1-10 これからのことを。そして時は巡り運命に出会う。
プロローグにつながります!
「ひとまずこれからの事を決めようか。まずは君たちの事を詳しく知りたい。
シャルロッテ・ナタリー・マリー・ローラ・リナ・セラフィ・アカネ・アンドレアの順で年齢・出身・これまでの経緯を話してくれ。」
(これからの方針を決める為にも各々のことを知っておきたい。実家に帰りたい思いや強い願望があった場合、それは後々大きなひずみになって私の邪魔になる。)
「シャ、シャルロッテです!6歳になります。スーザエル公国内の小さな村出身です。領主が変わって、みんな生活が苦しくなって…それで…奴隷として…妹と二人で…」
「なるほど。代替わりで税率を跳ね上げたのか。村に帰りたい気持ちはあるか」
「いえ…パパとママが去年亡くなって…村から冷たい目でずっと見られていたから…多分邪魔だったんだと思う」
(子供とはいえ、タダ飯ぐらいに優しくしてやれるような余裕も無い程困窮していたわけか。食料が無い、休息がとれないとか条件が重なれば人の心は荒んでいくからな…)
「…それはなんとも。妹ちゃんの方は?」
「わたしナタリー!5歳!お姉ちゃんとずっと一緒!」
「簡潔でよろしい。次、マリー。」
「15歳になります…サラザール王国の兵士に村を焼かれたんです…サラザールでは獣人族は忌み嫌われるから…でも、でも!サラザールからは遠く離れてたのに!なのにあいつらは、兵士訓練にちょうどいいからって!村の皆を!…殺したんです…年若い子は奴隷として戦場に連れていかれました。女の子は慰みとして…男の子は肉壁として…」
「まだ生きているのか?」
「多分男のみんなは…もう…。猫獣人は叫び声が堪らないからって、女の子は皆体のどこかをつぶされたから…奴隷市場に流されていると思います…まだ…もしかしたら…」
「わかった。それは早急に考えよう。こちらとしても人手が欲しい。次、ローラ」
(奴隷市場の情報はある程度入っている。購入資金も今回入っているから纏めて買おう。欠損を治せばこちらへの陶酔が深まるだろう。)
完全な慈善心だけでは行動しない。
どれだけこちらに益を生み出すかも計算していく。
「ローラです。16歳になります。サラザール王国出身です…伯爵令嬢として婚約者がいたんですが…男爵令嬢と結婚したいからって…見覚えの無い罪を被せられたんです!親にも手回しをしていたらしく、もう不要だからと…。奴隷娼婦として捨てられました…」
「聞くまでもなさそうだが家に帰る気はあるか?」
「ありません。…むしろあいつら全員殺してやりたいです。」
「わかった。その願い前向きに考えよう。」
(その願いなら比較的叶えやすい。すっきりしてもらった方が良いだろう。)
「次は…」
「リナです…10歳になります。ナテフ共和国の村で暮らしていました。でもある日、村のみんなまとめて攫われたんです…スーザエル公国でみんな魔石を埋め込まれて…適合実験をさせられました。研究者が言うには、意図的に魔人族を作れないか、魔石をコントローラーとして多種族を操れないかとのことでした…」
「そういう実験をしそうなのは、サラザール王国の方だと思ったんだけど違うのか」
「いえ、サラザール王国の元々の国力に加えて、サラザール王国の魔道兵器技術がさらに加速したとのことで…焦ったスーザエル公国側も、非人道的実験で何か開発するしかないと…研究者が…」
「なるほどな。他のやつらは?」
「全身が変異して…亡くなりました…私は狼族の中でも魔力への適合が高かったらしく…右半身が少し変異した程度で済みました…でももう要らないと奴隷に…」
(非人道的実験では使い潰すのがセオリーなんだがな…なんとも中途半端な実験者達だな。それとも内部で誰かが少ない善心で逃がしたのか…)
「まぁいい、次セラフィ。」
「セラフィです。70歳になります。ルルイエ神国近くに住んでいました…私もスーザエル公国に連れ去られて実験を…ハイエルフの再生能力や魔石適合を知りたかったのだと…。」
「それで手足が無かったのか…家族は?」
「いえ…ハイエルフの娘として生まれたのに、魔術が全く使えなかったので…忌み子として嫌われていました。だから、帰ろうとは思いません。」
「そうかならいい。次」
「アカネです。神東亜皇国出身で10歳になります。4年前にサラザール王国に連れ去られました。…拉致の体裁でしたが、両親がお金を受け取っていたのを知っています。」
(なんとも現金な親だな。まぁ、そういう親も当たり前にいるだろ。)
