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第八回 確認する *障害者職業センターの人の話

 今回も結構緊張しました。しかし、聞きたかったことは(おおむ)ね聞けたので、かなり充実した時間だったと思います。今現在引きこもっていたり、無職だったりする方にも有用な情報が少しはあるはず……。いつも通り順を追って書いていきます。今回も途中から一人来て全員揃いました。


 一分間スピーチ。前回と同じように、原稿を適当に書いて、頭の中で言うことを繰り返す感じで覚えました。今県で実施している芸術祭というものがあって、母と弟とそれに参加してきました。障害者手帳で見学が無料になるところが多いので連れていってもらった感じです。そう言ったらなぜか歓声(笑)。こういう機会以外に手帳を使ったことがありません(正しい使い方なのだろうか?)。海の近くなので海鮮料理を食べよう! と話し合っていたのに、道を通り過ぎてしまって結局食べられなかったことを話したら笑いが起きました。一分ならここらへんまで言えるかな、と思っていた予想は当たりました。

 他の方は植木屋が来た話、娘のバスケ再びな話……とあとは曖昧です。


 今回のレクリエーションは「言葉の演出」だそうです。人物名の前に形容詞をつけて言っていこう! ということです。女性スタッフが前回のSSTグループでやったことと混同して「前はこれをやったんだっけ?」と迷っている瞬間があったのですが、ということは毎回やっていることが違うってことですよね。

 最初は安倍総理。「マリオになった安倍総理」「頑張ってる安倍総理」「座禅した安倍総理(そうなのか……)」と順番に言っていきます。二周しました。私は「忙しそうな安倍総理」「責任の重そうな安倍総理」と言いました。すみません、あんまりニュース見ません……。

 それから、今度は参加者の名前でこれをやります。気恥ずかしいですね~……。「優しそうな王李さん」「本が好きな王李さん」と色々ありましたが、参加者の男性の「日曜日によく出かけている王李さん」に「ああ、よく聞いてくれてるんだな~」と結構嬉しくなりました。自分では「声の小さい王李さん」と言いました。スタッフは軽く否定してくれましたが……。


 できていることリスト。惰性で書きます……。起床時間。七時台一回、九時台一回、十時台二回、十一時台一回、十二時台一回、一時台一回。一時台が出てしまった時は「あーあ、ついに……」とガックリしてしまいました。出かける時は起きられるんですけどね……。


 本題に入ります。「確認する時に困ったことはないか?」ということですが、「何でそんなこと聞くの? と思われるのが嫌で苦手」的なことをぎこちなーく言いました。大半のスタッフはあんまり理解していなかった雰囲気でしたが(私の説明が下手すぎるから仕方ない……)、とある女性スタッフが「王李さんの言うことは凄くよく分かる。何回も聞くのもうざったいかな、と思ってしまうので私も凄く苦手」とフォローしてくれたので、大変に嬉しかったです。通じた喜びと心遣いにホッと温かい気持ちになりました。


 また、自閉症スペクトラムの人は曖昧な表現が苦手なことが多い、と女性スタッフが言っていました。本にも書いてあったけど、やっぱりそうなんですね。本と現実は繋がっていた。(当たり前のことをしみじみ。)曖昧な表現とは例えば「ちょっと待ってて」の「ちょっと」はどれくらいなのか。

 ですが、あいにく……私の実体験はありません。ああでも……、家族に家事を任された時、自分で考えてなんとなくやってみる、というのができない……というかほとんどしないで、すぐ質問してしまいます。「お米は明日何合炊くの?」とか、「調味料はどこなの?」とか考えもせず聞いちゃう感じですね。曖昧にしたまま自分の考えで事を行えないって感じでしょうか。

 これは家族に対しての話で、他人に対して質問・確認するのはかなり苦手です。「ちょっと待ってて」と職場の人に言われたとしたら、確認せずにずーっと待つのが私のスタイルです……頑固というかフットワークが重いというか。実際、例のクビになったバイト(ショッピングモール内のフードコートのとある店)でも、次週のバイトのシフトの連絡はあちらから来るとばかり思っていて、ずーっと待っていたら、ある日突然「今日、王李さんバイトなんだけど?」と店長から切れたような電話が来て、急いで行ったら「子供じゃないんだから自分で電話しろ」と怒られた経験があります。何その暗黙の了解……。てか、店側が本当に困るなら、先に教えてくれてもいいはずですよね。だからあれは教育でもあったのか? ……思うに、結構色々杜撰(ずさん)な店だったので(飲食店なのにゴキブリいっぱいいたし、それを足で踏みつけたりバーナーで焼いたりと……閉口しました)、教育というよりは「知ってて当たり前」って雰囲気でしたね。何はともあれ、口で言って欲しいんですけどね。

