【東北編・第十一話】
早朝、ビジネスホテルのシャワーで目を覚まして出発する。国道をひたすら南下。県境を越え、昼を回った頃には栃木県へと入っていた。目指すは宇都宮――言わずと知れた餃子の街。前回は「幸楽」に寄ったが、今回は別の名店にするつもりだった。
向かったのは「宇都宮みんみん」。観光客向けかと思いきや、地元客にも根強く支持される名店である。開店時間を狙って訪れたが、すでに行列はできていた。やはりこの街に来たからには、これを食わねばならぬ。
カウンターに案内され、焼き・揚げ・水と三種を注文。焼き餃子は皮がカリっと香ばしく、噛めばジューシーな餡がほろり。水餃子はツルンとした喉ごしに優しいスープが沁みる。揚げ餃子はサクッと軽快でビールが恋しくなるが、ここはぐっと我慢。
「……これこれ、これでいいんだよ」
と内心ニヤつく。
宇都宮を後にして、次は佐野市へ。だが、前回は「おぐら屋」に寄っていたため、今回は別の人気店「田村屋本店」に足を向ける。国道沿いの少し奥まった場所にあるが、平日でも混み合う店だ。
店内に漂うスープの匂いに、すでに食欲は全開。定番のラーメンとチャーハンのセットを注文。出てきた丼は澄んだスープに青竹打ちのピロピロ麺が踊る。スープを一口すすれば、あっさりながらもコクのある醤油味が身体に優しい。チャーシューも歯切れよく脂が甘い。チャーハンはやや濃い目でラーメンと好相性。
「これで締めるなら申し分ない。」
満腹になり、どこか穏やかな気分で店を出る。
帰り道、県境付近の道の駅「どまんなかたぬま」に立ち寄った。土産コーナーを冷やかし、家族用に餃子と地元野菜を買い込む。旅の終わりには、こういう現実感が心地いい。
国道50号を走り、群馬県へと戻ってきた。途中、コンビニで缶コーヒーを買い、Z900に凭れて一息つく。
──今回の旅も、終わりが近い。
長いようで終わってみるとあっという間に感じる。
もっと走っていたいという名残惜しさがある。
──でもこれでいい……また次がある。
エンジンをかけ、アクセルをひねる。帰宅後、またどこかに行きたくなる日まで、この余韻を大切にしたい。
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