夕暮れの悲鳴ーー全ては ここから始まったー
ある日の夕暮れ、新選組屯所の風呂場から悲鳴が聞こえた――。
沖田総司、今日もまた湯あたりで大騒ぎ。
しかし、この事件がきっかけで、局長・近藤勇がある決意をすることになる……。
健康こそ誠、ここに始まる新たな日常を描く、ほっこりコメディです。
ある日の夕暮れ。新選組屯所の風呂場から、突如、悲鳴が上がった。
「うわあー」
どたどたと足音が響く。駆けつけた隊士たちが戸を開けると、湯気の中でバタバタともがいている――沖田総司の姿があった。
「お、おい! 総司!? 何やってんだ!」
「あー、すいません。湯船のなかに石鹸沈んでいて、ふんじゃってーころんじゃいましたー!」
「お前、また、風呂で溺れるところだったじゃないかーー」
「へへ、大丈夫。お騒がせしましたー」
明るく笑う総司の声に、その場の全員がほっと息をついた――が、
湯気の向こうで、ひときわ青ざめた顔がひとつ。近藤勇である。
彼は立ち尽くし、震える声で呟いた。
「……総司が、風呂で……」
永倉が苦笑しながら肩をすくめる。
「局長、そんなこともありますって。石鹸は敵より滑りますから」
しかし近藤は聞いていなかった。拳をぎゅっと握りしめ、何かを決意したような目で言う。
「誠の剣士たる者、己の体を疎かにしてはならん。命を削って戦う我らこそ、健康であらねば誠に非ず!」
「……健康管理を、徹底せねばならん!」
その言葉に、周囲の隊士たちがぽかんとする。
「は、はい?」
「健康だ! 健康こそ我らの誠だ!」
こうして、新選組に新たなスローガンが誕生する――
誰も予期せぬ“健康こそ誠”時代の幕開けであった。
つづく
こうして新選組では「健康こそ誠」という新たなスローガンが生まれた。
局中法度のように厳しい訓練の合間に、ちょっとした笑いとほっこりを。
次回もまた、総司と局長、副長たちのほのぼの騒動にご期待ください。




