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ソロキャンライダー放浪記  作者: たけるん
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【第二話】湖畔の設営と、焚き火が照らす夜のページ

江ノ島の潮風を背に、午後3時過ぎに再びZ900に跨った。

向かうのは、箱根外輪山の中に抱かれた芦ノ湖。今夜のキャンプ地、「芦ノ湖キャンプ村 レイクサイドヴィラ」だ。


道は緩やかに山を登る。海から山へ――空気の質が変わるのがはっきりと分かる。

それは同時に、旅のギアがもう一段階、深まる瞬間でもあった。



---


◆ 芦ノ湖への峠道、そして設営


国道1号線を箱根方面へ走る。天気は上々。

ただ、山に差しかかると、急に空が翳り始める。さすが箱根、気まぐれな空だ。


芦ノ湖が視界に入った瞬間、息を呑む。

湖面には陽の光がちらつき、遠くには観光船がゆったりと浮かぶ。


「……よし、着いた」


午後4時半、芦ノ湖キャンプ村に到着。

受付を済ませ、少し林を歩いた先にある湖畔サイトを選ぶ。


バイクから荷物を降ろし、手慣れた手つきで設営に取り掛かる。

が――突風。


「うぉお……やっぱり風、来るか」


湖畔という立地と、山間の空気の通り道が合わさってか、時折ビュウッと風が吹く。

風上をしっかり閉じ、ガイロープを多めに張って、何とか設営完了。



---


◆ 夕焼けとビールと、焚き火と


「……さて、やりますか」


椅子に腰を下ろし、缶ビールをプシュ。

体に染み渡る冷たさと炭酸に、思わず口元が緩む。


今夜のメニューは、江ノ島の市場で買っておいたブリの切り身と、道中のスーパーで仕入れた野菜で作るホイル焼き。

それと、網焼きで軽く炙ったエビと、しらす入りのアヒージョ。


焚き火台に火を入れ、静かに、ゆっくりと夜が落ちていく。

パチパチと爆ぜる火の音。湖面を渡る風。対岸に灯る宿の明かり。


「これだよなぁ、キャンプってのは」


気がつけば、隣のサイトにソロキャンパーの影。

声は掛けない。向こうもきっと、この静寂を楽しんでいるのだろう。



---


◆ 星とランタンと夜の語り


ビールから赤ワインに切り替え、焚き火の光に照らされながらしばし読書。

風が止まると、湖面がまるで鏡のように星を映し出す。


「……明日も晴れるかな」


ランタンの灯りに照らされる自分の手。

ページをめくる音と、遠くのフクロウの鳴き声だけが夜を彩る。



---


◆ 旅人の夜


ふと、遠くからバイクの音が聞こえた。誰かが遅れて到着したらしい。

自分も何度、こんな風に夜道を走って設営したことだろう。


ひとりであることの自由。

誰かと出会うかもしれない期待。

そして、夜の焚き火が全てを包み込んでくれる。


今夜も、良い旅の夜だ。

今回、読んでいただきありがとうございます。「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、評価をよろしくお願いします!



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