2話 日常の終わり
キーンコーンカーンコーン
今日最後の授業が終わり、鞄を持ち部活に向かう者、教室に残り友人達としゃべる者、さっさと家に帰る者、いろいろな生徒がいる。日本 凜もその中の一人だった。
「り〜ん!今日どっか行かない?おなか空いちゃって」
「おっ、いいねぇ〜!あたしも参加!」
「香奈ちゃん達、相変わらず元気だねぇ!別にいいよ」
「じゃあ、由美も誘おーよ」
凜は三年前、交通事故により両親をなくした。生きる気力を失った時に助けてくれたのは、隣に住んでいた香奈と香奈の両親であった。
凜の両親と香奈の両親は親友であったので、両親をなくした凜をすごく心配していたのだ。
「じゃあ、そのあと服見に行こうよ」
凜は何時ものように学校を出てご飯を食べたり、買い物をしたりしながら帰路についた。
「ただいま・・・ん?」
(いつもより空気が暖かいような気が・・・気のせいか)
毎日同じように過ごしながらも、凜は日々の充実を感じていた。
「よ〜し!御飯は食べてきたから、あとは宿題をしてテレビ見てお風呂に入って、今日は終わり!」
(今日も頑張ったかな、私)
いつものように宿題をして、10時にドラマを見終わった。
(あっ、もうこんな時間、お風呂入らなきゃ)
脱衣所で服を脱いで、体を洗い浴槽に入った時だった。
――ケタ ――ツケタ
「えっ!なに!?」
ミツケタ ミツケタ
「えっ!なに言って・・・。っ!?」
その直後、目が眩むような光が凜を包みこんだ。
(どうなって・・・)
光がおさまった時、凜は消えていた。
オネガイ・・・
不思議な、しかし綺麗なよく澄んだ声だけが風呂場に響いていた。