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終末から始まる物語  作者: 風間流治
プロローグ
10/238

終末の始まり

紅「とうとう、第一部完だよ~。」

信「次からは出番がないらしい」

紅「がーん。」

その日風間家はいつも通りだった。

いつも通り、祖父母と父親と母親、信幸と紅葉、

流治と紅葉、2歳になった3姉妹が食卓を囲んだいた。


そして、例によって、酒を飲んだ父が、流治に


「男ならしっかりしろよ、小学生になったんだからよ。

手前は何にもできねえんだから、

母親や、兄弟の手伝いや妹たちの面倒を見ろよ。」


そういいながら、バシバシと流治をたたく。

だが、流治の様子が違った。


ーぶつぶつー


うつむいて、何かをつぶやいている。


「手前なんか文句があんのかよ!はっきりいいやがれ!」


父がグーでなぐる。それでも、流治は父のほうを見ない。

すると、紅葉が何を感じたのか、流治を庭へと投げ飛ばした。


「紅葉!何し。」


ーパリンー


庭に流治が投げだされたた瞬間何かが砕ける音がした。


ーブワッー


流治を中心に球状に何かが噴き出す。

それは、真っ黒い霧のようでもあり、ゴムのようでもある、

形容がしがたいものであった。


脈動をしながら大きくなるそれが触れたところは、

まるで何かに削られたように、きれいに球状に消えている。


<まずい。>


<姫さま。おさがりください。>


武器と式神が慌てて、出てくる。

武器は円形に地面に刺さり、

式神はその上に乗ると手を前にだす。


<封印!>


<えっ!>


<力が食われた。>


どうやら、封印のために異界の力を使ったが、

使ったとたんに黒い球体に食われたようだ


<天空。固有結界で空間を切り取り続けるぞ!>


<御意>


「「みんな。」」


信幸と紅葉が慌てて外にでる。


<来てはなりません姫さま。>


<下がってろ信幸。>


「何なんだこれは。」


やっともとに戻った父が庭によろよろと出てくる。

その後ろから、母が出てくる。

信幸はそんな父をにらむと思いっきり、びんたをして


「手前が7年間も息子に暴言を吐いて、殴った結果だろうが。」


「俺は、流治を思って・・・。」


「ふざけんな!どうすればいいのか。しっかりと手本を見せたり、

説明をしたかよ。言いうこと聞かなければ、蔵に閉じ込めたり、殴ったり。

それが、父親のすることかよ。」


信幸はほっぺを抑える父の胸倉を突かんで思いっきりは怒鳴った後、

突き放すように、手を離した。

手を離された後、父は後悔の表情を浮かべ、崩れ落ち、両手両膝を地面につけた。

母は口を両手で抑えて悲しみと驚愕をこらえている。

紅葉は黒の球体をまっすぐに見据えながら、

隣で父をにらみつけている信幸に話かけた。


「信兄どうするの。私の聖具ももうすぐ限界が来ちゃう。

お兄の式神だって、もう・・・」

「わかってる。この腐った性根の父親が7年間も息子を虐げた結果がこれだ。

今まで見聞きしたことをフルに巡らせて考えているが、

あんなすべてを消し去るものに対して、有効的な手段なんて・・・」


ーパキンー

ーパリンー


「「あっ。」」

「「あっ。」」


武具が少女に語りかける。


<すみません。姫さま私たちではここまでのようです。>


「そんなこと言わないで、今、力を注いで、回復をするから待ってて。」


<そんことをすれば、姫の御身に触ります。おやめください>


「でも。」


<私たちは分魂で作られた、所詮偽物の存在>


<姫さまが生き残り、適した新たな器を探していただければ、

また共に戦えます。>


<それにだ、このすべてを消し去る球体の発生元である、

弟君を救いたいと思うなら、起死回生の一手のためにも

力は温存すべきだと思うがね。>


<そうですよ。>


信幸は剣の武具に立つ一人の男性に話かける。


「朱雀。何か方法はないのか?」


