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攻撃魔術が使えないけど人生謳歌目指して頑張ります  作者: 猫屋敷 狐狸
第一章 そして少女は走り出す【幼少期編】
18/21

一章外伝【サクラの刀語り-④】

京都弁わからへんねん。


「天穹零式!着陸準備!」

【All right!】

格納していた両翼と車輪を広げる。

本来サクラが運転するだけなら不要ではあるが、あった方が制御が多少なり楽になる…という名目で付けたロマン装備を十分に活用していく。

減速しながら翼でバランスを取り、車輪を使って平原に着地する。


「良し!サスペンションもうまく機能してるな!飛行モードから陸地モードへ移行!

セミオートクルーズ制御開始!

ひゃっほぉぉぉ!」

「凄いです!この子超変形しましたよ!」

「そうだろそうだろ!変形は美学だ!」

神東亜皇國首都まで300kmの地点で着陸したため、しばらくドライブが続く。

ちらほらと遠くに村々が見えた。

「ここら辺にも人が住んでるんだな」

「えぇ。神東亜皇國は自然豊かな巨大島国ですから!

作物は育ちやすいし、海の幸も豊富なので食料には困りません。

魔素が濃い為人族が住むには適しませんが…。

あと、文化・文明が発展しづらいのがネックですね。

ここ数百年は獣王国と輸出入を盛んに行っているみたいです。」

アカネが神東亜皇國の現状に関して教えてくれる。

やはり親族に思うところは有れど、故郷は故郷ということだろう。

ちらりと後ろを見ると、懐かしさと嬉しさが入り混じったような表情で周囲を見渡すアカネの姿がそこにあった。

(6歳の時にサラザール王国に拉致されてから、6年経ってやっともう一度訪れる事が出来たのだ。

まぁ無理もないだろう。故郷かぁ…日本が懐かしいなぁ…)

そんなことをサクラが考えている間、アカネは全く別のことを考えていた。

(ここらへん全く知りませんねぇ…首都郊外はこんなに田舎だったんですね…いえ、まぁヨザクラ紹介近辺に比べたら首都も田舎になりますけど。

そもそもこの国、良く知らないんですよねぇ…6歳までなので曖昧ですし、売ることを前提に育てられていたので外部で遊ばせるとかも無かったですし。

あぁでも、あの天守閣をもう一度見れるのは嬉しいですね。いつも窓から眺めていましたから。)

…言葉に出さなければ伝わらないということである。


そんなこんなで神東亜皇國の首都ソメイヨシワラ近くまで残り10kmというところで索敵網に反応があった。

「主様、10時の方向、7km先の森の中から反応在りです。友好的な視線ではありませんね。」

「さすが反応が早いね。まぁ、この距離からこっちに気づく時点で相当手練れだよ。

やっぱ密入国は無理だったか…とはいってもなぁ…ここ数年拉致が頻発した件で入国が非常に難しくなってるし…。

ま、考えても仕方ない。攻撃してきたら反撃するぞ。但し今回に限って殺しは最終手段だ。」

「承知しました。戦闘準備のみ行っておきます。」

そういってアカネは固有武器である鉄扇を2本取り出した。

「あれ?いつもはもっと大きく無かったっけ?」

「ふふっ…小型の扇も作ったんです!」

そう、いつもは背丈程の大きさがある巨大鉄扇をぶん回し斬撃と魔術を飛ばすのが、アカネの戦闘スタイルなのである。

(みんな…シンプルな杖とか使わないんだよなぁ…「杖かぁ…魔力制御と指向性、あとは魔術制御の補助が目的なんだよな?なら杖形状である必要はないのでは?」とかぼやいたら、全員武器形状で「魔杖もどき」を作成しちゃったからびっくりしたよ…ほんと…)

誰に似たのか血の気の多いメイド’sなのだった。


二人の前に狐尾の獣人族が10名程立ちはだかった。

道幅一杯に広がったため無視して進むことが出来ず、やむなくバイクスライドブレーキを掛け停車した。

「止まれ!!貴様らなんの為にこの国にきた!!

なぜ我らの同胞を連れている!やはり…貴様は我が國に仇名す朝敵!

お前たち掛かれ!!慈悲などいらぬ!!天誅ぅぅぅぅぅ!!」

「あまりにも短絡的な狐達だな!!

アカネ!無力化させるぞ!!」

「承知!!」


次々っと魔術を飛ばしてくる狐族に詰め寄り掌底で意識を刈り取っていく。


「ねんねしとけおらぁ!!

はぁ?全員無詠唱!!?お前らどうやって!?

