陰陽師信幸①
信「今回から、4話は俺の話の予定だってさ。」
紅「続くかな?まあ、次は異世界編の私の話が確定だけどさ。」
ーひらひらー
<信の中3修学旅行編になります。前の章では中2でしたので、今章にしました。>
ーボッー
「へ~!ひ弱そうな外見とは裏腹にやるじゃねーか。」
「口が悪い神なんて聞いたことがないわ!」
信幸は戦っていた。
どこで?
京都の城南宮で。
だれと?
四神、朱雀と。
何でこうなった?
修学旅行で四神巡りをしようと計画して、
3泊4日の初日の今日、府内から少し離れた城南宮を回り、
時間があれば伏見稲荷に行こうを計画してた。
観光タクシーを借り、班員の3人と10分ほどかけて、回るはずだった。
その10分ももうじき過ぎる。
「おうおう。なんか時間気にしてんな。俺が結界張ったときに、
この世界だけ加速してっから、安心しな。また、10秒もたっていないぜ。」
心を見透かされ、信幸は心で舌打ちをする。
そもそも相性が悪い、木生火で火の勢いが増すため、木は使えない。
火剋金で金が溶かされ、攻撃が当たらない。金の一撃をあげれば当たるが、
それでも、連射がきかず、手数が足りない。
朱雀を最初に選んだ自分を呪いたいが、始まってしまっている。
六花だったら水の精霊で倒すだろう。
紅葉は土で倒すかもしれないが、火で力押しかもしれない。
流治はあいつ退院してから、やけに気配を殺すのが上手く、動きも俊敏だ。
不意を突けば倒せるだろう。
だが、信幸は冷静に自分では決め手に欠けることに気づいただけだった。
「どうした。俺の力が欲しいんだろう。」
暑苦しい神だ。自分の朱雀を熱血漢にしたらあんな感じかなと考えつつ、
一つ思い出した。
そうだ、あいつ粉塵爆発で自分が死んだ記憶があるって言っていたっけ。
相手の包むように結界をはり、空気を密閉し、おがくずを充満させ閉じ込めた。
「目くらましか!こんなもの!」
ーボフッンー
結界内で大爆発が起きる。
数年前に比べて、自分の結界はずいぶん強度が上がったものだ、
と考えながら、結界内の端の一部を解き、煙だけを通すようにする。
結界内の様子が見えるようになると、自分の炎の力で、
ダメージを受けた朱雀が倒れていた。
これ幸いと感じ、金属で床に固定する。
しばらくすると目が覚めた朱雀が信幸を見る
「ぐっ。負けたのか。」
「いんや。自爆だな。俺の張った結界ないで、
自分の炎で自分自身を爆発したのさ。」
「それでも勝ちは勝ちだろう。あ~。もう戦う気はねぇよ。」
そう言われたので、金属の固定具を外す。
「あ~。悔しいな。さんざん相手の心を揺さぶっておいて。
しかも、相性のいい相手に負けたのいつぶりだろうな。
清明の死後、守護任務に戻ってから、負けたことないのにな。」
さっきとは違って、まともな話し方だと感じた。
朱雀は続ける。
「で、勝手に喧嘩売ってなんだけど、お前の望みはなんだ?」
「あ、そうそう。この朱雀と一体化してほしい。」
「何だ、お前も清明と同じように、俺に式神になれっていうのか?
まぁ、今の京都は守護する意味がないけど。それでもだな・・・。うん?」
朱雀は腕輪から出てきた自分を見て、驚いた。
魂の形がそっくりだったからである。
そして、なるほどとも感じた。今生の主はこいつなのだと。
「はぁ~。いいぜ。力になってやるよ。」
そういって、朱雀は腕輪から出てきた自分を喰らい、
そして、信幸の腕輪に戻っていった。
周囲の喧騒がもとに戻る。
(いや~。この中は快適だな。誰が作ったんだ?)
ふと、信幸も思った、誰だっけ?と
答えはでなかった。
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「もう!信君どこに行っていたの!」
「ちょっとトイレにな。スタンプはもらったかい。」
「うん!次は伏見稲荷だっけ?」
「そうそう。一番上まで行こうか。鳥居が幻想的らしいよ。」
班員が、そろってタクシー運転手のガイドの人について歩っていく。
信幸は今回の就学旅行が波乱に満ちていることを感じながら、
ついていく。
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ーがやがやー
「さて、学生さんつきましたよ。
ここは、稲荷とついていることでわかるかと思いますが、
お狐さまを祭っています。一ノ峰まで行くとのことですので、
私はここで待たせていただきます。
私は若くありませんので。
そうそう上がるのなら、反時計周りに上がるといいですよ。
地図はこちらになります。」
「わ~。標高233メートルだって。登山だね。」
「そうでもないだろ。地元で言うと、恐らく、笹良ヶ台ぐらいの標高だ。」
「あれ?そう聞くとそうでもないのか。遠足?かな」
「そんなもんだろうな。」
(気をつけろよ。ここには四神ではないが、2柱の気配がある。両方とも凶将だな。
お前の相性は悪いな。)
(げっ。まさか騰蛇と勾陳?)
(おっ!勉強してるな。そうだ。さてどうする?)
そんな会話を頭の中でしつつ、千本鳥居、三つ辻、四ツ辻、三ノ峰、
二ノ峰、一ノ峰と登る。
途中、みんな息があがったがどうにか、ついた。
降りようと一ノ峰の社を通り過ぎたとき、
信幸は自分だけが結界に閉じ込められるのを感じた。
すると、後ろからボウイッシュな女性が、前から仁王のような男性が現れた。
「はぁ~。」
「よう坊主。お前が力を求める者か?」
「あらあら、ひ弱そうな坊やね。」
「何か?ひ弱そうな坊やっていうセリフは決まり文句なんか?
まあいいや。とりあえず、 これで終いだ。」
そういって、勾陳には木の結界を騰蛇には金属片を充満させた結界を構築する。
「何!?」
「えっ!」
二人が動く前にあっさりと勝負をつける信幸。
「やるなら、さっさとする。」
「えげつないね~。」
「すでに戦い方はわかっている。なら先手必勝だろ。
さて、負けを認めてくれるかい。」
「すでに朱雀がやられた後かい。なら、私に依存はないよ。」
「なら、これを喰らい。この中に。」
勾陳は自らの魂を喰らい。腕輪に入る。
「さて、騰蛇はっと。あれ?」
そこには狐のような、犬のような化物がぴくぴくと痙攣していた。
「あ~。力が抜けて化物になったな。」
「へ~。これが。さて、起きてもらわないとならないから。」
金属の首輪と足かせを作り、騰蛇につけて、ぱしぱしと叩く。
「はっ!俺はどうなったんだ。」
「おっ!起きた。」
「手前!あれ?動けない!おっおい。どうなってんだ!?」
「負けたんだよ。あきらめろ。」
「そんな。あっすっ朱雀。何とか言ってくれよ。」
「残念ながら、俺はこいつに使役されているんだよ。
それに、俺が手助けする前に。お前らはやられたんだ。」
「そんな・・・。」
「というわけで、こいつを喰らって、この中に入ってもらおうか。」
「仕方がないか。」
しぶしぶという感じで、魂を喰らったのを確認し、拘束を外し、腕輪にいれる。
(あれ?この中の方が快適だ。)
(本当ね。)
「あと、9柱か。」
(まあがんばれ。)
結界が徐々に溶けて、喧騒が戻る。
少し前を歩いている班員を追いかけて、少し駆け足で歩いた。
紅「ふふふ。信兄さん弱!」
信「何だと!」




