第2話
気が付くと私は、礼拝堂にいた。あの不思議な声は何だったんだろう。
何か不思議な力が私に備わった気がした。試しに魔法を使ってみる。
魔法の使い方は不思議と自然に出てきた。
「アーツジェネレーション」
そう小さく唱えると剣が手のひらに出てきた。
どうなっているのか不思議で私が剣を眺めていると後ろから声がした。
「おお、無事魔法を貰うことができたようだな。どんな魔法なんだ?」
ランバートさんが話しかけてきた。
「あ、はい!思い描いた武器を出せる魔法です!」
「ほう、なかなかいい魔法を貰ったね。魔法に夢中なところ悪いけれど食堂に行こう!もう食事の準備ができているよ」
ランバートさんについて歩いていくと、とても大きく長いテーブルが4つある部屋についた。
すべてのテーブルにはたくさんのパンとおかずが置いてあって、子供たちがたくさん座っている。先生たちは端のテーブルで食べるみたいだ。
「おおーい!しろー!君の席はここだよー!」
そう大きな声でリエルに呼ばれた。私は急いで座る。
私が座ると神様への祈りが始まった
「大いなる主へ、今日も私たちは恵みに感謝します。アーメン」
祈りが終わると食事の時間だ。
ぱんもおかずの豆のスープも、あまりおいしくない。
パンはカサカサだし、スープも味が薄い。
食事の時間が終わると、リエルと部屋に向かう。
部屋に戻ると、見知らぬ男の子が部屋にいた。
「ああ、お前が新入りか。俺の名前はシファーだ。まあ、よろしく。」
「あ、えっと、、」
「この子は記憶喪失なの!白って呼ぶことになってるんだ!」
リエルが代わりにこたえてくれた。
「そうか、よろしく白!困ったことがあれば全部リエルに聞いてくれ。必ず力になると思う。」
「よろしくお願いします。」
「明日も朝は早い。俺はそろそろ寝るから、お前らも寝ろよー」
そういうと彼はさっさと寝てしまった。
リエルが少しうるさいけど、私も眠ることにした。
「おはよー!!!!!」
リエルのうるさい声でわたしは目を覚ました。
「おはよー!朝だよ!」
「おはよう」
「朝からうるせえ!はあ、さっさとしたくしろよ!」
リエルの爆音の声にシファーがキレる。
「はいはーい」
リエルはあからさまに適当な返事をした。
リエルに教わってベッドを整えて、私たちは食堂へ向かった。
「おはよう白君!よく眠れたかい」
そう大きな声でランバートさんが話しかけてきた。
「はい、大丈夫です」
そう答え、私は自分の席に着く。
祈りを捧げ私たちは朝食を食べる。
やはりどう考えてもおいしくない。
朝食を食べると私たちは労働時間に入るらしい
リエルとシファーに連れられて、教会の外に出た。
庭に出るとみんなが集められて、何列かに分けられてきれいに並んでいる。
ランバートさんがうるさいくらいの声で、注意事項を読み上げる。
「これから外にでて、探索を行い資源を調達する。資源を横領したものはそれなりのバツがあるから気を付けるように。それでは~スタート!!」
「早くいこ!」
リエルはそういうと、一人で駆け出して行ってしまった。
「はあ、あいつはなんであんなに自分勝手なんだ!案内するから行こう」
シファーに手を引かれて、木が生い茂っている場所を潜り抜けてどんどん先へと入っていく、時々建物の残骸のようなものがある。
私は気になって聞いた。
「シファー君!これって何なの?」
「ああ、それは大昔の建物さ。昔は多くの人間がこの世界に住んでいたらしいよ。」
シファーに連れられて木々の間を抜けていくと、リエルを見つけた。
「あ!白にシファー!遅かったね!」
「お前がさっさと行きすぎなんだよ!お前は協調性ってものをだな、、、」
「そんなどうでもいいことよりさ、見てよこれ!この洞窟、たぶんゴブリンが住んでると思うんだよね!攻撃してみたくない?」
私は聞きなれない単語を聞いた。
「ゴブリンって何ですか?」
「あー、ゴブリンっていうのはね、、」
リエルの顔を押しのけてシファーがしゃべりだした。
「この世で一番弱い動物さ!そのくせ奴らはどの動物にも敵対してくるんだ。」
「あたしの解説を取らないでよ!!!」
シファーは無視して話を続ける。
「ゴブリンの巣には、宝物があることがあるんだ。やつらは光るものを集める習性があるからなどうだ?怖かったら俺とあのバカで行くけど」
「私も行ってみたいかも」
好奇心がわいてきた。
「そのまえに君の魔法を聞いてもいいか?俺の魔法は爆弾を作れる能力さ。」
「私の魔法は武器を作れる魔法よ」
シファーは少し考えているようなそぶりを見せた。
「へえ、そりゃいいね!じゃあ馬鹿が待ちきれないみたいだし早速行こうか」
「ちょっとー?聞こえてるんですけど。あなたの頭、ねじ切るわよ?」
「上等だよ!俺の爆弾でお前の頭吹き飛ばしてやる!」
軽口を言いながらわたしたちは洞窟に入っていった。