 

 曖昧な表現に困った時は「思い込みは駄目。細かく確認するのが第一歩」だそうです。分かってはいるのですが、相手に「何でそんなこと聞くの?」と思われたくないプライドが邪魔をするんですよね……。知ったかぶり、ですかね~。そういう性質は発達障害と発覚したあとあんまりなくなったと思うんですが、まだありますね、多分。


 今回のロールプレイ。日曜日に友達と映画を見る約束をする場面。まずはスタッフの例を見ます。「待ち合わせは駅の前ね!」→これでは確実に会えません! どういうことを確認すればいいですか? ということです。皆で出した改善案は「時間・場所を明確にして、手短に質問する」というものです。これを実践します。男性参加者のロールプレイを見て、質問は一つ一つした方が答えやすく、また質問を重ねることによって聞きたいことが聞けるということが分かったので、それも取り入れてみました。

 しかし! 友人設定の女性スタッフにタメ口を利くのに心理的な抵抗があって、「そうです……だね」「わかった、よ……」と何だその言葉遣い……となってしまって恥ずかしかったです。笑いに包まれる周囲……。


 面白かったのは、最後の方の「暗黙の了解・社交辞令」についての話。

「つまらないものですが」「いつか伺わせて下さい」「近くに来たら寄って下さい(結婚・転居の際)」という言葉は謙遜(けんそん)であったり、決まった型のようなもの。

「つまらないものですが」は無言で渡すよりいいから、セリフとして言う。ただ、今は変わってきた部分もあるので、一応覚えてはおこう。

 そうですよね。私の短い大学時代にも謙遜が美徳という雰囲気はあまりなかったです。家族や地元のことをおおっぴらに自慢したり。私はそういうのは格好悪いと思うのでやりませんが……。森博嗣も「家族・郷里・自国のことをなるべく誇らしげに言わない方が格好いい」と「作家の収支」という本の冒頭部分で述べていますが、かなり共感を覚えました。森博嗣、読むのは初めてだったんですが……はい、もっと読みます。

 話は戻りますが、今までの参加者の中にも、「社交辞令ったって、そんな嘘つけない!」と強い抵抗を示す方がいたそうです。それはよく分かります。私も言いたくありません。多分言わないです。

  

 学校で暗黙の了解に出会ったことはあるか? という質問に皆で答えていきました。運動部では靴下の色やマークが学年が上がるごとに自由になっていく、とか、スポーツウェアの前面のファスナーは学年が上がるごとに開けていい範囲が広がるし襟立てもできるようになる、とか。運動部には縁がなかったんですが、そんなルールがあるのか……。

 私は「高校の体育祭で仲の良くない(カースト上位の怖い感じの)女の子が『頑張ってー』と直接言いにきたので、それを真に受けて、よし頑張ろう、と思っていたら友人に『社交辞令でしょ、あんなの』と言われ『そうだったのかー……』と少し傷ついた話」をしました。その場合は普通に真に受けていいと女性スタッフが言ってくれましたが、でも今は友人の言葉が正しいと思いますね~あの声の出し方は嘘っぽかった。

 言えば良かったのは、大学の学際で、看板を持って手芸品の宣伝をしていたんですが、これまたカースト上位の怖いクラスメートの女性(後々(のちのち)本当に(ずる)いし嫌な奴だと分かる事件があって、憎んでいます。大学やめても名前はしっかり覚えておいて、いつか復讐に使えないかしら……と結構頻繁に思っています)が前方からやって来たので、気まずいけどとりあえず話すことになって、「色々作って売ってるよ~」と言ったら「あとでいくわ~(高知県出身、関西弁だと思っていたけれど違うようですね。申し訳ないですが、この女性の存在もあって方言全般が苦手です。あっでも実話怪談の方言は味があってとても好きです。文章で読むのは好き)」と言われたので内心待っていたら、来なかった……という。

 やっぱり社交辞令なのね、と思いつつ、こういう口の軽い人間は私なら信用しませんし、近づきたくありません。この印象は当たっていて、後々退学に追い込まれることになるんですが……これは割愛です。


 仕事の暗黙の了解に出会ったことはあるか? という質問にも答えていきました。

 私は「昔フードコートでバイトした時、時間が過ぎたのに、誰も終わりにしていいと言ってくれなくて、仕事が全部終わらないと終わりにならないと知った」という話をしました。私の前に男性スタッフが同じことを言っていて、それで思い出しました。どこもそうなんですね~。先に説明してくれればいいのに。

 

