表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

第6話

1週間かけて私たちは団地をすべて探索した。

貴重な資料はたくさん手に入ったが、孤児院へ帰る手掛かりは手に入らなかった。

食料もあまり残っていない。

どうするか決めかねていると、急に大きな鳴き声が聞こえた。


「ゴブリンどもが山で騒いでやがる。やばいかもな。こういう風にゴブリンの鳴き声がするときはたいていろくでもないくらい強いモンスターがゴブリンを襲ってる時だよ。:


シファーはそういうと支度をはじめ、私たちにも出ていく準備を促す。


「どうせもうそろそろ移動しなきゃいけないしな。強いモンスターと出会う前に逃げちまおう。」


「えー?あたしちょっと見てきたいんだけど!」


不満そうにリエルがつぶやく。


「俺たちだけならまだいいが、シロもいるしな。」


シファーがそういう。わかっていたけれど、私はまだまだ足手まといなのかもしれないと少し落ち込んだ。


「ああ、悪い意味じゃないんだぜ。お前の力は、、、いや、なんでもない。」


そういうとシファーはさっさと歩きだしてしまった。


「どこへ行くつもりなの?」


私がそう聞くと、この間魚を取った沢を登っていくとシファーが教えてくれた。

山を登っていると近くの茂みからなにやら物音がした。

リエルとシファーが戦闘態勢に入る。

私も魔法を唱えた。


「アーツジェネレーション」


そうつぶやき、剣を手のひらから出現させる。

剣を強く握ったタイミングで、茂みからゴブリンが何匹か飛び出してきた。

剣で薙ぎ払う。

ゴブリンの首が1個はねとぶ。

リエルが間髪入れず矢じりの着いた鎖を飛ばす。

きれいにゴブリンの額へと突き刺さる。

シファーがとどめに爆弾を投げる。

何匹かのゴブリンが、肉塊となって吹き飛んだ。

それと同時におおきな雄たけびがこの山に響いた。


「あれ、ケンタウロスじゃない!?」


上半身は裸の男に悪魔のような角が生えているだけだが、下半身は馬のようだ。手には弓が握られ、今まさにこちらを穿とうとしている。

とっさに剣を盾にして、矢を防ぐ。

リエルが鎖を足に絡ませて、矢じりを腹部に突き刺した。

それでもケンタウロスは意に介さずこちらを狙ってくる。


「アーツジェネレーション」


手のひらから槍をだし、咄嗟にミノタウロスの顔にめがけて投げた。

かわされてしまったが、シファーがその隙に投げた爆弾がさく裂する。

リエルが鎖を巧みに操り、木に引っ掛けて宙を舞う。

私の剣をケンタウロスの頭に突き刺した。

ケンタウロスの足が崩れ落ちる。


「危なかったな。まさかケンタウロスまで出てくるなんて。」


息の上がったシファーはそういうと座り込んだ。

私も緊張の糸がきれ、その場にへたり込む。

リエルは少し興奮気味だ。


「ケンタウロスが一体でいるなんてめずらしいわね。それにこいつ、たぶんかなり弱ってるわ。生息域からも離れてるし、、」


そうリエルがつぶやく。

シファーによるとケンタウロスは集団で行動する第3階梯のモンスターらしい。

一息ついて、私たちは解体をすることにした。

改めて見ると、上半身は人っぽいけれど、牙が生えていたり、似ているけれど根本的に人間とは違う生き物なんだと感じた。


日が暮れてくる。

寝床を3人で探していると、小さめの洞窟を見つけた。

入ってみると、かまくらくらいの広さで、一日3人で寝るくらいならなんとかなるくらいの広さだ。

わたしたちは、食事を済ませてすぐに眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