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攻撃魔術が使えないけど人生謳歌目指して頑張ります  作者: 猫屋敷 狐狸
第一章 そして少女は走り出す【幼少期編】
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1-3. 冒険者ギルドで無双します!

とうとう冒険者になります!でも5歳児が冒険者って…世の中世知辛いですねぇ…

コカトリスの討伐ランクをS⇒Aに修正,主人公の冒険者ランクをプラチナランク⇒ゴールドランクに下方修正。

森の中で暮らし始めて5日経った。


ギフテッドスキルの解読や、他スキルの統廃合・進化をメインで研究を重ねた結果、前世でいう熊みたいな魔物は瞬殺できるレベルに達した。


バックパックから取り出したロープを使って、熊もどきを木に吊るして血抜きを行う。


「倒すよりっ…!捌く方がっ!キッッッツい!

スキルがなかったら絶ッッッ対血抜き出来ねぇよこれ!500kgオーバーをっ!五歳女児が!!持ち上げるとか!なんていう罰ゲームだァァァ!

うりゃぁぁド根性ぉぉぉ!」


森に女児(笑)の声が響き渡る。


「ハァハァ…出来た…力試しにデカいやつ狩るんじゃなかった…てか包丁で捌くのも辛いなこれ。

刀欲しいぃ…稼がなきゃなぁ…」 


一人で反省会と今後の方針を考えながら、熊もどきを解体していく。幸い前世で狩猟経験はあったので、なんとなく捌き方はわかるのだ。


「内蔵や肝は捨てるしかないな。勿体無いけど。」


可食部以外はその場に放置していく。

自然に帰ることを祈ろう。


森暮らし初日で雨風凌げる洞窟は見つけていたので、そこで解体の続きを行う。


2日かけて、可食部を小分けにし冷凍・乾燥・塩漬けを行った。保存食は土魔術で地下を掘り、そこに保管していく。1ヶ月は日持ちしそうだ。


ただ、野菜が足りない。鑑定スキルで食べられる植物や果物を摂取しているが、まだまだ栄養バランスが悪すぎる。PFCバランスとビタミンバランスを適切にしなければ、強い身体を作る事は不可能だ。いくらスキルや魔力による身体強化が出来たとしても、その根幹にあるのは自身の肉体である。

より高い栄養素を手に入れるには、やはり街で野菜やその苗を買い込むしかない。


手製ジャーキーを咥えながら拳を天に掲げて宣言する。


「よし!街に戻ろう!冒険者ギルドで登録して稼ぐぞ!」


というわけで1週間ぶりに街に戻ってきた。

街に入る時も隠密スキルと潜伏スキルをフル稼働させる。


「冒険者ギルドの前を通る事はあったけど、入るのは初めてだな…」


おつかいなどで、小さな子供が出入りすることもあるので、そこまでジロジロとは見られない。

ただ、やはり見ない顔という事で興味8割って感じの視線は感じる。


その視線を無視してカウンターへと足を運ぶ。


「ようこそ冒険者ギルドへ。おつかいかな?」

「いえ、冒険者登録に来ました」


受付嬢と共に周囲の冒険者が吹き出す。


「ぷっ お嬢ちゃん幾つだい?背伸びしたいのはわかるが、ちと早いんじゃないかい?」

「セットーさん!ただでさえ顔怖いんですから、子供に圧かけないで下さい!

でも、お嬢さんごめんね。もう少し大きくなったら登録に来てくれるかな?冒険者ってね危険がいっぱいなの。」


子供に対して一方的に圧を掛けるのではなく、諭し導く者が多い事に内心感心する。


(案外しっかりしてるね…荒くれ者ばかりだと思っていたけどね。…けれど)


「それは年齢的な規約があるという事でしょうか?追加で質問させてください。その場合、狩ってきた魔物の買取は行っていただけるのでしょうか?」


私の基本スタイルは、丁寧な対応には丁寧に返す事である。…無駄に争いたくもないしね。


「えぇっと…そうね、規約では10歳の洗礼後から正式登録可能よ。もちろん、見込みがある子は見習い冒険者として、その前から仮登録することも可能なの。制限は多いけどね。

