ホームステイ⑨
(今日は原住民の資料館、か。)
(どうしたの?)
(いやな。なにかあるなら、今日かな、と。
他はほらボランティア活動だったり、体験学習だったりじゃないか。)
(う~ん。そういえば。)
(何等かの介入があるとすれば、今日しかない気がするんだよ。)
(考えすぎじゃない。)
(そうかな~。俺らだぜ。)
(いやなことを言わない。)
そんなこんなで、いつもの集合場所につく。
今日は一日みんなで同じ場所を回るらしい。
午前は木材所の見学、午後に資料館へと向かう。
流治は、何かあったとき用にスケジュールと何日目かをメモをする。
(これでいい?)
(お前、考えすぎじゃない。とか言って、きっちりビビっているじゃないか。)
(( ̄∇ ̄;)ハッハッハ。)
(いいと思うぜ。これで、急に入れ替わっても、六花も対応できるだろうよ。)
(さて、どうなることやら。)
製材所に到着する。
敷地面積が大きいらしく、丸太運搬用の蒸気機関車で回るようだ。
各自が、席に着くと、機関車が動きだし、説明が始まる。
言っていることはさっぱりだったが、今の時期が最盛期で、
冬には休むといった内容に聞こえた、
1周すると、ちょうど10時45分で、11時の集合時間まで、
自由行動となった。
流治は日持ちしそうなメイプルシロップを買い、
近くに落ちていた朽ちた木片をカバンに入れると、
バスに戻る。
お昼は途中の公園で1時間ほどとるらしい。
いつも通り、ホストファミリーが作ってくれた、
サンドイッチをたべ、近くで飲み物とフライドポテトを買って食べる。
流治はいやなことを振り払うように、さっき近くのコンビニで買った
メン〇スを口に放り込み、目をつぶる。
さらにバスに乗ること1時間弱。
小規模な集落の場所に到着する。
トーテムポールが立つ、いかにもな場所だった。
(あ~。これはー。)
(だろう。)
「皆さん。15時まで自由時間です。
各自、見終わったら、このバスに集合してください。」
そうリーダーがアナウンスする。
今が14時ちょい前なので、1時間の自由時間になる。
(ふー。さて行きますか。)
そう、気合いを入れて、流治は集合時間と場所のメモをして、
財布とノートをもって、バスを降りた。
まず、流治は売店のような場所で、
トーテムポールの小さい置物やトーテムポールが描かれた切手、
はがきを見て回った。
そして、買い物袋をもらい、そこにノートを入れる。
そして、広場の中央にあるトーテムポールを見るために店をでた。
(さて、鬼が出るか蛇が出るか。)
トーテムポールの背面から近づき、正面へと回る。
(ふ~。何も起き、っ!)
流治にトーテムポールの瞳から光が放たれる。
そのまぶしさに、買い物袋を落とし、目を隠す。
そして、流治は世界から消えた。
代わりに、六花が流治がいた場所に何事もなかったように現れ、
そばに落ちていた、買い物袋を手にとり、
背負っていたリュックを背負いなおした。
買い物袋からノートを取り出し、パラパラとめくり、
目的の箇所を見つけ、読む。
そして、ポツリとつぶやいた。
「流、世界をお願い。こっちは任せて。」
そして、身をひるがえすと、バスの方へと歩き始めた。