…特殊な魔道具か?そもそも魔術なのか…魔力反応がどうも異なってる…これは…」


敵を倒しながらも思考は止めない。

考えることを止めたら負けるのは世の常だ。

それは敵も同じだった。

「こいつ強い!」

「我らが同胞!なぜそいつに味方する!?まさか洗脳の呪いか?禁忌呪術まで使用するとは!」

「許さん!許さんぞ!この命に変えても殺してやる!」

「おい新人!天子様に報告だ!

侵入者は朝敵と判断!なれど脅威!至急応援求む!」

「承知!失礼!!」

(一人増援にむかったか!早い…追いつかせてはくれないみたいだな。

ショートソードは…無理だな殺してしまう。これ以上問題を増やすのは非常にまずい!)

「てめぇらじゃ私達には勝てねぇよ!

もういっちょぉ!おねんねしとけやオラァァ!」

「主様援護します!風雅!」

アカネが風魔術で相手の体勢を崩し、その隙にサクラが攻撃を叩き込んだ。

それから攻防が数分間続き最後の一人が地に付した。

「む、無念…」

「テンプレのような捨て台詞どうもありがとう、いい夢みろよくそったれ。

アカネ全速で首都に向かうぞ。」

「ハイ!」

街の中であれば戦闘が激化しないと踏んで急いで首都へと天穹零式を走らせた。

サクラの読みは当たっていたが一歩遅く、首都の門前に刀と甲冑で武装した侍がずらりと集結していた。

こちらの姿を確認した侍達が殺気を全開にし、首都へ入れまいと即座に陣形を取る。

代表して歴戦の猛者のような武将が口上を述べる。

「お主が報告のあった朝敵か。

ふむ…幼いのに、賊に身を落とすとは…世は無情よなぁ…

恨んでくれるなよ。これも「お前らさぁ、人の話を聞かないってよく言われない?」

いい加減一方的に敵認定されることにイラついたサクラが話をぶった切る。

「私たちは刀作ってもらいに来ただけだ。後ろのアカネは私の商会の従業員だが?

…そんなに殺し合いがしたいなら…てめぇら全員血祭りに上げてやるよ。」

本来人には殺害という行為に対して、無意識にセーフティが掛かっているという。

だが、一度そのセーフティが外れたら…「殺す」という禁忌行為が選択可能な状態となる。

サクラは前々世の戦場に加えて、この世界でも何度も殺戮を行ったため

「あ、敵対したね?じゃあ殺すね!うんうん。お天道様が殺せっていうからさ。天誅…するね♡」のような感覚になっていた。

…まぁ、サクラ自身の歪んだ認識だけでなく、この世界では命の価値は驚くほど軽い。

だからこそ余計に「殺気」をはじめとした威嚇行為を軽はずみに行うべきではなかった。

相手が話を聞かず抜刀する以上、もはやお互いに歩み寄るという選択肢はかけらも残っていなかった。


仲裁者が現れるまでは。


「その戦、ちいと待ってくだはる?わっちの顔に免じて…ねぇ?」


圧倒的な魔力と存在の圧。

全身が「今すぐ逃げろ」と警鐘をがなり立てるほどの空気の軋み。

からりころりと鳴り響く軽快な音と、耳元で死神がささやいているかのような声が響き渡る。


「お嬢ちゃんら、ようこそわっちの國へ。歓迎…はできひんけど、要件次第では聞いてあげてもえぇよ。」

「…なるほど。あなたが神東亜皇國二代目皇帝で在り、九尾一味のトップ、月狐族の長老。亜神タマモノマエ。」

「そうや。大正解。紹介ありがとさん。

で、目的を教えてくだはる?」

ただでさえ濃密な空気がさらに圧力を増す。

「主様…すみません…もう…」

「大丈夫だ。お休み。」

アカネが耐え切れず意識を手放した。

若い侍たちも続々と倒れていく。

「刀作りに来ました。以上です。」

「簡潔すぎるわぁ。もう少し詳しく説明してくだはる?」

「アカネが刀作り一族の分家出身ということで紹介してもらおうと。

希少金属を持ち込んだうえで試練に合格すれば作ってもらえると聞きまして。」

ひとまず国に危害を与える存在ではないと判断したようで圧が弱まった。

周囲の緊張感も和らいだため、やっとアカネの存在を注視する者が出てきた。

「アカネ…?いや…まさか…お嬢ちゃんまさか、6年前に拉致されたアカネか?」

最初に口上を述べてきた武将がアカネの出身に気づいた。

「ふぅん。聞きたいことは色々あるけど…ひとまずわっちの城でお話しましょか。」

「待ってください!天子様!こいつは朝敵です!」

「…はぁ。うちの若衆は血の気が多くてかなわんわぁ。

ひとまず敵じゃないとわっちが判断したんよ。

何か文句でもあるんかえ?」


この場の展開に飽きていたサクラが心の中でぼやく。

(もう、はよ進んでくれや。)


