第2話 局長の決意、健康こそ誠
新選組の屯所では、些細なことも大騒ぎに発展する。
局長・近藤勇の突発的な「健康こそ誠!」宣言に、隊士たちは戸惑いと笑いが入り混じる日々。
本話では、近藤の熱意に押される副長・土方の苦労と、隊士たちのほのぼのした日常の一端をお楽しみください。
翌朝。
近藤勇が神妙な顔で全隊士を集めた。
「諸君。
われらが誠の剣士・総司が風呂で溺れるという前代未聞の事態が起きた」
屯所がざわつく。
「風呂で?…」 「浅いよなあ‥風呂… 」
「あそこで溺れるかぁ?」
近藤は拳を握りしめ、叫んだ。
「よって本日より、新たな旗を掲げる!」
「健康こそ“誠”!!」
「…ぉっ…ぉぉぉー?!」
次の瞬間、永倉がぽつりと呟いた。 「局長、それ、前にも聞いたような……」
「誠は繰り返すほど深まるのだ!」
これより、新選組では“健康管理月報”を制定する!
毎月、各員の健康状態を記録し、士気と誠度を高めるのだ!」
土方はこめかみに青筋を浮かべながら、静かにため息をつく。
――また俺の仕事が増えんのかよ。
新選組の“健康こそ誠”プロジェクトは、こうして始まった。
つづく
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おまけ:誠の男たち、休憩中
原田「“健康こそ誠”ってのは、まあ分かるんだけどよ。
なんだかなぁ……微妙な空気だよな?」
永倉「だよな〜。総司、ちょっと気の毒だったぞ」
原田「身の置きどころっていうか……“え、俺のせい?”って顔してたよな」
永倉「今回なんて、石鹸ふんづけて“わーっ”て転んだだけだぜ?
あんなん誰でもやるってのに」
原田「誠の剣士も大変だな。
転んだだけで“健康管理月報”に載りそうだし」
永倉「でもさ、総司なら笑って許すんだよなあ。
あいつ、あれでけっこう肝据わってるし」
原田「……まあ、“誠の可哀想担当”って感じだな」
永倉「“担当”つけんなよ!」
原田「いや、なんかもう役職みたいでさ」
二人は顔を見合わせて、声をあげて笑った。
……総司には内緒な
局長の意気込みに押されて始まった「健康こそ誠」の取り組み。
副長は頭を抱えつつも、隊士たちは少しずつ新たな秩序に慣れていく。
次回は、土方の奮闘ぶりや隊士たちの微笑ましいやり取りがさらに明らかに――お楽しみに。




