封印の巫女
すみません。長くなりそうなので、区切ります。
合わせて、78話目を修正しました。
「あー、面倒くさい。朝は早くから修行して、昼は異世界にいるのに
なぜか夏休みの宿題をして。くそ―。遊びたい。」
「浜~。いうな。終わりが見えている分、まだいいだろう。
これで、自由研究やポスターの宿題まで、言い渡されていたら、
無理だったぞ。」
「あー。それも面倒だ。」
浜口と国枝が夏休みの友の上でだれながら、言い合いをしている。
その横で、野球部の面々は進みに差はあれど、着々と終わらせていた。
女性陣は六花が英語と理科を葵が社会と国語を、佐藤が数学と理科を、
橘が英語と社会を教えあいながら、あと少しというところまで終わらせていた。
鈴本、今川、流治の3人は社会と英語が難所であったが、
たまたま教科書があったため調べながら、ラストスパートをかけていた。
異世界にきて3日目、普通なら、現状の話があるところだが、
勉学の話を聞いた宮司と王様が、邪神討伐に集中してほしいとのことで、
お昼を丸々勉強にあてさせてくれ、皆で必死に終わらせていた。
感想文は推薦図書を暇なときに読んで、戻ったら作成することにした。
「浜、国ほら、頑張って。教科書もあるし、
増君が教えてくれるっていってるんだから。」
流治はだれている二人に活を入れる。
ートントンー
「はーい。」
「お茶をお持ちしました。」
「あ、ありがとうございます。」
この社に住み込みで勤めている巫女さんがお茶をもって部屋に入ってくる。
「どうぞ。」
「どうもです。」
「おや、皆さま随分と難しいことをお勉強しているのですね。」
「そうでもないですよ。これが平均的な問題ですね。」
「それはそれは。教える方も教わる方も大変ですね。」
そんな会話をしながら、巫女さんはお茶をくばり終えると、
一礼をして、部屋を出ていった。
「ほら~。やっぱ難しいんだよ。」
「いや、俺らはできないと困るから。」
「ぶーぶー。」
「ぶーたれても、だめだ。ほら、手を動かせ。」
自分の分が終わった増田が、国枝と浜口に進めるように促す。
そんなこんなで、国枝と浜口以外は、何とか終わらせ、トランプや将棋、
流治が召喚した携帯型ゲーム機で遊び始めた。
そんな中で、流治だけは、こっそりと部屋を抜け出すと、庭へと足を向けた。
『どこへ行くのだ。』
何時の間に足元にいた管理者が流治に話しかける。
「管理者か。なーに庭にでも行って気分転換をしようかと思ってな。
てか、管理者じゃ呼びにくいな。」
『ならファイと呼べ。』
「なら今度からはそう呼ぶよ。」
庭につくと、一際豪華な巫女服を着た少女が池を眺めていた。
それに気づいた流は屋根に飛び上がるって、しばらく様子を見ることにした。
『あやつは・・・。封印の巫女とか言ったかな。』
「あの子が封印の巫女?だが王に似ている気が・・・。」
『その辺りは調べた。我の責任でもあるしな。』
「聞こうか。」
『どうも、この国の王家は代々封印の巫女を輩出する家系らしい。
王の娘は必ず封印の力をもって生まれるんだそうだ。』
「男の子は?」
『巫女を守ることに特化し兵の職業か、王になるんだそうだ。』
「ほー。」
『で、今代はあの娘と上の娘がいるそうだが・・・。』
「うん?」
『その上の娘が守護騎士とともに消えたんだそうだ。』
「何?」
『詳しくは知らんが、恋仲の二人が駆け落ちしたとも、
妹を助けるために、犠牲になったともいわれておる。
まぁ、人のうわさだ、あてになるまい。知りたいなら
あの宮司にでも聞けばよい。あれも、王家筋らしいからな。
内情も知っていよう。』
「そして、六花も巫女、か。」
『あれは別格よ。封印どころか滅することもできよう。
だが、贄になるかどうかはあやつら次第。
頼むから、そうなっても、この地の者を消してくれるなよ。
一日お主といて、お主ら兄妹がいかに異質かがわかったわ。』
「なら、贄にしないように祈っときな。俺はすぐ切れるからよ。
まぁ、だが人は希望にすがりたいものさ。
それに、負の連鎖を生み出すのは俺も望まんよ。」
『やれやれ。』
しばらく、二人して、屋根の上で日向ぼっこをして、部屋へと戻った。




