裏世界旅行記②
「それでは皆様お気を付けて。」
「野菜や食料をこんなにありがとうございました。」
「いえいえ。結界の拡張にこの町をお救いになったことを鑑みれば、
この程度。」
「それでは。」
「ええ。ありがとうございました。」
見送りに来た町の人に手を振りながら、流治たちは一路南東に進路を取る。
そして、町が見えなくなったところで、エンデが、口を開く。
「ここからは飛んでいくぞ。まあ、俺のは浮くに近いが。」
「えっ?!飛ぶの?」
「まあ、妥当ね。」
「でも、飛べないのは?」
「飛べねーのは・・・。ニャア、アリエルとフレイアぐらいか。」
「忍とヤク、ライ、エレイン、俺もじゃ・・・。あー、なるほど。」
流治の視線の先では、忍が大きな鳥に姿を変え、
ライとヤクが爆発で自分の体を持ち上げ、
エレインが大きな葉の形の羽を背中にはやしていた。
「つぅこった。だが、人数が多いのも目立つし、
流は飛び方を忘れているみたいだから、
昨日と同じソウルシフトで行くか。そうすれば、飛べないのはいなくなるな。」
全員が無言で頷き、それぞれ一体となる。
「ここから、アメリカ東海岸までは頑張れば約半日で着くはずだ。
だから、向こうに付くのは夜の9時ぐらいだが・・・。」
「だが?」
「このまま、南南東6時間ぐらい行こうと思う。」
「はぁ?!」
「あー。」
流治以外は納得の顔をする。
「確かにそれも確かめた方がいいか。なら。イギリスには1週間後?」
「そうなるな。どっちにしろ、ユーラシアは様子見で、
本命は日本だと思っている。
回るのもウプサラもしくはストックホルム、ロンドン、パリ、ローマ、
エルサレム、ギザの6都市ないし7都市だろう。」
「?」
「流~。お願いだから何でって顔をしないで。
神話や劇、博物館の有名どころじゃない。」
「ああ。そうか」
「まさか最初の南南東もわかっていない?」
「え~と。」
「エリア51。」
「へー。ここから南南東なんだ。」
そのセリフを聞いて。全員がため息をついた。
「あれ?なら、中国や南アメリカ、インド、イラクは?」
「おや?それほどお馬鹿でもない。」
「もー!!」
「南アメリカ、インドは体系だった神で善悪の分別がある信仰がされている。
それに、死の概念がどちらも強いから、
下手をすると自分自身が消える可能性がある。
そして、やつは自身の思考が善に触れるのを嫌うだろう。
だから、この二か所はないといえる。
イラクは確かにバビロンのことを考えると重要だが、
エルサレムで問題が発覚したらかな。古い宗教状況を考えれば、
それで問題がないはずだから。中国は・・・。」
「あそこは、どこまで行っても、不死を求めるニャルシストしかいにゃい。
仙人や神擬き、こにょ世界ではそんにゃにょがあふれているにゃ。
淘汰されるにゃらそれはそれで良いかにゃってとこにゃ。」
「ニャア辛辣。」
エレインが突っ込むとニャアはそっぽを向いた。
「つーこった。じゃ、行くぞ。」
そういって、5人は飛び立った。
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「で、ここがエリア51を一望できる山の上なんだが・・・。」
「見事に周囲は砂漠だね。」
「へーこれも砂漠なんだー。」
「ニャ―んだがたくさんいるにゃー。」
「ゴースト、ゾンビ、リトルグレイに似た何か。
土地的にはダンジョン扱いかね。
どれもこれも知性が高そうだ。
建物は、木造?だがなんだ地下にも何かが広がっている?」
「ねー!あれ!」
流治が、町の上空をさして叫ぶ。
「ロボット?」
「なるほど。機械生命体はこの世界にもいる。固有進化したとすれば、
円盤、飛行機、アンドロイド、ロボットはありか。」
「かー。忘れてた。そうだよ。ライみたいな生命体はこの世界にいるんだった。」
「あれ、厄介?」
「いや、あれは子機だろう。機械生命体は自分をコピーしたものが、
何百年と時を重ねて思考をし始めることで種を残したはずだ。
何らかの拍子に自立されることを嫌うから、
動物を模したものを生み出し、自分の制御下に置く。
という思考をするはず。
だから、本体を倒せばいいはずだ。」
「ライもそれで間違いないといっていますね。」
「あれらは、生物の中でも上位種、だから、種を残すことより、
そのほかの欲を優先する。知識欲、物欲といったものだな。
触らぬ神に祟りなし。この周辺の者たちもこの過酷な環境では
こんな場所には寄り付かない。
奴にとっても、空間を好きにできるこの場所は落ち着くのだろう。
まあ、悪さをしているわけではないし、ほおっておく?」
「いや、一応相談しに行って、結界を張ろう。
これを奴に使われるのは俺は面倒だと感じるしな。」
「そうだな。」
「よし、行こう!」




