帰還
信「今回から七不思議を題材にして物語を作成中のようだ。」
紅「あ~。因縁の序章だったけ。」
『フハハ。さあ、さあ。その魂をよこしなさい。』
でっかい、女性の顔が舞台の上で、髪を振り乱しながら、言う。
「いやぁ~あ。怖いよう~。(T_T)」
流治は泣きながら、同級生たちの魂を抱えて泣く。
周囲には、動く人体模型と骨格標本、水着を着た血だらけのうろこの女性、
紅い服を着た女の子、人の形をした木、
継ぎ接ぎだらけでノイズがかかったのっぺらぼう、
包丁をもった紅いエプロンの男性が囲んでいる。
「エル・アル、いつまでこうしてればいいの~。」
<<泣くなよ。一応、お前の方が強いんだがな。>>
「そんなこといったって~。ぐすっ、ひっく。」
そんな様子を見ながら女性は思った。
(ふふっ。あの術師のたわごとを信じたかいがあったは。
今回は上物ぞろいじゃないか。)
「六花~。」
(ふ~、どうしよっか、エル、アル。)
<<どうすっかな。あと、少しで元に戻れそうなんだよな。>>
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あの、病院の一件から、半年後、流治はやっと、体調が回復し、
退院をした。
「流治なにが食べたい?味のない、食べ物ばかりだたから、
おいしいものを食べよっか。」
「手巻き寿司がいいな。」
「じゃあ、今日の夕飯は手巻き寿司にしよう。」
「そうだ流治、お前のおじさんが、いらないコンピュータを置いていったから、
あとで、遊んでみような。」
「本当、楽しみ~。」
「それでは先生ありがとうございました。」
「いや~。流治君は夜静かでしたから、楽でしたよ。流治君元気でな。」
「はい!」
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「お帰り流。」
「ただいま、信兄。」
「おかえり。」
「ただいま、秋姉。」
流治は、入院中見舞いに来てくれた、信幸と紅葉と仲良くなった。
この春、信幸は中学生に、紅葉は6年生に、流治は2年生になった。
信幸は、基本的に、店の手伝いをしつつ、叔父さんと仲良くして、
日々新しいことに挑戦をしている。
紅葉は近所や小学校では、頼れるお姉さんとして、活躍をしている。
そんな二人に、たまに勉強を教わりながら、入院生活を流治は送っていた。
入院中はテレビがないため、プラモデルや携帯ゲーム機、漫画、折り紙で、
時間をつぶしていた。
というわけで、家に帰ってきた、流治は、ずっとテレビを見ている。
時代劇、アニメ、特撮。
(いいな、必殺技とか。あと、忍者ってかっこいいな。)
(あら、流治も年ごろの男の子なんだ~。)
(え~と、忍者の動きってこんな感じかな。)
流治は見よう見まねで、気配と音のでない歩き方をしてみる。
(!どういこと?)
<<これが、流治のシックスセンスの一つ目、トレース。>>
(説明して。)
<<流治は、自分が欲しい、必要と思った能力や技術を、一度見ただけで、
同じことができるようになる。今回は時代劇の忍者の体重移動、
歩き方を完全にコピーしたな。>>
(それって、ある意味最強なんじゃ。)
<<ただしがつく、自分の筋力に見合わないことを行うことはできない。
例えば、塀を一っ飛びしたり、岩を持ち上げたり、豪速球を投げたり、だな。>>
(なるほど、病み上がりの流治では、動きまでが限界か~。)
<<まあ、筋力がつけば、今トレースしていることもできるようになるだろう。
あと、この能力の副産物として、人の行動・思考を先読みできる。
入院中に推理物をたくさん読んでいたから、どうやら、俺らを観察して、
ある程度のパターンを構築・予測できるようになったみたいなんた。>>
(推理?プロファイリング?)
<<そんなんだな。>>
(えっと。体力が回復すれば強いんでない?)
<<どうだろうな。体の一部が不安定なのは、治ってないみたいだ。
それに、俺らももとに戻らんし、しばらくは無理はできんな。>>
(あー。)
「手巻き寿司。手巻き寿司。おいしー。」
「ふふふ。良かったわね。」
「うん。」
「あとで、信兄とお父さんと遊ぶんだ。」
「応、コンピュータの使い方を教えてやんぜ。」
「父さんは簡単な操作しかできないだろう。」
「はじめはそんなもんでいいんだよ。」
「ポケベルも使いこなしてないじゃないか。」
「あははは。」
「ふふふ。」
信「翌日からあんなことになろうとは・・・。」
紅「昔からついていないよね。」