 休み時間には、幸運にも発達障害専門の女性の隣に座ることができていたので、職業センターやバイトについて少し質問してみました。

「バイトをする時は発達障害と言った方がいいんですか?(←かなり質問したかったこと)」

「それはだんだんと(←? うろ覚え)言った方がいい場合もありますし、言わない方がいい場合もありますね」

「あー……難しいんですね……(やっぱり、正解はないのか~)」

「SSTのプログラムを終えたら皆障害者職業センターに行く流れですか?」という質問には男性スタッフが応じてくれました。

「前のSSTの参加者は三人中二人は行った。一人は通いきれなかった」とのことです。ただ、私の精神科の主治医は「障害者職業センターに行く流れになるでしょう」と確定している感じでしたが。

 さぁ、一番聞きたかったこと「仕事ができない発達障害者はどうすればいいのか?」という質問を、チャンスを得たので発達障害専門の女性に尋ねてみました。(職業センターの人にも尋ねました。後述します。)

 ところが、このニュアンスがなかなか通じず、「仕事ができない人は職業センターに行っていいのか?」という捉え方をされてしまい……「大丈夫ですよ。あとで職業センターの人にも聞いてみましょう」ということになってしまいました。伝え方が下手で申し訳ない……。


 最後の感想は「色んな暗黙の了解の話が聞けて面白かった」と言いました。これは本心です! 一番上っ面じゃない意見が聞けて楽しかった回かもしれません。


 宿題はプリント形式。上司に「お客様にお茶をお出ししてくれる?」と頼まれた時に確認することを書き出し、質問を作る、です。プリントなので久々に気楽な宿題です。

 さて、とうとう職業センターの人の話になります。


*障害者職業センターの人の話


 パンフレットが配られ、二人のかっちりしたスーツのおじさんたちが説明しにきました。

 話は実に事務的でただ説明に来ましたという感じ。障害者職業センターは、交通費、工賃、昼食代の支給はありません。しかし、利用するのは無料です。障害者手帳の有無に関係なく利用できるそうです。ここまではパンフレットに書いてあることです。

 活発な参加者からいくつかの質問が飛び出します。「職業の斡旋(あっせん)は行っているんですか?」→「職業の紹介は行っておりません。それはハローワークなどです」「フリーターやニートはいますか?」→「数年(←? うろ覚え)引きこもっていて、来た方はおられます」……鋭い質問を代わりにしてくれて内心有難く思いつつ……。

 私も「職業センターのプログラムが終わったらどうするんですか? 作業所とか……(とは何が違うんですか? と言おうとしたが語尾が濁ってしまった)」→「求人を探して活動する方が多いです」

 発達障害専門の女性が「仕事ができない人も行っていいんですか?」と質問してくれました。「それはもちろん大丈夫です」とのことです。これは想定内。その質問に続ける形で核心に近づきます。

「そもそも仕事ができない人ができる仕事はあるんですか?」→「そういう人ができる軽作業にも色々な種類があります。途中で色々指示が入るものもありますし、一人で黙ってできるものもあります。そういうのは求人を見ただけでは分からないことです。サポートして一緒に探すことができます(←ここはうろ覚え)」……スラスラと淀みなく答える職業センターの人。よく出る質問なのかもしれません。結構納得できる答えでした。

 職業センターの人が一緒にハローワークに行ったり、一緒に面接した例もあるそうです。それは驚きですね。

 人数は大体十人前後来るそうです。「今日は七人でしたね」と言っていました。

 また、レクリエーションのコマにはボードゲームをしたりするそうです。人生ゲームとか。それは少し楽しそう。

「見学は母と行っていいんですか?」という質問には「ご家族と来る方は大勢いらっしゃいます」とのこと。それなら安心ですね。


 SSTが終わった後、自動的に障害者職業センターに行く流れになる訳ではなく、個人個人で職業センターへ連絡を入れるそうです。職業センターの人が部屋から出たあと、「どのタイミングで連絡を入れればいいんですか?」とスタッフに聞いてみたところ、「そうですね~。それこそ確認ですよ。確認してみましょう!」と連れていかれて、廊下にいた職業センターの人に聞く羽目になりました(笑)。(見学・相談等は?)予約から約三週間くらいかかるので、SSTも残り二週のちょうど今頃、連絡するのがベストということです。三週間を三ヶ月と聞き間違え、「え……? さ、三ヶ月?」とビックリしてしまったのですが、聞き直すことで理解しました。スタッフのフォローもあって、何とか聞きたいことを聞くことができました。質問を重ねることは本当に重要でした! でもこの流れだと、(今週中に)自分で電話しなくちゃ格好悪いですよね~……な、なんて言えばいいんだろう……凄く緊張しますが、頑張るしかないでしょう。

 

 






 

 

 


 


 


 

 


 

 

 


 

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