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P.02恐怖!!キムチまみれた…

ザー…ザ――――――――…


   止めてよ!!止めてよ!!

   


   確率は…わずか10%か…

   

   いや…っっ…いやだぁああああ


   あああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!

   やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてよぉぉぉぉぉぉ!!!!


   見てごらん…

   完成だ―…


ザー…ザーーーーーー――…


目目目目目目目目目目目目


「ぅう……」


低いうなり声をあげて小さな体をメリーはベッドから起き上げる。

顔は真っ青で、額からは大量の汗が流れていた。

(また…あの夢か…)

メリーは週に必ず一度夢を見たが…どれも同じ内容の夢で…夢が重なるごとにだんだんと鮮明になっている―…

夢の詳細もよく分からないためメリーには不安がつのっていくばかりであった。

「朝かぁ…」と一言呟くとベッドから逃げるように、いそいで顔を洗いにメリーは行った。


「おはよーメリー」


メリーよりも先に起床していたロリーが冷蔵庫前で牛乳を片手にして手を振った。


「GooD Morning!!Rorry」

「欧米かッ!!」


メリーのボケをすかさずにロリーはつっこむ。

だが、牛乳を持ちながらのつっこみはあまりにも過酷なものであった。

なんと…ロリーが牛乳を持った手でボケに素早くつっこんだせいで牛乳がメリーの顔面にジャストヒットしてしまったのだ!!


「タカ&ト○かッ!!」


それに激怒したメリーは冷蔵庫から素早く卵2つを取ってロリーの顔面に投げた。


――グシャグシャ


これぞ…「奥義」つっこみ返し!!

もちろんロリーの顔は卵まみれになってしまった…「プツン―」…ロリーの心中が何か切れる音が聞こえた。


「…卵って酷くないぃぃぃ!?卵って…ちょっとぉおお!!メリーこのやろう!!」

「フハハハハ!!ロリーの牛乳の方が酷いぞ!!あ……やばい…今呼吸したら、何か…何か鼻に牛乳が…モゴモゴ」

「―!隙ありぃいいいい」


すぐさまメリーの隙を見つけたロリーは過敏な動きで冷蔵庫の中に手をつっこみ…


「激辛特製キムチ」


を手にした。

ロリーがそれを手にした時点で…すでに決着はついたのも同然だ…。

想像してください。

ロリーの顔は牛乳まみれです(しかも牛乳が鼻に入ってきました)…が!!…そこでキムチがトッピングゥウウウされる…それはまさに「地獄のコラボレーション」と言えるでしょう。


