第二話:森の中で迷い、火加減に泣く夜
常陸太田の山中にある無料キャンプ場、小滝沢。予想よりも道は狭く、舗装の荒れた場所も多い。
「ホントにこっちで合ってるのか……?」
ナビに頼って山道を登っていくが、途中で圏外に。
「圏外……って、久しぶりに見たな」
自然の中にいる証拠とも言えるが、ちょっと心細い。ようやく辿り着いたキャンプ場には先客が数組。隅のスペースにテントを張り、飯盒炊飯の準備を始める。
「今日は飯盒チャレンジだ」
薪を組み、火を起こす――が、思いのほか火力調整が難しい。最初は弱すぎて生煮え、その後、火力が強すぎて焦げる。
「マジか……キャンプ道って奥が深ぇな」
底の米がが焦げているが、なんとか食べられる程度に炊きあがったご飯と、アジの炙りをツマミに、夕暮れの中、静かに晩酌。
近くで焚き火をしていた中年男性が声をかけてくれ、少しだけ談笑。
「一人旅? あーいいねぇ。俺も昔はよくやったよ」
彼の話す若い頃の旅路が、なんだか胸に響いた。
夜、星はよく見えたが、山の冷気が肌を刺す。
「明日は福島だ……寝坊しないようにしないとな」
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