<だめだな。恐らくだが、神殺しの炎も消されちまう。

この結界でさえ、空間と空間を切断して、やっと構築と維持ができている。>


「ちっ。打つ手なしか。しかし、何かあるはず。

そもそも、お前たちを作り、俺たち兄妹に渡した人物は

これで解決できると考えていたはずだ。

そうだ、お前ら、何かを聞いていないのか」


<<修行をして、来るべき時は時間稼ぎをするようにと>>


「「はぁ!?時間稼ぎ?」」


<それだけだったよね?>


<ええ。>


<そうだな。>


<顔は見ていませんが、そのように聞いています。>


「どういうことだ・・・。」


「信兄、このままじゃ時間稼ぎもできないよ。」


「わかってる。あの女性は確か、4年後といった。

なら、このことを知っていたはずだ。

とりあえず、紅葉は力を温存しておけ、何かあったら、聖具たちを回収して、

家族を連れて、この場からできるだけ離れろ。」


「信兄は?」


「俺は、式神の結界の補助をする。」


「わかった。」


ー1時間後ー


信幸は油汗をかきながら、耐えた。


聖具は最初にひびが入ったものの、

信幸が補助に入ってからはさほど大きなひびが入ることはなかった。


式神たちも油汗をかきながらも信幸とともに耐えた。


「もう、無理だ。」


<主は耐えたほうです。普通なら、1時間どころか、1分で倒れています。>


「ははは。そうか。」


「ふふふ。よく耐えましたね。」


ふいに女の子の声が聞こえる。


「「六花?」」


そこにいたのは、夕食後すぐに自分の部屋に戻って、寝たはずの六花だった。


「ふふふ。やっと、力がたまったは。異界の力をためるのに時間がかかちゃった。

あとは、任せてもらえるかな。」


(声を聞いたのは初めてだが、この声は4年前の女性の声に似ている。

しかし、姿が違う?)


「六花。4年前に俺たちに指輪を俺たち売ったのはお前か?」


「指輪?なんのこと?ああ、そういうことか。違うよ。それは、今の私じゃない。

今は答えられないけど。これが終わったら答えてあげる。」


「どうするつもりだ?」


「私が、流の中に入って、一つになることで、力が相殺されるみたいなの。」


「みたい?わからないのにやるのか?」


「ああ。そこは問題ないよ。情報元は間違いないから。ただ、私がもとに戻れるのは、

なぜか、1~4年後みたいなのよね~。もとに戻れるのは間違いないんだけど。」


「やれるのか?」


「無問題。任せんしゃい。」


「なんだそれ。」


「あれ?うけない?まあ、いいかそれじゃ。行きます。結界を解除して離れてね。」


「「みんな。」」


<御意>


<わかりました。>


式神と、武器は指輪へ戻る。


「それじゃ。また、会おうね。」


そう言って、六花は黒い球体に突っ込む。


しばらくして、黒い球体を包みこむように白い球体が現れる。

その瞬間、すっと球体は消えてなくなった。


「あっ。」


流治が落ちてくるが、紅葉も信幸もとっさに動けなかった。

母は、前のめりに転びそうになりながらも、流治のもとに追いつき、

受け止める。


「ごめんね。ごめんね。気づけなくってごめんね。」


流治の頭をなでながら、母は泣きながら、謝りつづけた。

父も、ふらふらと近づくと、


「ごめんな。ごめんな。ちゃんと育てられなくてごめんな。」


信幸と紅葉はそれを見て、やっと終わったと感じ、

へにゃりと、膝を折って座り込んだ。


「終わったな。」


「終わったね。」


信幸と紅葉はお互いの顔を見て、笑顔になった。


「ふむ。どうにかなった。」


「そうですね。」


2階の窓から一部始終を見ていた、祖父母はほっと安心して、寝床に向かった。


薄紅色の満月が広い日本庭園を静かに照らしていた。


信「作者曰く、ここまでがプロローグらしい。」

紅「長くない?!」

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