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第3話

息をひそめて薄暗い洞窟の中を進んでいくと、広い空間の入り口に着いた

松明で光が漏れていて、何かの鳴き声が聞こえる。


「いくよ!準備はいい?」


リエルは早くも待ちきれない様子だ。


「ちょっと待て」


そうシファー君は言った。

私は槍をイメージして魔法を発動した。


「アーツジェネレーション」


そうつぶやくと、手のひらが輝き、槍が出てきた。


「俺が投げる爆弾が爆発した瞬間、一気に突撃するぞ。」


そういうとシファーが爆弾を放り込んだ。

10秒すると、爆音と熱風がきた。

何かを言う間もなくリエルが飛び込んだ。

彼女は長い鎖にくないが付いたような武器を自由自在に操り、あっという間に奥まで飛んで行ってしまった。


「俺らも行こう。」


そういうとシファーは弓をもち突撃した。

わたしもそれに続いて、飛び込んだ。

目の前には燃える何かと、もだえ苦しむ多くのゴブリン、そしてこちらに向かってくるゴブリンがいた。

ゴブリンに向かって槍をふるう。

槍がゴブリンに突き刺さり、肉の感触が手に伝わる。

何とも言い難い不快感を覚えた。

槍を抜こうとしたが抜けないので、ゴブリンごと投げ捨て、剣をイメージして呪文を唱える。


「アーツジェネレーション」


そのまま出てきた剣で目の前のゴブリンの首をはねる。

後ろのごぶりんがとびかかってきた。

慌てて剣で受けようとした瞬間、とびかかってきたゴブリンの頭に矢が突き刺さった。


「気をつけろよ!ここはもう終わりだ。リエルの援護に行こう」


シファーと共に奥へ進むとリエルがとても大きなモンスターの上に載っている。


「これもゴブリンなの?」


「これはオークよ。大きくて太ってるのと、この不細工な豚面が特徴ね。第三階梯のモンスターね」


「その何階梯って何?」


「何よシファー、教えてないの?モンスターにはランクがあるの、ゴブリンみたいな雑魚は第一階梯、そこから強くなるにつれて数字が増えるわ。」


周りを見に行っていたシファーが戻ってきた。


「これより先があるみたいだ。どうする?ここにオークが出てきているとなると、敵はなかなか面倒そうだ。」


「そうね。いったんかえろう!」


そういうとリエルたちはモンスターの死体を解体し始めた。


「何をしているの?」


リエルに聞いた。


「モンスターの中にある魔石を取り出しているの。燃料になるらしいわ」


私もゴブリンの死体の解体を手伝った。

とても気持ち悪かった。

解体が終わり、私たちは洞窟を出る。するとそこには何か気味の悪いモンスターがいた。

蛇のようなしっぽに、ライオンのような頭と胴体、さらには羽まで生えている。

全長10メートルはあるその巨体に、本能的な恐怖を覚えた。


「やばい!キメラよ。いったん洞窟にもどってやり過さないと。」


リエルがそう危機感のある声で言った。

洞窟の中に戻ろうと走る。

しかし下半身の感覚がない。おなかが焼けるように熱い。

それと同時に、意識が遠のいていく。

気を失う直前、何かの声が聞こえた気がした。


「シロ!!あのくそキメラ、ぶち殺す!!!」


リエルが激昂する。


「待って、シロの様子がおかしい。」


彼女の体が浮き上がり、治っていく。

髪と体に何本かの赤い帯を帯びているかのように、彼女の体に何かが浮かんでいた。

彼女はゆっくりと口を開いた。


「ああ、久しぶりの感覚だ。」


そうつぶやくと彼女は、剣を手のひらから出しキメラに襲い掛かる。

すさまじいスピードで飛び上がり、キメラの翼を切り裂いた。

そのまますべての足を切り裂き、彼女は飛び上がった。

手から大きな斧を出し、頭をかち割った。

僕は突然のことにあっけにとられていた。

彼女の体から帯が引くと、そのまま倒れこんでしまった。


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