「死ね!!メリーーー!!」


ロリーは大きな体を最大限に使いながらキムチをメリーの顔めがけて投げてきた。

既にこの時点で決着はついていた…そのはずだったが…キムチを前にしても尚メリーは余裕の表情であった。

メリーの表情は順番に大きな三日月の口へと変わっていった。


「フ…まだまだだな…ロリー…」


そう一言ロリーに聞こえるように大きくメリーは呟くと、タンスの上に置いてあった…


黄金に輝く玉


を手にした。


「な…おいぃぃぃぃ!!バカ!!やめろ…ッ!!それ…昨日私達が苦労してとってきた…依頼品じゃんんん!!!」


ロリーが言った通り、メリーが手にした黄金の玉は昨夜、二人が苦労して「博物館」からとってきた「三億」はするだろうと思われる金の玉であった。

そして今まさにその金の玉をメリーは手にして…

自分に直撃するだろうと思われるキムチを「黄金の玉」で見事なほどにガードした。

金で輝く玉は…


キムチで輝く玉と変貌した。


「うわあああ!!最悪だぁああ!!どうしてくれんのコレ!!依頼品なのに!!しかも…」


小さな部屋の中、人一倍大きな声でロリーは金の玉…いや「キムチで輝く玉」を前にしてどうしていいかわからずあっちへこっちへウロチョロしていた。

メリーいわく、これを

「キムチクラッシャーボンバーデラックス」

と命名しよう。らしい。


「まぁ…どんまい…」


メリーは同情のまなざしで、軽く触れる程度にロリーの肩へ手を置いた。


「お前のせいだ!!!」


ロリーの目は血走っており、卵まみれの鬼の形相でメリーをきつく睨んだ。

その瞬間、「うわ…卵の化物」と思わずメリーの本音がこぼれた。それが聞こえたロリーはより強くメリーを睨んで、深くため息をはいた。


――ピンポーーン


小さな部屋に嫌に響くインターホン。

姉妹ロリーとメリーは目をあわして、そして二人同時に冷汗を流した。


「入りますよ」


低い男性特有の声、一言告げると小さな部屋に足を踏み入れた。

男性の髪は漆黒で長く後ろで一つに縛ってあった。

顔も整っていて女性にうけそうな顔立ちである。


「どうも。メリーさん、ロリーさん」


男性は二人にむけて笑顔した。


「どうも…キムさん…」


ロリーとメリーは引きつった笑顔で男性「キム」に笑いかけた。


「依頼の件できたのですが?」


穏やかな表情でキムは二人に話しかけた。単純なメリーにそのキムの「穏やかな表情」がより複雑な罪悪感を与えていた。

キムは今回の「金の玉」の依頼主である。

そして同時に「every屋」別名「なんでも屋」の常連であった。

キムがここに通い始めてからかれこれ一年である。

メリーは決心を決めたのか、大きく息を口から吸い込むと真っ直ぐな視線で話し始めた。


「えとね…キムさん落ち着いて聞いてね…とりあいず『私のタイムスリップ』はどこだ?」

「メリーさん、あなたが落ち着いてください」


キムは相変わらずの穏やかな表情でメリーにつっこむ。

ロリーはやれやれと首を振ると、メリーに変わって状況について説明をした。


「キムさん、たしかに「黄金の玉」の件の依頼は完了しましたが…」

「?」

「ちょっとした手違いで「黄金の玉」が…「キムチの玉」になってしまいました」


ロリーはメリーの右手に掴んでいる「キムチの玉」を横目にキムに苦笑いをした。

とてもパッ見は「3億もする黄金の玉」なんかに見えない。


「違うわい!!金玉がキムチを食べたいって言っていたんじゃい!!」

「………黙れ(ボソ)」


ロリーは手に握りこぶしをつくって、最大限にメリーを睨みつける。


「うわーーん!!キムさん!!ロリーが怖いよ!!」

「はは。大丈夫ですか?」


キムは穏やかな表情の中、慣れた手つきでメリーの頭をなでる。

が、横目で見ていたロリーは何故かそれが気に食わなかった。

むしろ…ロリーはキム自身が気に食わないものがあったのだ。


「まぁ…いいですよ。どうせそんなことだろうと思っていましたし」

「うわッ…それさり気に酷い」

「ははは」


メリーは頬を膨らまして大げさに怒ってみたりする。


「その…金って何に使うの?」


ロリーは不思議に思ったことを直球にキムに尋ねる。

だが相変わらずキムは笑ったままで、それがロリーをより不快にさせていた。


「ちょっとした部品に使うんですよ」

「へぇ〜…そうなんだ」


「部品ねぇ…」そう呟きながら、冷蔵庫に手を伸ばし再び牛乳を手にして眉間にシワをよせながら考え事をした。

(キムさんはどうも…引っかかるんだよね)


「んじゃ…僕はこの辺で」

「あ!!バイバ〜イ!!キムさん!!ほら、ロリーも!!」

「あ…また…ね…」

「ロリーさんまたいつかお話しましょうね」


――バタン


「はぁ〜〜〜〜ッッかっこゆす!!かっこいい!!キムさん優しくてかっこいいなぁ!!!」


先程までキムが立っていたところを焦点なくメリーは見て、ため息をした。

ロリーはもう何度も聞き飽きた言葉である。


「そうかな?」

「へぃ?」

「どうも引っかかるんだよね…キムさん…」


ロリーは一気に牛乳を飲み干してゴミ箱に投げつけた。

よく意味が理解していないメリーは頭にクエッションマークをたくさんだして首をかしげた。

カツンと音を立てて牛乳パックは箱にはいった。


「どうして?」


メリーは不思議に思い答えを尋ねるが、ロリーは深くは言わなかった。


目口目口目口目口目口目口

ここまでお読み頂きありがとうございます!!+゜

次回はいよ02依頼をうけます!!

姉妹二人はどうやって解決するのでしょうか?

そしてメリーが見た夢とは…一体どんな意味が!?!?(・∀・)


次回予告


P03鳥にはかならずピーコと名前つける!!

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