【番外編・第二話】
キャンプ地は秩父巴川オートキャンプ場。
河原沿いで静か、ソロや少人数向け。
先に到着し、のんびりと設営を終える。
吉村は1時間遅れで、無言でテントを張る。
二人の間には必要最低限の言葉しかない。
そのまま晩飯。
今晩は、昨日仕込んできた秋っぽいメニュー──鮭のホイル焼きと炊き込みご飯。
吉村はカップ麺とスーパーの唐揚げ。
互いに譲らない頑固さが、妙に滑稽。
夜、焚き火を囲む。
無言の時間。
雨がパラつく。
その時、ハプニング発生。
吉村のテントがペグ不足で倒れかける。
悪天候でペグが抜けたようだ。
「おい、手伝えよ」
「自分で何とかしろ」
そう言いながら、結局はランタンを持って駆けつける。
ふたりでずぶ濡れになりながら、笑いがこぼれる。
「バカだな、俺たち」
「今さらだろ」
焚き火の前で缶ビールを開け直す。
タープの下、冷たい雨も焚き火の温もりでなんとなく許せる気がする夜。
■
「昔みたいだな」
「高校ん時のキャンプ、あのときも喧嘩して、雨降ったよな」
「雨降ってってヤツだな」
「……成長してねぇな」
焚き火の火が、ふたりの距離をまた縮めていく。
---
今回、読んでいただきありがとうございます。「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、評価をよろしくお願いします!




