一章外伝【サクラの刀語り-②】
刀用の鉱石ゲットするよ!
さてサクラは今慣れ親しんだ魔の森に来ていた。
「中央の湖にもなんか鉱石ありそうだけど…やっぱ山が一番有力だよなぁ」
というわけで魔の森東側を外壁のように囲んでいる、5000m級の山々の麓まで足を運び鉱石探しを開始した。
「さてと、鑑定・探知…むぅ…範囲を絞って威力を上げても、山の最深部まで調べるのは無理か…」
魔力が届かない為、集中的に調べても地表数百メートルまでしか調査出来なかった。
「どうするかなぁ…ボーリング魔術…使えないか。まぁ切削はガッツリ攻撃魔術に該当するからな。
むー…詰んだかぁ…?」
そんなことをぼやきながら、今度は超広範囲に薄く伸ばすイメージで探知をかける。
「ん?いくつか洞窟みたいな穴があるな…
集中的にやるか。」
スキルで引っかかった洞窟各所にフォーカスを当て、同時に鑑定・探知魔術も発動させて効果をブーストさせていく。
「300近くあった洞窟の大半はただの洞穴か…あ、竜みっけ。敏感に反応してるけど、こっちの位置までは把握出来なかったみたいだな。相手は今度してあげる。
さて、残った20の洞窟だけど…めちゃくちゃ広いな…地下まで続いてる。
いやこの細い洞窟は無理だな。無し。
こいつも…あぁ行き止まりか。パス。」
どんどん絞っていき残ったのは一つになった。
「…おいおい地下2000mまであるぞ…ダンジョンでは無さそうだけど…表面に出てるのだけでもだいぶ色々な鉱石があるな。ここなら行けそうだ。
酸素は…あるが薄いな。風属性の魔術を付与それから…生体保護の魔術を強めに…いや、万一のことを考えて一度荷造りに戻ろう。」
魔術がある為なんとかなるが、それでも洞窟という人智の及ばない危険に満ちた世界に挑むとなると、それ相応の準備が必要になると判断した。
「マーカーだけ置いて、撤収!!」
「というわけで荷物まとめたら行ってくるよ。」
姉妹メイド'sに宣言したところ
「それを聞いてオメオメと行かせるほど我々は放任主義ではありませんよ。私とセラフィがお供します。不在の間の守りはマリーに一任します。」
とアンドレアから待ったの声がかかった。
「商会守護の件承知いたしました。では私はダンジョン攻略時等の際にお供いたしますわ。」
マリーは多少拗ねていたが、次回は必ず連れていく件を約束して納得してもらった。
「私たちも…早く…」
「えぇ。おねぇ様達を…」
「ぶちのめせるレベルまで成長しますわ」
「目指せナンバーワン!」
シャルロッテ・ナタリー・リナ・アカネのちびっこ4人組が拳をあげて宣言する。
「あらぁ…私たちに勝とうだなんて10年早いわよ!」
「姉より優れた妹など存在しない」
「力ずくっていうのも…嫌いじゃない」
(あ〜ネタが渋滞してるよぉ!本人達にそんな気はないんだろうけどさぁ!)
「ローラは混ざらなくていいのかい?」
「私は直接的な戦闘は不向きですもの。それよりは裏から牛耳って、主様が手放せなくなるような人材になる事が最優先ですわ。」
優雅に茶を嗜みながらとんでもないことを平然と言い放つお嬢様に皆が戦慄する。
「さ、さすが我らの参謀」
「これが格の違い…」
「「「「おねぇ様かっこいい…」」」」
「く、長女の立場がない!」
和気藹々としながらも各々準備を進める。
小一時間で引き継ぎと緊急時の情報伝達など、諸々の準備が整った。
「じゃあ行こうか。」
「「「「「お気をつけて。ご武運を。」」」」」
手を振り屋敷を後にした。
「さて、ここから洞窟だ。みんな魔術の展開は大丈夫かな?」
「「もちろんです。」」
洞窟の入り口付近に鉄杭を数本打ち込みロープをしっかりと繋いだ。
「コイツは常に私の亜空間に繋がっている。長さは10km分だから足りなくなることはないだろう。もし、何かしらの緊急事態が起きた場合にはこのロープを辿って外に出ろ。
それから、二人には緊急時の笛・位置発信・位置受信の魔道具を渡しておく。」
そういい、特殊な魔力波と超音波が出る笛や、常に位置の情報及び歩いた経路がマッピングされるブレスレット、現在の立体的な位置情報や空気の流れから外界につながる道を探し出してくれるコンパスのような魔道具を手渡した。
「さ、気を引き締めていくよ!」
「「はい!」」
とはいったものの、B〜Aランク程度の魔物が多いだけで、道中の危険はさほど無かった。
もちろん足を踏み外したら死ぬ場所は多かったが。
「もう1/3くらい来たのか。鑑定と探知を鉱石調査に集中させるから周囲の警戒よろしく。」
「「承知しました。」」
(たしか事前調査でもここらへんの深さから鉱石が増えてきたはず…
ビンゴ!よし発掘発掘!この際ミスリルやらアダマンタイトに限らずレアっぽいのは回収!)
