みではない……いや、厳密には違う。


全身を襲うのは、まるで氷水に浸かったような感覚だった。


"僕の"髪……いや、"彼女の"髪に何をされたのか。


その悔しさが、怒りが、喉元までこみ上げてくる。


——憎い。


——憎い。


——こんなにも、憎い……!


僕は震えながら立ち上がった。


まだ頭を押さえたまま、自分の髪を無意識に触る。


ゴワついて汚れた髪。


だが、それは黒くもなければ、粘ついたガムも絡んでいない。


ゆっくりと、視界が戻る。


フリンクは驚愕した顔で僕を見つめていた。


耳をピクリと動かし、半歩後ずさる。


牙を剥き、低く唸っていた。


まるで、僕が彼女に"何かした"かのように。


***


モッドとソッドが、僕に近づく。


鼻をクンクンと鳴らし、匂いを嗅ぐ。


……彼らが使役するディアウルフ(恐狼)の癖が抜けていないのだろう。


そして、神妙な顔で頷き合った。


「ヴォルト、怖がってる匂いする。」


モッドが断言する。


「ヴォルト、痛がってる匂いする。」


ソッドが補足する。


そして、二匹は再び頷き合った。


……勝手に納得するんじゃない。


「何でもない……」


僕は二匹を振り払うように言う。


そして、話を元に戻すため、ガックに向き直った。


「……ゴブリンは、どうすればいい?」


「隠れてやり過ごすしかないか?」


ガックは片目の空洞を指でなぞる。


「いや……」


「ガックは、頭を使った。」


「ヴォルトが寝ている間に、"借り"を使った。」


「俺たちゴブリンは、宴の給仕をする。」


「何!?」


フリンクが、今度こそ絶叫した。


彼女の目が丸くなり、耳がぴくぴくと動く。


「ガック、頭使いすぎ! ゴブリン同士の敵を増やすだけだ!」


そう叫ぶやいなや、彼女はガックを押した。


小柄なガックよりも、フリンクの方が頭一つ分大きい。


「他のゴブリンに恨まれる!」


「いじめられる!」


「食い物を奪われる!」


「それでも……"初日"は、安全だ。」


ガックは揺るがない。


「安全な場所で、飯にありつける。」


「戦いが始まる前に、隠れる場所も作れる。」


フリンクは、歯ぎしりをした。


モッドとソッドは、目を輝かせて飛び跳ねる。


酋長(ウォーチーフ)のテントに入れる!?」


酋長(ウォーチーフ)に料理を出せる!?」


バシンッ!


ガックが二匹の頭を軽く叩く。


「やかましい。」


そして、僕の方に向き直る。


「宴で給仕をすれば、"他のゴブリン"の問題はなくなる。」


「……モクタンの問題も、な。」


その言葉に、僕はゆっくりと頷いた。


安全な場所。


食べ物の確保。


他の群れのゴブリンには恨まれるだろうが、それでも……


争いに巻き込まれるよりは、はるかにマシだ。


「ヴォルトは、それでいい。」


「よし。」


ガックは頷く。


「なら、行くぞ。宴の準備だ。」


こうして、僕たちの"会議"は終わった。


***


フリンクは明らかに不満そうだったが、結局、"四対一"。


多数決で負けたことを悟ると、彼女は舌打ちをしながら地面の石を蹴り飛ばした。


……そして、不機嫌そうに僕たちの後をついてくる。


向かう先は、大宴会の準備場。


そこでは、選ばれし者(チョーズン)や、知恵のあるオークが料理人として働いていた。


"祝宴"のための豪華な料理が、今まさに準備されている。


モッドとソッドは、ガックや僕に矢継ぎ早に質問を浴びせ続ける。


だが、僕はそのどれにも答えられなかった。


——頭の中を占めていたのは、あの"少女"の記憶だった。


彼女の怒り。


彼女の悔しさ。


彼女の涙。


そして、"彼女"が憎んでいた者たちへの、底知れない憎しみ。


僕は、もう一度、フリンクをちらりと見た。


——彼女は、何をした?


彼女は、何をされて、あんなに傷ついた?


だが、フリンクは気づいていないのか、それとも……もう気にすることすらやめてしまったのか。


——彼女の表情は、何も語らなかった。

(≧▽≦)ノ ここまで読んでくれてありがとう~!

前回、ヴォルトにあまりにも酷いことばかりしてた気がして、ちょっとは休ませてあげなきゃ… って思いました!( ;∀;)


いや、ほんとゴブリン生活って過酷すぎるよね!?( ºΔº )〣


でも次の章はまたハードになりそうな予感…(ΦωΦ)フフフ…

第3章、楽しみにしてくれたら嬉しいな!僕も超楽しみ! ヽ(´∀`)ノ♪


では、また次回!(o゜v゜)ノシ

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