俺の変わった友人達を紹介します!!
半年以上ぶりの投稿です。
読んで下さる方が少しでも楽しんでいただけたらと思っています。
プロローグ
俺は今、諸事情により空を飛んでいる。正確には、どこぞの奴にぶっ飛ばされたのだが…
とにかく、おかげ様で遅刻は回避できそうだ。
着地のことから目を背ければ、最も効率のいい移動手段だな。全く………
ところで。そろそろ校舎が近づい……………
ヒューーーん…………ガッシャーン!
「おうおう、朝からド派手な登場だな。葵」
「おっおはよう! 葵くん!」
「ちょっとぉぉぉぉ〜! 針真くん! また窓ガラスわってくれやがったな!」
友人達から文字通り、三者三様の挨拶が送られてくる。
パッと見、なんと素晴らしい友人達だろう…となるシチュだが。
よく考えてみろ。友人が三階の窓から飛び込んで来たのに、コイツら「大丈夫?」の一言もないんだぞ! ひどくないか!
まぁ実際、これまた諸事情により俺の体は無傷なんだけど…
「おいおい、お前ら。まさかと思うが……こんな状態の友人を労わってくれないのか!?」
なんともない体を俺はゆっくり持ち上げながら、友人達に愚痴をこぼす。
「実際、どうもないんだろ〜」
通常とは逆の方向でと言って伝わるかはわからないが、背もたれに肘をついた状態でイスに腰掛ける友人Aが、惜しげも無く正論をかましてきやがった。
「勝よ…そういう問題じゃないだろ…」
「ごっごめん! 私、びっくりしちゃって……あっあのぉ…大丈夫?」
続けざまにちょっと小柄な少女、友人Bが声をかけてくれた。こいつは嘘をつくようなやつじゃないし、本心で言っているのだろう。いつもいつも優しいやつだ。
「おっおう! 俺は大丈夫だ。あっありがとな、室岬」
俺が少しキョドっている件については目をつむってほしい………
「もぉ萌々菜は甘すぎる! ここは源勝の言う通り、なんもなってないんだから、心配いらないのっ」
友人Bと比べると、少し大人な雰囲気がある友人Cが友人Aに同調した。全く、AとCにはBを見習って欲しいものだ!
「おいおい道奥。ここは俺を心配しといた方が、女性としての株が上がるぞ〜」
「おいおい針真くん。君が私を恋愛対象として見ていたなんて、初耳だぞ」
「誰もそんなこと、言ってねええええぇぇぇぇーーーーー」
とんだ勘違い野郎だな全く………
「もしやもしや〜萌々菜ちゃんはそれを狙っていたのかなぁ〜?」
友人Cが友人Bに憎たらしい笑みを浮かべながら、話題を振った。
「えっ? えええ? ミチルちゃん!? わわ私はそんなつもりで言ったんじゃないよ~?」
明らかに動揺している友人Bに友人Cが追い打ちをかける。
「あれれ〜何で疑問形? 動揺してる? もしかして〜図星〜?」
「だっだから、違うってばーーーーー!!」
ガールズトークについていけなくなったので、ここらで少しコイツらの紹介をしておこう。
友人AだのBだのって言っていたら、二十六人しか賄えないしな。
まずは友人Aこと源勝。
「源勝」って言うのは愛称みたいなもんだ。
古くからの友人で、諸事情により指先から圧縮空気の弾丸を放てる。
身長は俺よりも高く、筋肉質な体つきをしている。
次に友人Bこと室岬萌々菜。
中学3ぐらいから仲良くなって、今年の春からも同じ高校に通っている。
こいつは素直で優しいし、かわいいし……―以下略―
ちなみに室岬を諸事情は抱えていない。
最後に友人Cこと道奥ミチル。
いつも勝と一緒にいて、付き合ってるんじゃないかと疑っているのだが、本人達は否定している。
こいつは諸事情により、無生物を1分前の状態に戻せる。
さっき俺がぶち破った窓ガラスも、もうすっかり元通りになっている。
後1人、紹介すべきやつがいるんだが…まだ学校に来ていないようだし。
そもそも、あまり紹介もしたくないのだが…俺をぶっ飛ばしてくれやがったのそいつだし。
「おっそろそろ朝礼の時間だな。なんか今日、転校生が来るらしいぞ」
「あぁ。聞いたよ。しかも美人って噂だぜ!!」
「らしいな。だからこそ、絶対に遅刻は避けたかったからな」
ガールズトークを左耳で盗み聞きしながら、俺は勝と女子転校生の話題に移った。
「楽しみだな!!!」
「そうだな」
なんか勝の盛り上がりようがすごいな…そんなに楽しみなのか?
「ちょっとちょっと〜針真くん。転校生なんかにうつつ抜かしてると、お姫様に殺されちゃうよ〜」
「あのな…毎度毎度言ってるが、俺とあいつはそんな関係じゃないっての。そもそも、舞い上がってるのは勝の方な」
「またまた〜照れちゃって〜その態度も、一周まわって愛の形なんだねぇ」
相変わらず、とんだ勘違い野郎だ……………
「そういえば、麻茨のやつまだ来てないな」
「愛在っていつもギリギリにくるじゃん。今日もきっとくるよ!ねぇ針真く〜ん」
「多分だけど、愛在ちゃんって学校休んだことないんじゃないかな?」
話題がどうやら、俺の天敵こと麻茨愛在に移ったらしい。
にしてもあいつ、俺と同様に全く心配されないな……………
まぁこれはこれで信頼の証なのかもな……
「おっおい! なんだあれは!」
なんか1人で感慨深くなっていると、クラスメイトの1人が大声で叫び、空を指さしていた。
クラスメイトの視線をなぞり、空に目をやると、なんか人影ぽいものがこちらに向かってきているように見えた。
「なんか見覚えあるシルエットだな………」
「たった、助けてええええええぇぇぇぇーーーー」
謎の飛行物体から聞きなれた声が………ってまさか!!
読んで下さった方、お久しぶりです。
とは言っても、誰だよお前って方がほとんどですよね……
簡単に説明しますと、半年以上前に、別の作品を十話程投稿させていただいていました。
半年以上どうして投稿しなかったのかと聞かれると、諸事情により投稿できなかったと答えるしかありません……
この時期に終わる諸事情ってだいたい想像つきますけどね…はい
新作ですが、また少しでも多くの方に読んでいただけたら幸いです。
ご意見ご感想お待ちしております。