裏世界旅行記③
「流はなれてくれない?」
エンデは自分の袖に引っ付く流治に文句をいうが、
各言うエンデもそれほど余裕のあるわけではなかった。
流治もエンデもホラー系と昆虫を嫌い、
この状況は今にも発狂しそうな状況であった。
救いなのは、量が多い関係で、不意に物影から突然現れる
あの来るぞ来るぞがないことである。
「二人とも情けない。」
アルがエルの光の力で、周囲のゾンビやらリトルグレイもどきを排除しながら、
入口があると思われるウエスタン風の木造の建物の前までやってきた。
「で、どうする?」
「こうするのですよ。」
そういうと、エレインはライの容姿に近い状態へと切り替わり、
カウンターの上に手を置いた。
「位置座標確認。キーヲアンロック。成功。
セキュリティノ確認。一部ヲ無効化。」
そういうと床の一部がスライドし、金属性の階段が現れる。
「ほー。隠し通路か?」
「いいや。何かの射出口といったところ。
まあ、スロープを降りればなんの部屋かわかるでしょう。」
「いやいや、アルどう見ても、下は工場でしょう。あいつらの生産場所だよ。」
「なら、なおのこと行かなくちゃな。」
「あ~、うん。ですよね。」
「私が、一番~ん。」
そういって、ニャアが飛び込む。
「あ、ちょっと。」
「先行くよ。」
エレインが続いて、飛び込み、アルがそれに続いて飛び込む、
「ほら行くぞ!」
「はぁ~。」
ため息をつきながら、流はエンデに引っ張られて、飛び込んだ。
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「うわー。これは。」
「意外と近代的だな。ライン生産とは。」
「大規模だにゃ。」
「木製、金属、布?」
「迷い込んだ人間でもいたんでしょうか?」
スロープが終わったところで天井いっぱいまで浮き上がり、
眼下に広がる生産ラインを見渡していた。
「迷い込んだ人間がいたとしても、もう死んでいるでしょうね。」
「だろうな。お、あれは。」
エンデは通路がないかと探していると、メンテナンス用と思われる
細い通路を見つけ、4人を呼ぶ。
「こっからいけそうだ。」
「セキュリティはできる限り無効にしましたが、敵性体は動いているはずです。」
「だな。」
アルはそういうエレインの後ろに向かって魔法を飛ばす。
すると、外で飛んでいたものの小型版が少し離れたところで地面に落ちる、
「気づいていましたよ。」
「そうでないと困る。」
「おい。流は?」
アルとエレインが言葉の応酬の横で、エンデが流治の場所を尋ねる。
「ごめんごめん。」
「ふにゃ!」
ニャアの横に急に流治が現れて、ニャアがびっくりする。
「ピクニックじゃないんだ。はぐれたり、遊んだりすんなよ。
行くぞ。」
「「「「はーい。」」」」
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「ドール、ドール、ドール、うがー!」
アルは単調な敵の攻撃と、無尽蔵に沸く状況にイライラして、
つい叫ぶ。
「こりゃ、ドール系の能力持ちか?」
「でしょうね。バリエーションも豊富です。」
「デザイン用の木製ドール。ぬいぐるみ。ブリキ人形擬き。
乗り物系のミニチュア。」
「よく覚えているにゃ~。」
「救いはガン〇ム擬きや変形ロボット擬きが出てこないことか。」
「出てきたら色々にゃ意味でアウトにゃ。」
ニャアは流治の観察をほめつつ、エンデの発言に突っ込みを入れる。
「本体の停止も視野にいれてましたが、興味深い能力ですね。」
「はぁ~。だな。」
エレインの発言にぐったりしながらもアルが返す。
そして、5人はコントロールルームと思われる場所へとたどり着いた。
「俺に言わせれば、マップがもう出来上がっていて、ここ以外ない感じだな。」
「いや~。迷いましたね。」
「つ、疲れた。」
「・・・。」
「はぁ。はぁ。」
エンデは空間の能力で脳内マップを作りながら、歩いていたので、
もうここ以外はあり得ないと確信をしていた。
アルはぐったりし、流治は息が上がっている。
ニャアはちょっぴり、エレインは若干の余裕を持っていた。
そんな様子をみて、エンデは
「ちょっと休むか。」
と提案をした。




