日常への帰還
ーパキンッー
それぞれの懐で何かが割れる。
それぞれ、音がしたところから、
鏡を取り出す。
「なっ。鏡が。」
能力を司っていた、鏡と勾玉が砕けていた。
「えっ。あっ。こういう風になるんですか。」
「まぁ。この世界では異物だからね。誰もかれもが、
あっちのような力を使えたら、世界は戦争と競争が激化しちゃうからな。」
「だから、一部の人しか使えず、各々で監視しあっているの。」
「それは知らなかった。」
「まぁ。当主が知っておけばいい話だしな。俺らはちょっと特殊でな。
最近知たったんだわ。」
「ふ~ん。」
そういって、しぶしぶと割れた鏡を各々シャツやハンカチで包んで、
鞄にしまう。
「使えないって説明したのに、なぜ丁寧に包んで、しまう。」
「使えるようになるかもしれないし、記念だし。」
「そうかい。」
流治は苦笑して、それを黙ってみていた。
流治と六花はすでにコピーを作成し、こっそりと保管していた。
まあなので、使えるようにはできるのである。
が、言うつもりはない。
「さて、それはいいんだ。問題は・・・。」
そういって、蓮花へと視線を向ける。
「でっ。何?」
「えへへ。増田さまといっしょにいたいので、来てしまいました。」
「随分とストレートなもの言いで。この件は増に一任するで良いか?」
「「異議・・。」」
「良い訳あるか!!」
全員で異議なしと言おうとするのを、増田が止める。
「住む場所とかどうすんだよ。」
「あ~。うん。そうだな。」
「俺の家はだめだぞ。」
「男の家はだめだろ。」
「私たちもだめだよ。」
「そりゃ~な~。」
知らない女の子を無断で半永久的に養うわけにはいかない。
どこからさらってきたという話になる。
「う~ん。ないわけではないのよね。」
六花は悩んだすえ、口にする。
「へっ?六花ちゃん何か方法はあるの。」
「師匠に頼みましょう。」
「師匠?」
「へ?師匠にお願いするのか?」
同じ塾に通う国枝が六花に聞き返す。
「そうよ。師匠なら、実は私たちの都合も知っているし、
人柄的にも問題ないし、大丈夫だと思う。」
「それは知らんかった。」
「うちの親父が親以外で唯一教えをこう人だしな。」
「それも以外だな。風間っ家のおじさんって、確か短気で武闘派だったよな。」
「ははは。」
流治は乾いた笑いで、返す。
「戸籍は?」
「それもどうにかするよ。取り敢えず、そういう形で行きましょう。
っていうか限界。」
そういって、六花が崩れる。
「へっ?六花ちゃん!?」
「力を使いすぎたか。というか。俺も限界なんだが、
こりゃ新学期も危ういかもしれん。」
「え?」
「言ったろ。頑張りすぎると俺らは倒れるんだ。体調を崩したり、眠ったりで。
とりあえず、俺らは帰るは。蓮花さんは申し訳ないけど。
俺らについてきてくれ。家についたら、誰かに、師匠の家に連れて行って、
説明をしてもらうから。」
そういって、六花を背負いながら、駅へと向かう。
駅の公衆電話で親に迎えに来てもらうためだ。
「やっぱ手伝ってくれる。俺も力が入んね~。」
六花を背負うというより引きずっている流治が
膝をつきながら叫んだ。
それを見て、増田や風見が慌てて、六花を支えた。
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その後、流治は3週間の入院を、
六花は2週間の睡眠をとり、
日常へと戻った。
六花は夏休みの課題を余裕をもって終わらせたが、
流治はギリギリまでかかってどうにか終わらせることができた。
「俺もう2度とこんなことがないようにしたいんだが。」
<あきらめろ、それは無理だ。>




