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終末から始まる物語  作者: 風間流治
進化と欲望
74/239

我は・・・

信「俺って・・・。」

紅「まで、立ち直っていない信兄に変わって、今回は若干長めです。」

-創造者のクラスにおいて、一部の概念及び法則に気付いた者が現れました。-


-該当者へ一部情報の開示が行われます。

開示範囲は<改変不可能な事象について>です。-


ー該当者へ情報を譲渡します。ー


<(これは、何だ?)>


エンデは急に空中に現れ文字列の内容に困惑した。

それは今まで、自分たちを縛っていた<運命の歯車>や<スケジュール>、

<台本>、<アカシックレコード>などと呼ばれる、

決められた筋道が何のために存在しているかを説明していた。

特に人の死、存在の消失、事象の結果それらは特に厳しく設定されている。


エンデは人知れずその内容を網羅し、愕然とした。


<(これでは、まるで、上位者が他の世界と比較するために

あえて事象を縛っているような。

そうか。でなければ、世界の進化の正否が判定できない。

しかし、だとすれば、この世界は・・・。『何回目』だ?

それとも並列に並べているのか?いや並列に並べているのだろう。

でなければ、俺の存在が説明できない。

だが、それでは、同一の魂をそろえることは難しい。

なら、やはりイレギュラーが発生するたびに、コピーを作成し、並べて、

比較をしている?

変更可能な範囲はイレギュラーの発生条件以外か。

なら、現状は、すでに流治と同一の存在が一度コピーを作成したのか。

ちっ、閲覧できた範囲で行える考察はここまでか。

だが、情報の開示、条件はなんだ、この時間軸いや、世界において、

必要不可欠な概念の関係をしることか?

美徳と大罪の関係を理解し、実行させたことで、開示されたのか。

もう一つは、流治と同質の魂か。だとするなら、まだ、知る方法があるか。

だが、俺は何だ?俺が、流と同じ存在なら、

俺という個はここには存在できないはず。

なのに・・・。ああそうか、あの世界がある意味では正解の世界で、

管理者がなくとも自立できているのか。

そして俺自身は、空間と一体となり、

かつ死にたくないないという意思のもと生まれた存在なのか。

しかもあっちの世界では元の魂が意思なき状態で動いているのか。

そして、俺は完全なるオリジナルに近い

この世界の流に引き寄せられて・・・。)>


-グンッ-


急に流治の心が暗くなり、エンデは思考をやめて、慌てて顔を上げた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふふふ。こっちは全員助かったみたいだぞ。」


「みたいだな。だが、あの結界を破り、再度瘴気でさらせば無事ではすむまい。

 かく言うお前もその力をこの瘴気の中では使いこなせないとみる。

 最初のころと違い、動きが鈍いぞ。」


「深手を負っているお前ほどではないよ。」


ードサーー


流治と悪魔の男の子のバトルの横で、紅葉が勢いよく滑っていく。


「ちぃぃぃ。当たらない!」


「ははは。力任せでは勝てませんよ。結界と空間の能力を使える私にはね。」


「流!あいつらの言う通り、私ももう体力が持たない!燃費が悪いわこれ。」


「秋姉は下がって!」


「流は?」


「もう少し粘ってみる、よ!」


流治はしゃべりながらも相手の腕を切り飛ばす。

紅葉はそれをみて、六花と信幸、3姉妹の張っている結界まで下がる。


「く!」


「ぐ!」


「ふふふ、ははは。心を殺しても、少なからず影響を受けるようだな!」


「ちっ。おとなしく死んでいれば!」


「だが、俺も持ちそうにないな。」


「嫉妬よ!来い!俺と同一化しろ!」


「ふふふ、ははは!いいね!」


「ま!」


悪魔の中から黒い何かが出て、今川の当主が一体化する。

その瞬間、悪魔の姿がやせ細った男の子になる。

流治は慌てて、その男の子を抱きかかえるが、すでに息をしていなかった。

それを見て、流治の心は深い悲しみが襲った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<同年代の死を見たからか。魂まで傷ついてはいないが、これはきついな。>


<どうする?流はもう動けないぞ?>


<アル、か。そうだな。俺が変わろう。>


<いけるのか?>


<ああ、ただ、試したいことがある。アルいや、ルシファー。

あとフレイア、力を貸してくれ。>


<いいぜ。>


<問題ありません。が、なぜ私なのです?>


<それはな、お前は忘れているようだが、俺とお前が近い存在だからだよ。

運命に忠実たれ。さあ、目覚めよう。>


そういって、エンデはフレイアに近づくと、胸のあたりに手をかざす。

すると、光が二人を包み込む。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


<流。あとは任せろ。>


(え?エンデ?)


<そうだ。任せて休みな。>


流治はエンデの言葉に甘えて、心の奥に引っ込んだ。


エンデにとって、今の状況は想像以上だった。

フレイアが『サリエル』という月の運航と死と生の狭間をつかさどる者

であることは知っていた。

一体化したことにより、自分の中の空間と流治も持っている無の力の一部、

そして、魔素についての知識の解除条件を満たし、網羅したことで、

流治の完成形と自らができることが分かった。

そのうえ、今は以前、制御に失敗した『傲慢』と一体化できる自身もある。


「さて、久しぶりだな。『嫉妬』の。」


「<貴様は。『傲慢』か。さっきまでの『激情』と一体化した小僧はどうした?>」


「眠ってもらったよ。疲れていたようだしな。」


「<そうかよ。だが、貴様もこの濃度の瘴気の前には大した力も振るえまい。

  なんせお前は優しすぎるからな。>」


「力を持つ者はその振り方を考えねばならない。」


「<詭弁だな、だから、倒されるんだよ。肝心な時に力を振るえずにな。>」


「倒されたのは、運命だよ。この体の主とともに旅をするためのな。」


「<なら。その旅もここまでだな!>」


突如として、悪魔は殴りかかるが、それは握られ止められる。


「一つ教えてやろう。お前はここで死ぬらしい。

 あと、確認だが、あの榊の邪の器はお前の器の奥さんでいいか?」


「<そうらしいぜ。だが、消えるのはお前だ!>」


「そうか。聞いた通り、か。」


そういうと、握ったこぶしを振り回して、投げ飛ばす。


「エンデ。良いぞ。」


そう、ルシファーがつぶやくと光が流治の体を包み込み。

光と闇が徐々に交じり、何ごともなかったような流治がそこにたたずんでいた。


「<なんだこけおどし、が!」>」


一瞬で流治は悪魔の眼前に表れ、鳩尾をなぐる。


「<どういうことだ。おかしいだろ!お前は何だ!>」


悪魔は驚いた。確かに眼前の存在からは、魔力や気力、生命力がひくく、

自分より強いとは思えない、だからこそ、油断をした。

だが、先ほどの動きはあり得ない。そう、空間を「ゼロ距離」にしない限りは。


そして問われた流治は告げる。


「我は終末を告げし者。」



紅「あの時つぶやいていた内容って、これだったんだ。」

六「ある人は言った。邪神より邪神らしい存在は流だと。」


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