身体強化と闘気を使って壁をぶん殴る。
治癒魔術も使いながら掘り続けプラチナ鉱石をはじめとして宝石の原石をゲットした。
「よし!めぼしいのは掘り終わった。
サクサク下に行こうか」
そんな調子で下に進んで行き、調査可能な最下層が近づくと問題が発生した。
「ここから100m下層に、おそらくSランクとみられる個体…若い竜がいるがどうする?
幸いミスリルは手に入ってる。
戦う必要はないんだけど…腕試ししてみるかい?」
ここはただの洞窟である為、神々の作ったダンジョンと違い、ラスボスのような存在と戦っても途中で逃げる事が可能である。
「えぇ、竜種と戦えるなんて滅多にないですから。」
「どこまで戦えるのか試してみたいです。」
聞くまでもなく二人ともやる気に満ちていた。
セラフィちゃんやシャドーイングするのはやめなさい。あなた魔術特化のハイエルフでしょう。
「ところで、アンドレアは龍魔族だよね?血縁的には親戚とかじゃないの?」
「そうですね…龍族と竜族はほぼ同じ体組織ではあるものの、知性と理性を兼ね備えたのが【龍族】と呼ばれる魔族の部類になります。古龍神クシャダリアを崇めているのも龍族ですね。
一方で【竜族】はただのでっかいリザードです。暴れるか寝るかしか能がありません。なの奴らのことは、【ほぼリザード族】とお呼びください。」
「なんかごめん。」
そんなことを言いつつ下層に到達した。
「なんかちっこいですね。頭から尻尾まで15mくらいですか?」
「先のアンドレアお姉様の話を聞いていたせいで、少し大きいリザードにしか見えなくなりました…」
アンドレアとセラフィが初感を言い合う。
この世界のドラゴン…つまり竜族・龍族は大きなものだと全長200mを超える個体が存在する為、15mクラスだとまたまだ子供の個体とも言えるのだ。
「まぁ戦っておいで。いざとなれば治癒するし、防御結界は二人に張っておくよ。」
「「ありがとうございます。行ってきます」」
こうして初の対ドラゴン戦が開始した。
ちっこさの割にやけに強いと感じた為、詳しく鑑定をかけたところ「スモールメタルドラゴン」という、大きくならない種族とのことだった。あれで立派な成体なのだとか。
「セラフィ!土魔術で足場を崩して!」
「はい!アースクエイク!」
「おぉぉらぁ!ついでにウォーターカッター!」
(二人とも詠唱破棄を完全にものにしてるねぇ…魔術適性が本当に高くて笑っちゃうよ。
アンドレアは高い魔力で身体強化しつつ、龍魔族の身体能力を活かして武具も扱うようになっちゃったか。三節棍で思いっきりぶっ叩いてるし…)
「私だってぇぇぇ!」
(セラフィは分銅鎖か…ドラゴン相手には効果ないと思ったけど…なるほど、雷と吸魔の術式を鎖に纏わせてるな。それに原理はわからんが、空中で自在に動くように魔術をこめてる。動きながら同時に4〜5の魔術を発動ですか…いやはや化け物だねぇ…。)
苦戦という苦戦もなく、30分ほどで討伐が完了した。
「というわけでドラゴンスレイヤーおめでとう!」
「「ありがとうございます」」
大変スッキリした顔で二人が笑った。
今回の討伐報酬は全て彼女達のものだ。
(私は鉱石めっちゃ手に入ってるし特には…
おっとぉ?この反応は…もしかして…)
「やっぱり!
身体強化…闘気最大…
オオオオオオラアァァァ!!」
ありったけの力で壁をぶん殴る。
「オラオラオラオラオラ!!」
数分間殴り続け岩壁を掘るとお目当てのブツが姿を現した。
「鑑定!
しゃぁぁぁ!アダマンタイトゲットおおおお!」
「主様!おめでとうございます!」
「大変貴重な鉱石ですね!それがこれだけの量…
なるほど、さっきのメタルドラゴンはコイツを狙ってここにいたわけですか。」
どうやらここはアダマンタイト鉱脈だったらしい。
この世界には種族進化という現象があり、大小あれど全ての種は本能的に進化を目指す。
メタルドラゴンでいったらより希少な鉱石を大量に摂取することで、上位の種族へと進化しようとしていたのだろう。
「これだけあれば私の刀分と、みんなの武器新調、あと皇帝陛下に献上する分はありそうだね。
じゃあ帰ろっか。」
「「はい!」」
こうして初めての洞窟探検が終了した。
サクラ達が潜ったのは天然の巨大洞窟です。縦穴がある為、メタルドラゴンはそこを通って最深部に巣を作っていた感じです。
また、サクラは北側の山々を調査しましたが南方面を調べていればダンジョンを発見する事ができました。残念。
この時期はなんでこうエアコンの温度下げまくるバカが出てくるんでしょうね?19度設定?バーッカジヤネェノ
寒いわ普通に。




