100話記念ストーリー(SS)
その日、ミユキは空をぼんやりと眺めていた。
この世界はあまりに残酷だ、前の世界に比べ、自由がない。
思考の自由も、研究の自由も。
人はその日その日を生きるので手いっぱいで、そんな自由がない。
各言うミユキも、その特異な体質を生かし、人々を助ける旅をしていた。
その能力は魂の不変。そう、六花や流治たち兄妹が持つ能力である。
ミユキがこの力に気づいたのは偶然だった。
生まれ変わっても、字を書いたり、計算をしたり、
道具を使うことに不自由がなかった。
また、魔法の使い方をしれば、生まれ変わっても使うことができた。
しばらくは、そういうものだと思っていた。
なぜなら、生まれ変わる前の記憶がないのである。
知識はあるが、どんな人生を歩んだのかが思い出せない。
だけど、1年前不思議な力を感じた時ふと、懐かしい感じを受けた。
そのとき、一部の前世の記憶が戻った。
自分が、前世同じように魔法が使える一族の娘で、
旦那さんやその家族と幸せに生きていた記憶である。
そしてその時、旦那の妹にこういわれたのである。
「ごめんなさい。あなたまで巻き込む形になってしまって。
あなたとの思いでが、最後の記憶の鍵にしてしまうことを許して。
あなたを傷つけた記憶で作った記憶の扉、それが彼があゆみ始める最初の一歩。
そして、それは同じようにあなたを苦しめる呪いになるかもしれない。
でも、覚えていて。私はあなたと兄が大好きよ。
だから、また一緒に暮らしましょう。
永遠と思えるかもしれない。遥かな未来で出会えたら、また一緒に。」
それは、悲しみと苦しみを含んだ言葉だった。
そして、不思議な力が自分の元旦那の気配だとわかった。
何時か自分を迎えに来てくれる。
そう信じてミユキはこの世界に闊歩する異形やモンスターを倒す旅をしていた。
今までなんとなくでやっていたその旅に明確な意思をもって。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「レイ君?」
「ミユキ?」
何時か会う、そんな彼女の物語。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ーside アルファー
その日、白き龍は首をもたげ、懐かしい気配を感じていた。
それは、この場所を託した主の気配。
いつも何かに苦しみながら選択し、いつも謝っていた主。
その気配を感じ、首を動かすが、主の姿は見えない。
そう見えるはずはない。
ここはすべての世界の魂の循環を管理する世界と世界の狭間。
おそらくその流れから懐かしい気配を感じただけであろうと再び、
川の流れに目を向ける。
何時か出会えたなら、よく頑張ったねと頭をなででてもらいたいな~。
そんなことを考えながら、白い巨龍はふと一つの流れに異常を見つけ、
急いでその世界へと飛んでいった。