そんなこんなで説明が終わった。

「…そしたらなぜか貴賓扱いかぁ。

アカネ、助かったよ本当に。」

「いえ、お役に立てて何よりですわ。

先ほどは…気を失うなど…何たる不覚…

せめて少しでも挽回したいと思った次第でございます。」

そう、説明に関してはアカネが熱弁し身の潔白を証明してくれた結果、気づけば民を救った英雄扱いになっていた。

ついでにアカネの元親だという者たちも連れてこられ、事実確認…という名の尋問が行われたりとイベントはあったが些細なことである。

なぜなら、

(近いうちに被害者達を一度連れてくる事を約束させられた方が大変だよ!…人数によっては、転移魔術の習得を最優先で行う必要があるし…あー…もう飛行機つくっちゃうかぁ…)

やけくその境地に至っていたからである。


「というわけで、こちらが九尾一味刀鍛冶頭領のムラクモ・ゴエモンですわ。」

「あのちっこかった曾孫…夜叉孫か?大きくなって…まぁ年始の6回ほどしか顔見取らんがな。

で、お前さんが刀欲しいっちゅう馬鹿か?まずは持ってきた素材を見せい。話はそれからじゃ。」

「お初にお目にかかりますムラクモ殿。こちらがミスリル・アダマンタイトです。」

そういって屋敷の中庭に素材を取り出した。

「ふぅむ。こいつはなかなか…」

「精錬のしようが無かったため、そのまま持ってきています。」

「そらそうじゃろ。ヒヒイロカネやダマスカス鋼をはじめとした「魔素で変位した鉱物」を加工する術は、数千年掛けて生み出された我が国の秘術じゃ。

そう易々と真似されてたまるかい。この量なら…そうじゃな9人分の武具を作れるがどうする?」

「ありがたいですが試験はしないので?」

「話は聞いてる。お主、天子様からの本気の圧を受けて平然としていたんじゃろう?

お主には必要なかろうて。まぁ、ちと他の娘さんたちは不安じゃがお主が導くなら問題なかろう。

門から距離があるというのにあの圧…久々に鳥肌たったわい。

で、いくつ必要なんじゃ。わしは刀だけだが、うちの弟子ならどんな形状でも作れるぞ。」

そう言われたためメイドたちの愛用武器や使う魔術・戦闘スタイル等を細かく伝え、サクラ自身も必要な刀の形状を話した。


成長し体が大きくなった場合の心配を話したところ

「なんじゃ知らんのか。わしらの秘術でつくる武具は成長する。

使用者の能力によって。覚悟によって。

その刀身を、形状を、能力を変化させる。それが【魔装】じゃ。

だからこそ試験が必要なのじゃ。

悪しきものが使えば、その様に変化していく。

覚悟無きものが使えば、その身は朽ちて砕ける。」

その武具の本当の性質を語られる。

そして、メイド達が試験不要と判断された真の理由が語られた。

「わしには少し先の断片的な未来を見る力がある。

他の娘さんたちも、試験に合格と判断するにたる未来が見えたのでな。

だからこの場にいなくても【魔装】を持つことを許したのじゃ。

ただし、未来は確定ではない。お主が導くのじゃ。よいな。」

「承知しました。

よろしくお願いいたします。」

「うむ。まかされよ。一週間後にまた来るといい。」


こうして無事に依頼が完了し、仮宿となった天守閣に戻った。

…その結果1週間ぶっ通しで神東亜皇國の宴会に参加し続ける羽目になったのである。

(聞いた話によると亜神はみんな酒好きらしい…他の亜神に会いませんように!!)


その願いは空しくも叶わない。

なぜならタマモノマエを通じて「面白い幼女がいる」と、大陸中の全亜神に存在をばらされたからである。

こうして本人の知らぬところで話は進んでいくのだった。


チートデイだからと言い訳してラーメン食べた後にミスドを5個買いました。

私はおろかです。

来月からジム行きます。目指せ脱げる体。


さてさて、トイレを我慢しながら3時間ぶっ通しで執筆していたわけですが…もう限界。

あ、おひるごはん食べてないや食べよ。


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