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終末から始まる物語  作者: 風間流治
深淵を覗くと
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生徒の本分

「も~。流は少しその短気でせっかちな性格を治したら?」


「そりゃー無理だな。お前がフルで動いた後、

 稼働時間の2倍の睡眠をとらなければならないのと一緒だ。」


「私のは睡眠だけど、流のそれは、常に人に迷惑をかけるじゃない。」


「なーに。完膚なきまでにたたきのめせば良いのよ。

 それに、俺は常日頃は『いないふり』をしているし、

 ほぼ無感情だしな。

 それほど問題にはならない。

 お前は運ぶのが大変なんだぞ。」


「あーいえばこーいう。」


夕食の後、二人が先ほどの試合について、小言を言い合っていると、

増田たちも戻ってきて、そんな二人に話しかけた。


「風間の兄妹はほんと飯食うのが速いなー。もう食い終わってたのか。」


「食事はいつも戦場だから。」


目をそらしつつ六花が答える。


「速く食べないとおやじや姉貴たちが横取りするから。」


遠い目をして、流治が答える。


「そ、そりゃ。大変だな。」


「そういえば、買い物でいろいろと売っていたわ。

 トランプでしょ、オセロでしょ、将棋でしょ。」


「さすがに、ゲーム機はなかったな。」


「そりゃ。そうだろ。」


そんな話をしていると、ふと流治は思った。

空間をつなげられるんだから、ゲーム機を持ってこれるのではないかと。


思い立ったら即実行型の流治は自分の背後に

携帯型ゲーム機と相棒のPDA端末を落とすイメージで空間をつなげる。


「あっ。できた。」


ぼそっとつぶやいた。流治の声を近くにいた六花と、浜口が目ざとく耳にした。


「何が?」


「これ。」


そういって、流治は携帯型ゲーム機とPDA、なぜか一緒に落ちてきた

手紙らしきものをみんなに見せる。


「す、すげー。どうやったんだ。」


「いや、なんとなくだけど。場所がわかっていればできるみたい。

 俺も、六花と同じように、空間をつなげる能力があるし。」


「お、俺も。頼んでいいか?」


「でも詳細な場所がわからないと。」


「あーそうか。」


浜口ががっくりと肩を落として、座り込んだ。


「それよりもこの手紙だよ。」


橘が手紙を指していう。


「みて、中学校の名前とシンボルが書かれてる。」


「送り主は・・・。げっ。」


「うーん。あああ。」


「あれ、これって風間っちのおばさんじゃん。」


「ほら、貸しな流。」


ー流とお友達へ。ー


この手紙を読んでいるということは、流、あなた遊び道具を呼び出したわね。

そんなあなたにはこれを差し上げます。

この手紙を流か六花が読み終えると夏休みの友と読書感想文用の本が

人数分呼び出されます。

中学生なんだから、勉強もしてください。学校側は夏休み間近とのこともあり、

宿題さえ提出すれば成績に問題はないそうです。

世界を救うのも大変かと思いますが、勉強もしてください。

それでは頑張って。たまには、六花か流治経由で手紙をください。


ーーーーーーーーーーー

六花が手紙を読み終わると、夏休みの友と読書感想文用の本の

保管場所のイメージが頭にすりこまれ、

無意識のうちに空間をつなげて、召喚が行われる。


「うわー。うわー。」


「そ、そんなぁ。」


勉強を得意としていない国枝と浜口はがっくりと膝をつき、

それ以外は、呆然とした。

六花は、手紙に仕込まれた術式を読み解いて、ぼそっとつぶやいた。


「鍵の術式、コピーできていたんだ。さすが、お母さん。

 アナログ計算はどうあがいても、追いつけないや。」


その横で、放心状態から復帰した、成績が優秀な増田と佐藤が、

自分たちが手伝うからと、みんなを宥めていた。


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