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終末から始まる物語  作者: 風間流治
進化と欲望
68/238

弱点

信「だれの?」

紅「私たち大概弱点だらけよね。」

その日、ゴールデンウイークの怪異退治で疲れたのか、流治は体調を壊し、

入院となった。


「はぁ~。」


流治は盛大な溜息をついた。

理由がわからないが何か心的要因で

大きなストレスがかかったのではないかとの

診断があったからである。

その原因に流治は心当たりがあった。


流治が潜入し、鉢合わせした霊を刺したとき、

少しだけ、気分が悪くなり、かつ嫌な気分を味わった。

あれが原因であろうと考えたのである。


一族のこの稼業を続ける限り、霊や怪異を倒すのは必須である。

いちいち倒すたびに倒れていては任務に影響が出てしまう。

流治は思い悩んだ。


そのころ、流治の両親も流治のことで話合いをしていた。


「あの子に稼業は無理じゃない?」


「今回の任務で何らかの心的ダメージを受けたとなるとそうなるな。」


「いえ、絶対にそうでしょう。こうなるともっと勉強をさせて、

 デスクワークの職業に就かせるべきよ。」


「まあ。それが一番か。」


「そうと決まれば、びしばし行くわよー!」


「流治よ。たくましく生きてくれ。」


幸代の宣言に幸和は心で合掌した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


<やはり、心的ダメージを受けたか。

前回の死の記憶の体験でもダメージを受けていたし、

無理なのか?まだ、越えられないのか?だが、・・・・。>


<エンデ?どうした。>


<アル、か。いやな、死を体験すれば、

死に対する耐性がつくと思ったのだが・・・。>


<まだ、幼いしそれは無理だろう。>


<いや、それだけでないと俺は知っているんだ。>


<どういうことだ?>


<トレースの力だ。>


<トレース。流治の目の力か。それが。>


<あれは、目だけではないんだ。

意識がある対象に触れても発動するんだ。

原理は単純だ。あいつの本来の能力に起因するんだ。

「魂を診る力」。それがあいつのトレースの力の元なんだ。

 よって、刺したり、死を目撃すると、流治はトレースして、

 自分も死の擬似体験をするんだ。

 特に肉体があればその痛みと苦しみもトレースしてしまう。

 魂だけであればそれも若干は感じにくくなるんだが・・・。>


<な、に?>


<この力は魔素がなくとも使える部分があるから、俺も良くわかる。>


<お前もそうであったと?>


<中2までな。それでも、その後も死を目のあたりにすると

 心的ダメージは受けたが、病気になるほどまではならないように

 自分で制御できるようになった。変わりに心を半分喪失したがな。>


<難儀だな。こんな世界じゃあ。流治にはそろそろ

 耐えられるようになってほしいと?>


<ああ、このままではまた破滅の力が解放されかねない。>


<あー。うん。なるほど、急ぐ理由が分かったが、こればかりはなー。>


<そうなんだよな~。いっそしばらくは

 俺らが変わってやるっていうのも手かな。>


<そうだな。時と場合によってはそうするか。>


そんな会話を流治はこっそりと聞いていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(感情を消せば、具合が悪くならないし、

 家業も継げる。でも、感情を消すということは・・・?

 どういうこと?いけないことだっていうのはわかる。

 でも、どうして?)

信「流治がたまに非道になる理由って。」

紅「弱点。弱点ね~。」

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