表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソロキャンライダー放浪記  作者: たけるん
46/74

【第二話】朝の湖畔と再会、未知の道

夜明け前の木崎湖は、深い静寂の中に沈んでいた。

焚き火の灰が冷えてくつろいだ頃、ふと目を覚まし、シュラフのチャックを開ける。

湖面はガラスのように鏡の静けさを湛え、周囲の木々が淡い霧にぼんやりと浮かんでいた。


◆ 鮮烈な朝の一杯


コッヘルに水を汲み、火を起こして湯をつくる。

ひんやりした空気に鼻腔が締め付けられながらも、その一瞬が心地よい。

ドリップコーヒーをゆっくりと一口。

胸に染み渡る苦味。


◆ 予期せぬ再会


軽く朝食を済ませて、シートに腰をかけていた時、向こう岸からエンジン音がかすかに聞こえてきた。

振り返ると、昨日湖畔で軽く会釈を交わしたソロライダーが、こちらに向かってバイクとともに歩いてくる。


彼の手にはコーヒーの缶。

「おはようございます。ちょうどいいと思って」


缶を差し出されて、軽く会釈しながら交換する。

「昨日の! いやぁ、朝からありがとう。俺、Z900です」

「僕はレブル1100の陽平です。昨日、あなたが木崎湖キャンプ場と言っていたんで…」


こうして、二度目の邂逅が自然な流れで訪れた。

距離感が近すぎず遠すぎず、静かな連帯感を生む、そんな再会だった。



---


◆ 瞼に焼きつく早朝の風景


陽平と並んで湖畔に座ると、霧の向こうに北アルプスの残照が見えていた。

朝日が山を照らすと、霧はオレンジ色と金色に輝き出す。

一切語らずとも、その美しさがすべてを語っていた。


二人はただ、静かに湯気の立つ缶コーヒーを啜り、

その息遣いで“この瞬間に出会えた奇跡”を共有していた。



---


◆ 新たなルートと決意


さすがに朝食後、身体が動き始める。

陽平とはここで別れ、互いのルートを握手で確かめ合った。


俺は次に、

木曽谷こそだに」方面を目指すことにした。


信州の中心を横切るように、木崎湖〜木曽谷〜中津川というルート。

沿道に広がる紅葉の始まり、そして訪れるであろう本格的な秋の匂いに、心が躍る。



---


◆ ラストスパーク・序章


ヘルメットをかぶり、エンジンをスタートさせる。

陽平が見送る後ろ姿と波打つ霧を見送りながら、

「またどこかで会おう」と心で呟いた。


高鳴る鼓動と共に、Z900は新たな道へラフに走り出す。

次なるエピソードで広がる、木曽谷の林道、予期しない出会い、そして秋の深まりに想いを馳せつつ、ペダルに力を込めた。


今回、読んでいただきありがとうございます。「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、評価をよろしくお願いします!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