「そうか、尻尾が無かったのは?」
「私の尻尾…九尾の尻尾は超高級品として闇市場に出回るとのことで、全て切られました…」
「そうか。分かった。最後にアンドレアだ」
「180歳で龍魔族という竜族と魔王族の混血血統出身になります。魔術が使えなかった事に加えて、母の身分が低く王宮から冷遇されていて
「ちょっとまった、王宮?」
「はい。私は現魔王の第30側妃の娘で王位継承権第147位になります。」
(また、随分な大物だな)
「続けて。」
「はい。50年前に母が病死し、その後王宮の離れに監禁されていました。ここ数十年は食事も出なかったので忘れ去られたんだと思います。監視が無くなっていたので逃げ出したんですが…。道中でサラザール王国の勇者パーティーと出会い、ともに黒竜を討伐したら背後から撃たれて、気づいたら封魔の首輪をはめられていました。勇者曰く「俺様よりも強い奴がいてたまるか。目障りなんだよ。倒した功績は全部私たちのモノだ。楽しんだ後に売ってやる」とのことでした…見つけたら絶対に殺します。」
「その時は全面的に協力しよう。
さてこれで全員終わりか。じゃぁ今後のことだ。
今後商会を運営していく。商品の開発は私が行うが、販路の拡張や経理に関しては皆に任せたい。それから、サラザール王国の奴隷市場から奴隷の購入をお願いする。
アンドレアに隠密スキルを魔術化して教える。購入後は、隠密魔術で連れてきてくれ。
金銭関係は…ローラ、可能か?」
「大丈夫です。」
「OKだ。他の子も含めて勉強と訓練は、私が組んだメニューで行うように。
じゃあ働こうか。みんな。」
「「「「「「「「承知しました」」」」」」」」
そして4年の月日が経った。
ある日討伐クエストを消化中に森がざわついていることに気づく。
「なーんか騒がしいな。」
スキルを使用する前にアカネが教えてくれる。
「どうやら、数キロ先で人族が魔物に襲われているみたいです。」
地面に狐耳を当て詳細な情報をリアルタイムで手に入れているようだ。
「アカネは相変わらず耳がいいな。子供はいるか?」
「女の子がいるみたいです。いかがされますか?」
(毎度のことながら音だけでその精度…ぞくっとするな。)
「分かった、じゃあ行ってくる」
「ご武運を」
音を置き去りにする。
間一髪で助けることが出来た。
「ハハッ!可愛い顔が台無しじゃあないか。」
そして世界は加速する。
設定考えていたら朝になりました。えへっ!
サクラダ門外の裏話
[スキルに関して]
・スキルは通常の肉体状態では引き出せないような能力を引き出す。だがその本質はあくまでも補助であり、「スキルがどういうプロセスを自動処理しているのか。変数は?フィードバック制御は?」ということを突き詰め理解を深めた場合「スキルが無くても同様の事象を引き起こす事が可能」ということに気が付く。卵が先か鶏が先かというような話ではあるが、「スキルを手に入れる事で強くなる」という事実と同時に「スキルゲット=神からの実力認定証」なのである。スキルとはより詳細な言い方をすれば、「ヴィヴァン(生命種)が持つ可能性の証明」を概念として具現化し「能力・実力」によって使用可能な状態とする「種族進化のための総合プラットフォーム」である。また、基礎スキルの内容は想像神による初期設定なので一律で同じ内容である。そこから先の進化スキル・アドバンススキル・ユニークスキル・プリモーディアルスキル(究極絶対のスキル。本人が原初となる。)は、創造神ユピティアすらも想像していなかった内容へと変貌していく。
[神について]
*宇宙創造の3柱
・創造神[ユピティア]:生命種ヴィヴァンと惑星ユティ・スキルプラットフォームを生み出した。
・幻想神[キュプリス]:天使族を生み出した。愛する子供たちである天使族のマザコンを許容し、それを否定する存在は何であれ許さない。
・眠園神[ヒュプマー]:惑星ユティ内にダンジョンを生み出した。趣味はヴィヴァンの予想しない行動を「眠りの園」から観察することであり、お気に入りにはダンジョンの難易度を上げる性癖を持つ。原初の3大ダンジョン以外は、他の神々が真似したもの。
*黎明神(生命種が覚醒を経て亜神へと至り数千年修行を重ね進化したもの)
・妖精神 [ルルイエ]:エルフ族の亜神が進化
・古龍神[クシャダリア]:龍族の亜神が進化
・破魔神[ジャガーノート]:魔王族の亜神が進化
・雷武神 [タケミカヅチ]:獣人族の亜神が進化
・霊獣神[麒麟]:月狐族の亜神が進化
・黎鬼神[タナトス]:鬼族の亜神が進化