それと狩ってきた魔物の件だけど、答えはイエスよ。でも魔物は危険なの。だから狩ろうなんて思わないで欲しいかな。それに冒険者以外の持ち込みは、査定額から2割を手数料として徴収してるから、あまり効率的ではないのよ。」

「そうだぞ嬢ちゃん。お前さんみたいなちっこい奴は、街中で安全に暮らすのが一番だ。」


(うーん…この受付嬢は非常に好感度だが、このセットーとかいうおっさんは微妙だなぁ…心配はわかるけど言葉選びが何とも…)


「何ほどわかりました。アドバイスありがとうございました。また後ほど来ます。」


「嬢ちゃんアリアさんとセットー兄貴の言葉聞いてたか!?嬢ちゃんじゃ無理だよ!」


周囲の冒険者の雰囲気がイラッとしたものに変わる。

(街中でクソガキが駄々捏ねてるのを見る気分ってことか。まぁ普通はそうだわな。)


「聞いていたよ。心配ありがとう。それでもやる事に変わりはない。道を開けてほしいな。」

「優しくしてたら調子に乗りやがって!勝手にしやがれクソガキ!」


ピリついた空気を気にせずギルドを後にする。


堂々と城壁の門を潜り街外へ出かけようとしたら、門番から声をかけられる


「お嬢ちゃん城壁の外は危ないよ!?大丈夫かい?」

「急ぎの用事があるから行かないとならない。遠くまでは行かないから安心して。」

「そうかい…あぁ、再入街は銅貨5枚掛かるからね!」

「情報ありがとうございます」


「よし。さぁ、一狩りいこうか!」

ある程度門から離れたところで、身体強化と闘気を使って森まで爆走する。


魔物の目星は既に付けてある。おそらくは熊もどき以上の力をもつ鶏みたいな奴だ。


気配察知スキルを発動しながら移動し続ける。


「見つけた。1km先水浴び中。」


隠密スキルをフル稼働させ対象まで近づく。

その姿を目視できる距離で止まり、潜伏スキルを使って姿を隠した状態で観察を開始した。


(鶏の体に獅子の爪、尻尾は…3つ又の蛇?いやぁ紛うこと無くコカトリスだよなあれ。姿形は異世界共通なんだ…。)


思考を巡らせる。


(距離は100m程度。まずは鑑定。…注意すべきは猛毒部位と魔眼による石化か。数秒見つめられなければ問題はないみたいだな。倒すとしたら、まずは超加速で側頭部に近づく。ゼロコンマゼロ数秒で頭部を打撃。脳震盪を狙いつつ、懐に潜って心臓部を破壊。尻尾と爪、それから嘴には毒があることを考慮して、攻撃を受けるのは避けたい。スキルで解毒出来ない可能性は十分にある)


方針が決まり集中力を高める。


バックパックを静かに下ろし、気配を完全に殺した状態で身体強化・闘気を全力で脚中心に込めて走り出す。

瞬時に潜伏スキルを隠密スキルに切り替えつつ、超加速スキル・防御スキル・並列思考スキル・ウィンドカーテン(初級風魔術)を発動させて音を置き去りにする。

0.2秒で距離を詰め、コカトリスの側頭部を回し蹴りする。振り抜いた脚とは逆の足で、体制を整えつつ空気を蹴り心臓部に詰め寄り両拳を前に突き出す。


「神天流 徒手奥義 【百花繚乱】」


彼岸花の両手版であり、相手の肉体・魔力回路・闘気回路を致命的に破壊する技である【百花繚乱】を心臓に叩き込む。


(他生物より胸筋が厚いとはいえ、これぐらいなら衝撃が貫通するな。手応えバッチリだ。

離脱しよう)


衝撃を与え終わると同時に即座に距離を取る。

接触から離脱まで0.5秒。おそらくコカトリス自身は、何が起きたか認識できないまま死んだはずだ。

数秒立ったまま絶命していたが地に臥した。


(油断はしない。鑑定スキルで絶命を確認…よし、死んでいるな。)


