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終末から始まる物語  作者: 風間流治
深淵を覗くと
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エンデの存在・流治の力

空間とは何か?


流治の中にいるエンデは自らを「空間」の概念を司る存在であるといった。

そして、「感覚で理解しろとも」そして、流治は身をもって知った。


空間の狭間とは何なのか。


今回はそんなお話。

*あくまでもファンタジーです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


それはふとしたことだった。

いつも通り、階段や壁の空間の亀裂を修復して、

何事もなく下校しようとしたときだった。


トイレの前のらせん状の階段の踊り場から下に降りようと歩いていた時、

何もない中空から手がにゅっとでて、流治を引き込んだ。


その場所は確かに学校であるはずなのに、

何もかもが停止した息苦しさを感じる場所だった。


はじめ流治は、握られている手を凝視していたが、

その手の先を見て、息を呑んだ気になった。


同じ学校の女子生徒の恰好に近いながらも

どこかデザインが古く感じる制服を見にまとい、

眼球はなく、そこには真っ黒な穴があり、そして、髪は長くぼさっとしていた。


思念だけでこの空間に存在するがごとく、その存在感は悲哀で覆われ、

見ているだけで、同一の存在へと自分自身が引き込まれそうになる。


流治は抗うことができず。ただただ、その存在を見つめた。


<流!>


エンデは叫びつつ、自ら主導権を握るべく、流治の体を乗っ取り、

そして、空間への干渉を始める。


(はぁ、はぁ。助かったよ。エンデ。)


「どういたしまして。まさか、こんなことになるとはね。

 あの世とこの世をつなげる場の狭間の干渉地帯。

 ここまで、負の思念が力を持てるとは。がっ。」


その存在は初期動作なく、流治に組み付く。


「実体を持つ存在はこの空間では不利、だ。ちぃぃ。」


(エンデ!)


流治は空間を司るエンデの状態を見て、焦る。

「空間」に干渉することにおいて、負けるはずのないエンデがなすすべもなく、

押されている。


流治はエンデは「実体を持つ存在は不利」という言葉と

先ほど感じた、何もかもが停止しているという感覚の2点から、

幽体だけが存在できる「霊界」を想像した。


「流。それは誤りであり、正しっい。この空間は幽体が存在できる空間ではなく。

 思念・概念が存在する空間だ。固定された思念・概念が存在する空間。

 それが、空間の狭間だっ。良く、見てみろっ。

 向こうの世界も見えるだろうがっ。」


そういわれて、視線から見える場所をよく観察すると、

ところどころで時代錯誤なブロック塀や、

木々が見える。それらは校内にあるわけがないものだった。

そして、その「風景」は動いていた。

それは、六花に連れて行ってもらった、裏のファンタジー世界に似ていた。

そして、流治は空間の狭間とはそのままの意味であることを理解した。


「霊界はっ。純粋なっ、たまっしいだけが、存在、でき、る。だぁ!

 意思が強いものほど、 前世の記憶を持ったまま生まれ変わり、

 意思が弱いものほど、魂の集合体へと戻り、

 そこから、適切な「場所」へと運ばれるのだよ。

 それは今度機会があれば体験させてやるよ。」


そう、エンデに言われ、遠くない未来経験できる気がして、流すことにした。

こんな何気ない会話をしている間に、

エンデは相手を強烈な殴るという思念を相手にぶつけ、引きはがす。


「なめるなよ。こちとら、90年以上生きてんだ。思いだけなら、負けねー。

 あんたの思いには同情するが、俺らを巻き込むなよな。」


(この世界が思念・概念の世界なら。あれは何?)


「あれは、この学校で起きている、いじめや差別で発生した、

「悲哀」そのものだ。」


(そ、んなぁ。あんなに形を得るまでにたまったっていうの?)


「いい問だ。思いや魂ってのがなんなのかわかり始めたか。

 そうだ、思いが凝り固まって魂をまねるまでになったのさ。

 どうする流治?お前なら?今なら変わっても、

 この体を制御できるようにするぜ。」


(変わって。なんとなくどうすればいいか分かった気がする。)


そう念じた流治とエンデは笑みを浮かべながら切り替わった。


切り替わった流治は右手を指し伸ばす。


それはそれを無視して再度流治に組み付くが、流治は優しく抱きしめる。

そして、


(もう、苦しまなくていいんだ。もう、悲しまなくて、いいんだ。

 俺が変わりに戦ってあげる。 だから、「安らかな死を。」)


と思念を相手に流す。

するとそれは徐々に消えていった。

流治は自分の権能が何かを正しく理解していなかった。

ただ、なんとなく自分の内にあると思われる「死」の思念をぶつけたのである。

その結果思念が消えた。


エンデはそんな流治を見て苦笑しながら、思った。


(まだ、自分の権能を理解できない、か。お前の力は「死」ではないのだがな。)


「エンデ。戻れる?」


<ああ。戻そう。左手で指を鳴らしてみ。>


「こう?」


ーパチーンー


空間に音が響く。すると、左手が消えた。


「おろ?」


その消えた左手に引っ張られるように、するっと体が傾き、たたらを踏む。


そこはいつもの夕下がりの静かな階段だった。


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