孤独な旅路に吹く潮風 〜茨城・福島 ソロキャンプ記〜第一話:潮の香りとスペシャル海鮮丼
朝7時、伊勢崎を出発。Z900のエンジンは機嫌よく唸り、高ぶる胸の鼓動とシンクロする。
「今日は、いい旅になりそうだな」
そう思えたのは、空が青く澄んでいたからかもしれない。
目的地は茨城。大洗の海鮮市場へ、スペシャルな海の幸を求めての旅。下道をひた走り、途中の道の駅で休憩しながら、昼前には目的地へ辿り着いた。
潮の香り、観光客のざわめき。マグロの赤身や貝の匂いが混じる空気が、旅情をかき立てる。
「海鮮どんぶり亭」。選んだのは迷わず「スペシャル海鮮丼」。
カウンター越しに差し出された丼には、まるで宝石のような魚介がずらり。マグロにイクラ、甘エビ、ホタテにウニ――視覚からすでにご馳走だった。
「……これは、うまい……」
自然とため息が漏れた。刺身一枚ごとに日本の四季と漁師の魂を感じるような、そんな味だ。
食後は海鮮市場をぶらぶら。店の人が「今朝、揚がったばかり」と勧めてくれたアジとホッケを購入。キャンプで炙る予定だ。
その足で「湯楽の里・ひたち店」へ。ツーリングの疲れと潮風でベタついた体を、広い湯船で癒す。
「ふぅ……来てよかった」
湯けむり越しに窓の外を眺めると、太平洋が遠くに広がっていた。ここで今日の空と海を記憶に焼きつける。
風呂上がりのコーヒー牛乳を飲み干し、Z900にまたがる。
「さて、キャンプ場へ向かおう」
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