バックパックを回収して、中から布とロープを取り出す。布を嘴・爪・尻尾に巻きつけ、運搬中の毒事故を防ぐ。


「しまった…ロープが余らなかったか。正直布も厚さが心配だなぁ…まぁ仕方ない担いで運ぶか。

ふぅぅぅ…おらぁ!」


普段は使うことの少ない剛力スキルまで発動させて担ぐ。サクラの身体の大部分が、コカトリスの胸あたりに埋もれているため、側から見ると見えない何かに引き摺られて動く変死体である。


並列思考をフル稼働させつつ、ありったけの魔力・闘気・スキルを用いて街までの20km弱を全力で走り抜ける。行きは30分で踏破した道を倍の時間をかけて、ようやく門に辿り着いた。


「ハッハッ…やばい…超きつい…てかなんか騒がしくない?」


走る事に集中していたため気づかなかったが、周りを見渡すと衛兵が門前に集結していた。


「コ、コカトリスだぁぁ!!」

「住民を避難させろぉ!ギルドにプラチナランク以上の冒険者を要請しろ!急げぇ!」


(あらぁー…もしかして私の姿見えてない?)


「コカトリスの下に何かいます!…子供?子供が飲み込まれています!」

「そんなスライムみたいな性質初めて聞くぞ!」

「動き方といい変異種若しくは寄生種によるものでしょうか?」


(盛り上がってんなぁ…)


流石に罪悪感を感じるので、肺に空気を満たし叫ぶ


『お騒がせしてスミマセぇぇぇん!このコカトリスはぁぁ!私が倒したのでぇぇ!無害デェェス!入れてくださァァァい!』


街中まで響く声で説明を行った。


結果として衛兵のお偉いさんから物凄く嫌味を言われました。

まぁあんだけ大騒ぎになれば仕方ないよね。

反省反省。てへっ(๑>◡<๑)


そんなこんなで冒険者ギルド前までコカトリスを運んだ。 


「魔物の買取をお願いします」

「し、承知しました。衛兵からざっくりとした事情は聞いておりますが、ギルドマスターに詳しい内容をお話しいただけますでしょうか?

その間見積もりさせていただきます。

アリアさん案内をお願いします。」

「ランさん承知しました。

お嬢…さくらさん、こちらへどうぞ」

「ありがとうございます」


「なんだあのガキ…」

「コカトリスってAランク…だよな?それを一人で?」

「5.6歳にしか見えねぇのに…バケモノじゃねぇか…もしかして魔族か?」

「いや魔族だったら、魔素がそこまで濃くないこの近辺じゃ生きていけねぇだろ」

「セットー兄貴立ったまま気絶してるぞ!担架もってこい!」

「プラチナランクの筋肉ダルマ運べる担架なんてねぇよ!」


「なんかすごく騒がしいですね」

「あはは…冒険者は賑やかな方々が多いですから…

着きました。ギルマス!サクラ様をお連れしました」

「入れ」


そこには鬼と見紛うほどの巨漢がいた。座っている状態でも体の大きさがよくわかる。立ったら2mはゆうに超えるだろう。その長身に加え、無駄無く極限まで磨き上げられた筋肉、僅かな動作からわかる洗練された戦闘技術。一片の隙もない。間違いなく英傑の貫禄を感じる。


(今この怪物と戦っても絶対に勝てないな。能力も地位も家柄もおそらく超一級品だな…)


「初めましてお嬢さん。このネフィラント帝国首都ガーベラのギルマスを務めるガウェインだ。」

「お初にお目にかかります。サクラです。」

「話し方が硬いな。もっとリラックスしてくれていい。ほら私を近所のお兄さんだと思って。」

「いえ、ガウェイン様は貴族に関係のある方だとお見受けします。同じ平民に対する態度は恐れ多く。」

「よく観察しているね。それにリスクヘッジが上手い。見た目と実年齢が相当乖離してるね君。

よく出来ましたという事で、答え合わせだ。私はネフィラント帝王の異母弟にあたる存在だとも。

でもお兄ちゃんって呼んでほしいな」


(おっとぉ…青いというか真っ青な血じゃねぇか。というかお兄ちゃん呼びにこだわるな、コノロリコン)


