02:出会い<side:紅葉>
信「今回は俺の話ではなかったか?。」
紅「どうやら、修正が間に合わなかったようです。」
信「なぜだぁぁ!」
不思議な女性と別れた後は、何事もなく家についた。
母と祖母が食卓に料理を運び、祖父と父、双子と兄ともに食事を始める。
食事が終わると、酒が入った父は、弟に厳しく当たる。
一族の力がない彼に厳しくなるのはわかるが、
あれでは、いじめではないかと思う。
しまいには、母が止めるのだが、ここまでが、父がいるときのいつもの光景。
父は、基本的に夜はいない。
裏の仕事か、町内の寄り合いか、友達と遊びに行っていることが多い。
私はそんな父にうんざりしていた。
兄に宿題を見てもらい。
20時ごろお風呂に入り、布団を敷き、眠る。
ここまではいつも通りだった、
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紅葉はつけていた指輪の一つに違和感を感じていたが、
それが何であるのか。よくわからなかった。
ただ、懐かしい感じと武器のイメージだけが、見えた。
そこに悪意がないので、気にしないことにしていた。
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指環の一つが光り、12個のさまざま武具が飛び出してきた。
<懐かしい感じがする~。>
<<王の気配だ。>>
<我らの主にふさわしい>
<どこにおられる。>
<だがこの記憶はなんだ?>
<だれかが、我らに主を鍛え、来るべき時に備えるように命令を与えている。>
<それに我らはレプリカのようだ。>
<だが、元の器と変わんらようだ。>
<そんなことは、問題ではない。われらは王を守る剣であり盾。
我らの力を発揮できれば、それでよい>
<この姫から、王の気配がする>
<神をも焼くような炎の力とすべてを育む大地の力の気配。>
<間違いないこの者だ。>
<<盾よ。結界を張ってくれ。姫を起こし、語らってみたい。>>
<わかった~。>
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<<姫さま。姫さま。>>
誰かが体を揺すっている。
目を開けると、目の前に同じかわいい顔が二つある。
だれだろう。私と同じぐらいの子だ。
知り合いにこんな子いたかな。
<<わ~。きれい。>>
あら、うれしいことを言ってくれる。
かっこいいとか。元気な娘とは言われなれているが、
きれいはなかったな。それにしてはここはどこだろう。
周囲を見渡すがずいぶんと白い空間だ、
右を向いたときに異様な光景が目に入った。
メイド服をきた女性、
剣道着を着ているちょんまげを結った男、
燕尾服を着た執事っぽい老人、
女性騎士、
チャイナ服の女の子、
鎧を着た太った男、
胸あてしかつけていない細い男、
胡散臭い小さい丸眼鏡をかけた男性、
インド人の女性が着るような服をまとったエキゾチックな女性、
耳の長い麗しい男性、
眼鏡をかけたとんがり帽子の女性、
何か混沌しているし、私を見て茫然としている。
どうして、そんな顔をしているのか疑問に思っていると、
<<姫さま、姫さま>>
双子ちゃんが、3面鏡をどこからか持ってきてくれた。
誰が姫さまだと思いつつ、鏡をのぞく。
そこには、黄色をもっと明るくしたような白い髪をなびかせた、
小麦のような黄色い目をした女の子がいた。
ぺたぺたと顔を触ってみる。鏡の女の子も同じような仕草をする。
首を傾げて一拍置いた後、私は叫んだ。
「えーーーーーーーーーーーーーー!!!」
ーぜぇぜぇ。ー
もう一度鏡をみる。いつもの赤茶色の髪と黒い目の色ではない。
変わった自分に納得がいかずにいると、
ーこほんー
燕尾服を着た執事っぽい老人がひとつ咳払いをする。
その音で我に返り、彼らのほうを向く。
<レディにあるまじき行動ですな。>
「すみません。本当にびっくりしたもので。」
人はびっくりすると素がでるものである。
いや、いいわけですけどね。
<我らが説明をせずに呆けていたのも悪かったのではないですか?レイ>
<ふむ?それもそうであるな。まずは、あなた様の今の姿ですが、
実はこの空間の異界の力が濃いためです。
あなた様のような体質の方は、異界の力を取り込めば取り込むほど、
姿形が変わる方がいます。
あなたの場合は髪の毛と目の色にでたようです。>
ああ、なるほど、たまに怒ったり、うれしいことがあると、
どこからか力があふれて。
その後、髪の色がしばらく濃くなるのと同じか。
<次に我々は、あなたが手に入れた指輪の聖なる武具が人の形を成した姿です。
この空間ただしくは固有結界の中でなら、我々は人の形をとることができます。
各自の容姿がどくとくなのは、元になる武具の特徴からです。>
なるほど、武器のイメージはこれですか。
男性もいるから、次回お風呂に入るときは、
部屋で外すようにしよう。
「あっ。私から聞いてもいいですか。」
<どうぞ。>
「人の形になれるってことは、使用者を選ぶタイプですよね。
私は認められらのでしょうか?」
<それは>
<それはもちろんだよ。レディ>
両手を握られて、持ち上げられる。
見た感じ、きれいな人だが、行動と言動が気持ち悪い。
<こんな僕に認められて、君もさぞうれしかろう。
さぁさぁもっと喜んで、ぐはっ。>
メイド服の女性がなぐると、小石のように吹き飛んだ。
この人見た目以上に力があるな。
<失礼しました。あの方はいつもあの調子のようですが、
気にしないでください。>
何事もなかったように一礼をする。
<我々があなたを認めないことはございません。その髪の色、瞳の中の意志の力、
どれも、我らが女王陛下と呼ぶにふさわしい様相です。>
<俺もそう思うぜ。俺らを預けるにふさわしいと感じたから
こうやって話してんだ。>
<左様でございます。>
<いやなら、喧嘩を売ってる>
<あなたのような主なら、我らの使い方を間違えまい>
<最初の発言はびっくりしたけどね。>
<温か~い人。>
<姫さんっで呼びたくなる雰囲気だもんな。>
<俺もあんたを気に入ったぜ。>
<美しいかたに悪人はません。-グッ->
<<姫さま、好き~。>>
どうやら、私は気に入られたようだ。
視界の隅っこで、何かがぴくぴく動いていたが、
気にしないことにした。
紅「かわいいときれいは正義!」
信「なぜ。俺の話ではないんだぁ。」