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プロローグ
恋は空のように、どこまで広がっているのか分からない。もしかしたら恋は空以上に広大かもしれない。しかしそれは誰にも分からない、誰も知らない、知ることの出来ない永遠の秘密なのかもしれない。
空はどこまで続いているんだろう。
昔、そんなことを考えていたのを覚えている。でも、私の彼への気持ちの方が広いのかもしれない。
あれは高校に入学した時のことだった。多分……一目惚れだった。
真っ直ぐ前を見つめる瞳は綺麗な茶色だった。
もう恋なんてしないと決めたはずなのに……何でだろう。こんなにも苦しい…。
彼を見る度ドキドキして、胸が苦しくなって……。最初は気が付かなかった。恋、だって……。