「御冗談がお上手ですね。

本題に入っていただけると幸いです。」

「つれないよぉ…シクシク…

まぁ、おいおいお兄ちゃん呼びを叶えるとして…

コカトリス討伐おめでとう。その年でのAランク討伐は非常に名誉であり最年少記録更新だ。

私が10年守ってきた記録なのだがね。ここまで圧倒的だと逆に嬉しくなる」

「ありがとうございます」

「ギルド最高幹部の権限を行使し超特例を発動させる。

現時点をもって貴女をゴールドランク冒険者として認定する。異論はあるか?」

「いえ。認定ありがたく。ですがよろしいのですか?つい先日五歳になったばかりですが。」

「ギルドとしてもその力を遊ばせておくわけには行かないのでね。

会話してみて精神的にも問題ないと判断した。

ただぁ…今回の超特例を発動させるにあたって、ちょーっと無理をするからぁ、色々と依頼のお願いすることがあると思うけど。そこは頼んだよ!マジで!」

「はぁ…まぁ承知です。貴族関係以外なら対応しますよ。」

「貴族は嫌いかい?」

「えぇ。嫌いですよ。殺したいほどにね」


こうして無事稼ぎ口を見つけることが出来たのでした。冒険者生活スタートです!


動画編集の時にアテレコするのめっちゃ大変じゃないですか?セリフ考えておくと飛ぶし、枠だけ作っておくと1分に収まらないし。まぁ、やるしか無いから頑張りますか!


サクラダ門外ノ裏話

冒険者ランクは下記のようになります。

アイロン→ブロンズ→シルバー→ゴールド→プラチナ→ミスリル→オリハルコン 

ギルマスの頂点に君臨するガウェイン卿はオリハルコン級になります。冒険者の高みと言えるのはプラチナ級以上となり、ミスリル級はその数がグッと減ります。(プラチナ級は帝国内で数千人(冒険者全体の1%)となり、ミスリル級は数百人、オリハルコン級は7人となります。セットー兄貴はプラチナ級なのでサクラちゃんと同格の扱いですね。)

それぞれのランクで適切な討伐レベルがあり、

アイロン→G〜Fランク(駆け出し冒険者級)

ブロンズ→F〜Dランク(初級冒険者)

シルバー→D〜Bランク(中級冒険者)

ゴールド→B〜Sランク(上級冒険者)

プラチナ→S〜SSランク(最上級冒険者)

ミスリル→SSランク〜災害級(戦略級冒険者)

オリハルコン→災害級〜厄災級(亜神級冒険者)

となります。災害級の魔物に関しては、街が軽く2.3個以上吹き飛ぶ力を持ったバケモノになります。厄災級は枠に収まらなかった超常的バケモノとなります。多分どっかで出します。


ギルマスの特権とは

1.年に一度、力ある者の階級を1つ自由に上げることが可能である(ただし一人一回)

2.任命期間内において、一度限りギルドへの貢献を目的として1000万ゴルド(日本円で1億)の自由裁量権を持つ。ただし、私腹を肥やす目的や基本と正道に反した目的での行使は認められない。

3.年に一度、部下に対する強制人事権を発動することが可能である。(2階級までの昇進・降格、他ギルドへの異動など。ただし、内容があまりにも不当であり対象部下からの陳言をギルマス幹部が受け取った場合、強制内部査定が実行される)

本来2年に一度の昇格試験や、昇進試験をうけなければ上がれない規則ですが、ギルマス特権で上げることが可能となります。

また、ギルドは帝国内に100の支部が存在する為、そのまとめとしてギルド幹部9人+最高幹部1人が存在します。幹部クラスになった場合、ギルマス特権における項目2の自由裁量金額が1億ゴルドまで跳ね上がります。また、項目1への追加として「年に一度、ゴールドランクまでの自由任命権」が付与されます。また、最高幹部においてはプラチナランクまでの自由任命権及び2億ゴルドまでの自由裁量金額が与えられます。

ぶっちゃけ裁量金額作ったけど、使わないかもしれない設定です。まぁ大企業幹部が会社で「サラリーマン人生一回のお願いっ!」って言ったら数億までは動かせるんじゃね?ってノリで書いてます。


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