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終末から始まる物語  作者: 風間流治
深淵を覗くと
102/239

その龍の名は

ーキーンコーンカーンコーンー


その日六花は珍しく一人でいた。

理由は簡単だ、流治の定期通院の日だったからである。

部活動も終わり、眠い目をこすりながら、

久しぶりにお墓の方の坂を下って帰ることにした。

定期的に見回ることを、バイトという名の任務として依頼されたからである。


六花と信幸なら、結界や空間のほころびがわかるため、

そのような依頼が発生したのである。

六花としても今後の同様な問題が発生しないとも考え、それを了承した。


お墓に近づくと不思議な老婆がたっていた。

無視して、遠目にお墓の様子を確認しようとすると、

急に目の前に現れてて声をかけられた。


「もし、申し訳ございません。術師の方ですか。」


藪から棒にそんなことを言ってきた老婆はいつかの黄泉の管理者であった。


「なんで、あなたがこんなところにいるの?」


「申し訳ございません。こんなことをお願いできるのは

 あなた方の他にいないのです。

 私よりはるかに強い力を持つものが

 あの領域に近づいてきているのです。」


「それは、あなたの責任でしょう。」


「それはそうなのですが、どうか助けてください。

 もう二度とあのような事案が起きぬよう気を引き締めておりますので、

 何卒、何卒助力をいただきたく。」


「もー、しょうがないなー。」


そういって、六花は黄泉へと空間をつなぎ、自分と管理者を落とす。


「こ、これは。さすがでございます。」


「ふー。お世辞はいいわ。で?う、ん?」


「ここの力でございます。も、もうすぐで。」


そういって管理者は言葉を詰まらせる。

しばらくして、管理者と六花に影ができる。


ーぐぉーー


ー黄泉の管理者よ、魂の流れに滞りと異常が見られる。

 これはどうしたこと、か?マスター!!ー


「こ、これは龍よ!そ、それはですね。へ、マスター?」


「随分と久しぶりだったじゃない。アルファー!!よーしよしよし。」


頭を垂れる龍の頭を優しくなでる。

そんな六花の頭にアルファと呼ばれた白龍はほおずりをする。


「術師殿。お知り合いですか?」


「知り合いというか。昔飼っていた龍にこの河の流れの監視を

 私がだいぶ昔にお願いをしたの。 元気だったアルファ。」


ーマスター!マスター!ー


びったんびったんと尻尾を振りながら、何度も六花にほおずりをする。

その喜びを体中で表して、久しぶりの邂逅を喜んでいた。


その様子を見て、黄泉の管理者は喧嘩を売らなかったことに安堵し、

かつ今後は真面目に職務に励むことを心に誓った。


「アルファ。この場所は私が対応したから、もう大丈夫よ。

 さぁ。元の場所に戻りなさい。」


ーマスターと一緒にいてはいけないの?ー


「あなたの力は元の世界では大きすぎるの。

 でも、今生では、この手鏡でお話をしてあげるわ。

 できるでしょ?」


ーうん。できる。ー


そういって、六花は異世界で手に入れた勾玉つきの手鏡を取り出し、

アルファの意識とつなげる。


「さぁ。戻りなさい。」


ーうん!ー


そういうと光となって、飛んで行った。


「で、問題はなくなった?」


「はっ?はいっ!ありがとうございます。」


「では、これで失礼するわ。職務に励むように。」


「御意!!」


そういって六花は来た時と同様に通常の空間に戻った。


「二度と間違いを行さないようにしよう。消されたくないし。」


そういって、管理者も自分の領域へと消えていった。


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