『もう算出むりかも……健康管理月報 騒動編』
沖田総司のくしゃみ 上品です。
春の屯所に、またひとつ奇妙な帳面が生まれた――
その名も「健康管理月報」。
表紙には、近藤勇の勢い任せの筆で大きく四文字。
健康こそ誠。
「みんな、“健康こそ誠”の理念のもと、
日々の健康管理、よく頑張ってくれている!
そこで! 今月の健康管理月報の優勝者には――
じゃじゃーん! “誠の湯桶”を贈呈する!!」
近藤が高らかに掲げたのは、美しい檜の湯桶。
健康を数値化し、順位をつけ、優秀者には寸志まで出るらしい。
隊士たちは一気に色めき立った。
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■ 湯桶フィーバー
沖田
「僕、絶対に誠の湯桶ほしいです。なんか強そう」
永倉
「俺も、“誠の風呂時間5分延長券”よりこっちのほうが断然ほしいな!」
原田
「湯桶を片手に“誠の男”名乗れるじゃん! かっけぇ!」
斎藤
「……(淡々)機能性は不明だが、美しい桶だ」
土方
「お前ら……まさかこれ欲しさでやる気出したのか?」
隊士全員
「はい!」
土方(内心)
(……恐るべし近藤勇のカリスマ。いや、桶のカリスマ?)
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その夜。
土方は帳面の前で筆を握りしめた。
「誠の湯、誠の寝、誠の飯……
……俺はいったい何を書いてるんだ」
まあ、隊士がやる気ならいい。
だが問題は、あの恐ろしい評価項目である。
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■ 近藤の“狂気の評価基準”
•起床時間
•食事・間食の回数
•排泄の回数・状態(絶対、無理!削除決定!)
•顔色の良否
•風呂の入り方(溺れずに出られたら加点)
•くしゃみの響き(勢いが“誠”)
•ご飯の咀嚼回数(30回以上で誠ランク)
「……どう数値化したらいいんだ、こんなもん……」
適当にごまかす。
もう、それしかない。
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■ そして、通りかかった沖田が犠牲に
土方は廊下を歩いていた沖田を捕まえた。
「……おい総司、くしゃみをしてみろ」
「え、なんでいきなり?」
「いいからだ」
沖田は一瞬きょとんとしたが、すぐに気づいて微笑む。
「ああ、あれですね。では……
はっ……くしょいっ!」
土方
「……よし、+1点だな」
沖田
「採点された!?
いや、副長、僕のくしゃみは上品すぎて“誠み”が難しいんですよ」
「うるせぇ。誠が足りねぇ」
「じゃあ僕、“誠くしゃみ”の鍛錬しますね〜。
みんなで“くしゃみ鍛える方法”議論しますよ」
そう言って、沖田は軽やかに笑いながら去っていった。
土方は天を仰ぐ
(…無理だー!もう算出不能だ)
土方歳三は 命じられたことはやる男
ちょっとお疲れだけど
次回も 絶対頑張るでしょう。 きっと…




