たべられつずけるぼく
絵本『たべられつずけるぼく』は、ジャガイモが主人公。
土の中で決まった大きさで止まり、決まった調理方法で食べられる毎日。
誰かに喜んでもらう為に生まれ、誰かの汗を吸って育つ。
最後は困っている人の胃袋の中で消化され、その人の為に尽くすんだ。
「おいしいね」っていわれると、残りのぼくたちも生まれてきた意味を知るんだ。
ぼくを大切に育ててくれてありがとう。
「さよなら」といえないのはね、お別れではないからだよ。
ぼくの命はずっとつながっているんだ。
花が美しい理由は色々あるけど、ぼくの口からいうと怒られちゃう。
ぼくは揚げても焼いても煮てもおいしいのはね、野菜の神様が書いたレシピだから。
ぼくの能力を最大限引き出してくれたんだ。
ぼくが君の身体の一部になるとき、君の心の燃料にもなって、君のことも君の家族のことも支えてるんだよ。
だから、ぼくがいるかぎり君は1人なんかじゃない。
ぼくには仲間が沢山いて、毎日君のことを思ってるよ。
君がぼくたち野菜を必要としてくれているかぎり、雨は降り、太陽はさんさんと輝き、人々の思いを沢山吸ったぼくらが店頭に並ぶ。
子供のお小遣いで君を元気いっぱいにできるのは、決められた理由があるからなんだ.....
「生きて」
世界中にはぼくを食べられない人が大勢いる。
だから君が大人になる理由もわかるよね?
世界が助け合って、争っている国に見せてあげるんだ。
ぼくたち野菜は弱い人たちを救う為に生まれてきた。
救う為に生まれる、これがどういうことかわかる?
「ありがとう」を誰よりも聞いてきたぼくたちだからいえる。
人間の心って美しい。