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ハイカラ少女ノ恋物語  作者: 黒川凛恵
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王欄邸にて

「そう言えば君、仕事の方は順調なの?」

「順調。夏樹は学校は楽しい?」

「ぼちぼちかな。そういえば昨日…」

他愛もない雑談をしながら、二人は一軒の屋敷へと辿りついた。

細やかな装飾が施された門に程よく手入れされた芝生。

その中央に佇むのは清潔感溢れる白を基調とした建物だ。

さほど面積は広くないが、当初としてはかなり裕福な家庭である事が伺える。

「「ただいま帰りました。」」

二人は声を揃えて言った。

するとリビングの方から朗らかな声。

「おや、星羅に夏樹。帰ってきたのかい。」

二人がそちらに顔を向けると上機嫌な屋敷の主、春森王欄が顔を出した。

赤みがかかった髪をかき上げながら主は二人に近づいてくる。

髪型はゆるくウェーブがかかっておりかなり特徴的だ。

黄色の瞳は常に知性的な光を宿している。

小豆色の着物に桜の花びらが散りばめれた羽織りを着ている姿はさながら白馬の王子様だ。

「丁度お昼にしようと思っていたのだよ。おーい!ヨシコさーん!」

王欄は羽織りを翻しながら、雇っているお手伝いの名を呼んだ。

「はい、ただいま〜。」

柔らかいな声と共に現れたのはお手伝いのヨシコさんだ。

年齢は40代くらいだろうか、少し白髪が混じった黒髪を上品に束ねている。

白いエプロンが良く似合っており二人を見ると優しげな笑顔を浮かべた。

「まぁ、お帰りなさい。今日の昼餉はあっさりとした野菜中心のお食事ですよ。」

「…私、野菜苦手。」

唯一屋敷で野菜が苦手な彼女はふいっとそっぽを向く。

「ははっ。星羅、好き嫌いは良くないぞ?」

「偏食的な食生活を続けると太るかもね。俺の知ったこっちゃないけど。」

笑顔で有無を言わせない物言いをする王欄と淡々と辛辣な言葉を放つ夏樹。

「ひどいわ、二人とも…。」

星羅は諦めた様に溜め息をついた。

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