第7話
「おはよう!!!」
いつも通りのリエルのうるさいあいさつで目を覚ます。
いつもと変わることのない朝だ。朝食がないことを除けば。
昨日の夕ご飯でついに食料が枯渇してしまった。
「おなか減ったよーーー」
リエルが不満を漏らす。
私たち3人はもう一度この洞窟を拠点に川を探すことにした。
森の中を歩き続ける。
2時間ほど歩いていくと、煙が見えた。
煙の元まで歩くと、話声がする。
どうやら探索者のようだ。
男が2人と女が1人。そこそこの装備は少なくとも持っているように見える。
「どうする?襲っちゃう?」
「だめだ。相手の実力がわからないのに喧嘩を売るのはリスクが高すぎる。」
「迷った子供の振りをして、相手の出方をうかがおう」
やる気まんまんのリエルと私をシファーを何とか抑え込み私たちは3人で話し合い接触することに決めた。
「私たちこの森で遭難しちゃって、助けてもらえませんか。」
「へえ、こんな危ない森の深くによくガキ3人だけでこれたな?」
リーダーのような女の人に早速怪しまれた。
黒髪を後ろで束ねていて、胸が大きくスタイルの良い美人だ。
早速計画が破綻しかけた。
「実は人さらいにあって、、、僕たち食料がもうないんです。分けてもらえませんか?」
シファーがフォローを入れる。
「へえ。ひとさらいねえ。まあ遭難してるってのは本当っぽいね。町まで送ってあげよう。ちょうどあたしらも撤退するところだったしね。」
「あたしの名前はソーヴァ。よろしくな。後ろの奴らは右がラバン左がロバート。まあ重要じゃないから覚えなくていいよ。」
「えー、そんなひどいこと言わんでくださいよー、」
ソーヴァさんの後ろから大男二人が文句を言う。
少し見透かされている気がするけど、何とか助かりそうで安堵する。
私たち3人は彼らについていくことにした。
山をどんどん下る。
彼女らは大量発生したオークの調査にやってきていた6級探索者らしい。
「6級!?めちゃめちゃ上位冒険者じゃないですか。」
シファーが驚く。
「君たちは、それでどうやってあそこまで行ったんだ?ここら辺はランクの高いモンスターだらけで、5級未満は立ち入り禁止のはずだが。」
私たちはこれまでの経緯を事細かに話した。
「孤児院、、、あんな山奥にあるなんて聞いたことないぞ?」
どうやらソーヴァさんも知らないらしい。
何事もなく2日ほど山の中を歩くと城壁に囲まれた街が見えてきた。
りえるとシファーもすごく驚き興奮している。
「こんなに大きい建物は初めて見た。」
これまで少し疲れ気味だったシファーは急に元気になる。
「ははは!町を見るのは初めてかい?ここには大抵のものがそろってる。その孤児院とやらの手がかりもあるはずさ。」
ソーヴァさんたちと一緒に門と検査を抜けた。
「あたしらは用事があるからここらへんで失礼するよ。」
そういうとソーヴァさんたちはどこかにいってしまった。
「どうする?あたしら無一文だよ。」
「俺たちの持ってる魔石を売ろう。探索者ギルドとかいう場所で買い取ってくれるはずだ」
私たちは探索者ギルドに足を運んだ。