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思想の果てに。  作者: .k.
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~想いの強さ~

ぺたり、ぺたり。空気が揺れる。にぃー、と彼女は笑顔を作り現れた。

8階の第3講義室。ここだけは窓からベランダに出られる。まだまだ学生の集まる時間じゃない。校内は開いたばかりの午前6時30分。マナー違反の喫煙者、奏太、見つかる。奏太、つまり俺だ。鬼ごっこの鬼、空気を揺らしながら現れたのは、かなで。平仮名で、かなで。かなで、という名前以外知らないけれど。

ベランダ柵に全体重を預けながら伸びをする、かなで。その顔に思いっきり紫煙を燻らせる、奏太。こえ、なく笑うふたり。

そう、俺たちには、こえ、がない。それが俺たちを結びつけた。月曜日の午前6時30分。こえ、なきふたりは紫煙と鉄柵と戯れる。ここは誰の、こえ、も聞かずにすむから。羨んだのは、こえ、を持つ、ふつう、の人。

ごめんなさい、も、ありがとう、もどれだけ思っても出ないから。

もちろん、あいしてる、も。


かなで、が身体を預けた鉄柵が外れたその瞬間までは。



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