おまえはここにいるべきではないよ。
今から数えて16、17年前某国の研究施設でとある実験が行われた。その実験は俗にいうスパイを育成する施設であり外に出せないレベルの過激な訓練をやっている。詳しく言うなら一通り訓練を終えたスパイが実践をするということだ。つまり暗殺や偵察である。
施設内では暗殺する部隊育成と偵察部隊育成がありそこにいた暗殺部隊の一人の少年が5人ぐらいの大人に連れられある人の屋敷にやってきた。
おとなたちの格好は全面的に黒い服で顔は仮面で隠していた。
一方少年は脱ぎやすそうなコート、ベルトには剣、服は赤みがかった黒服で服にはバッチがついていた。そのバッチには一緒にいる大人たちが属しているチームの紋章が書かれていた。そう、暗殺部隊だ。
少年はひとりで屋敷に入っていきすぐに天井に這いつくばり蜘蛛のように足を動かし屋敷内を散策した。ちなみに今の時間は夜でこの屋敷にいる人の大半は寝ているが屋敷の長とその側近はまだ起きていた。ちなみに暗殺部隊の大人たちは屋敷前にテントを張りその中で少年の様子を見ていた。
「なぁ我が同士。あの少年の力って結構上だよな」
「そうだな同士、はて、あの検体はどのくらいでやつを暗殺できるかな?」
テントの中にいた大人たちはそんな話をしているとちょうど電話が鳴りぼーっと突っ立っていた大人が電話を取った。
「はい、こちら暗殺部隊第一試験官でございます。はっ!陛下、はい、えー。了解しました。終わり次第連れ帰ります。では失礼いたします」
電話を取った大人はここにいる奴らのボスらしき人から指令を受けほかの大人にその内容を告げた。
「おいお前ら陛下からの伝言だ。『検体の試験が終わったら実用化させるため早急に連れ帰れ』と」
「おお、やはりあの少年は逸材だったか。よし映像から目を離すなよ」
「あの~それですがもうおそいです」
「なにぃ?」
映像を見ていた大人は全員にそんなことを言うと四人は映像前にやってきてその映像を見た。
そこに映っていたのは首がはねられた屋敷の長と腹に風穴があき壁に貼り付けられた側近がおり少年はその場にはいなかった。いいやその屋敷にいなかったのだ。
「クソ、なぜいないんだ。おい、探せ探せ!」
「了解」
テントにいた大人たちは屋敷の周りを探したがどこにも少年はいなかった。
探すのが下手なのだろうと思うだろうが否、少年の逃げがうまいのだ。もし見つかったとしてもその大人は殺させるだろう。
一応大人もスパイなので一応強いんだが少年よりは弱いらしい。悲しいかな世界。
一方少年はここらへんで一番高いビルの屋上におり上から大人たちを眺めている。だがそのとき少年の後ろに暗殺部隊ではなく偵察部隊でもないスパイが少年のところにやってきた。
「おや?君はなぜここにいるんだいスパイ見習い君」
「相変わらずの態度だなそれでも俺の父親か?」
「ハッハッハッハ、よく俺がお前の父だとわかったな」
「ああ、仮面をつけていても父の顔は忘れないよ」
仮面をつけた男は仮面を取ると少年ににこっと笑みをわたした。少年の父親は紫紺の瞳で息子は茶色がかった黒の瞳だった。
「さすがは俺の息子だな。で、お前はこれからどうするんだ?あの研究施設から抜け出した後どうするつもりだ?」
「ふん、特に予定はないがフリーランスでスパイをやろうと思う。」
「そうか、お前はまだ6歳なのにスパイをやるのか。ふむ、じゃあお前は明日から日本へ行け」
「日本?あの極東の国か?」
「そうだ、ほらこれ日本行きのチケットだ。あとこいつをつけておく。」
少年の父親は日本行きのチケットと父親の後ろにいた女性(少年とな同じ年齢)を渡し父親は姿を消した。
そして二人は空港に行き検査を受け日本行きの飛行機に乗った。
どうやって検査などを切り抜けたかというと少年と一緒にいた女性のスパイが30代前半の姿に化けたので問題はなしだった。
何時間かして少年と30代前半に化けた少女は日本につき少年は父親からもらった手紙をよみ少年たちは荷物を受け取り空港を出てタクシーに乗りその住所のところに行った。
その住所は空港から何時間もかかるが東京の某市だった。そこには表側は普通な学校だが裏ではたくさんのスパイが通っている学校の近くの一軒家に住んだ。ちなみにそこの家は少年の父親が念のため買っていた家である。
若い男女が一軒家に住んでいるがまだ6歳ぐらいなので問題はない。言ってしまえば幼馴染的な感覚になるだろう。
それから6,7年の月日が流れた。
「ちょっと雷水入学式に遅れるよ」
「え?まってくれよ睡六」
二人はそんな会話をして学校に向かった。すっかり二人も日本になれたのだった。
少年たちは次回ある中学校の入学し早速問題に出会うのだ!