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ドワーフの魔術師  作者: イノナかノかワズ
ドワーフの魔術師と師匠
100/100

あとがき

 改めまして本作、『ドワーフの魔術師』を読んでくださり本当にありがとうございます。


 さて、本来あとがきとは作品の内容や登場人物、作品に関わった人々への感謝などについて記すものだとは思いますが、私はあとがきは作品において作者が唯一自我を全面に押し出せる場所だと考えているので、自分語りをしようかなと思います。本作のイメージなどに影響を与えるかもしれませんのでそこはご留意ください。


 では、まず本作を書こうと思ったきっかけについて書こうかなと思います。きっかけは二つあります。一つ目は科学と魔法についてです。Web小説などの転生ものでは主人公が現代知識を使ってその世界とは違う魔法を使うことがよく見受けられました。雷を知っているからこそ雷の魔法を使えたり、嵐を引き起こしたり、光を集光させて放ったり……。色々な作品によってそれは多岐に渡りますが、いずれにせよその現代知識は科学が培ってきたものです。そして魔法はその知識を使って、現代の科学技術では為せないような事をする。この時、科学と魔法にどういった違いがあるのだろうかと思ったのが本作のきっかけです。その二つを私の中で消化していく内に、本作における魔法と魔術という二つが生まれました。作中では一切明かしていないルールがありますが、その詳しい設定などはここでは語りません。あくまできっかけですので、それ自体が作品のテーマというわけではないので。

 二つ目は他人の死、ひいては自分の死との向き合い方です。数年前にとても身近な人が寿命で亡くなったのですが、その人の死を現象としては認めていましたが心としてどう向き合い認めていくべきかという結論が出せないでいました。正直なところほぼ毎日話しており物凄く感謝していたのですが、その人が亡くなっても悲しみも驚きも抱けなかったので、ずっと心につっかかっていました。そのため他人の死にどのように向き合うのがよいのだろうかという自分の解釈を考えるきっかけとして本作を執筆しました。身近な人の死が随所で登場するのはそのためです。とはいえ、私が今抱いている解釈はどの登場人物とも違うものだとは明記しておきます。自分の解釈そのものを登場人物に言わせるのは違うのではと思ったので。

 さて、次に本作のプロットについて説明しようかなと思います。一番最初のプロットを書いたのは二月の中頃だったと思います。前作の『最弱最強の英雄騎士』を書き終えて次はその前日譚でも書こうかなと思ってプロットを進めていたのですが、中々に難航してしまい気分転換として書いたのが最初のプロットとなります。そして最初のプロットではグフウもセイランも殆ど登場しませんでした。主役はなんとナギとシマキでした。二人で焔禍竜を倒す物語です。そこでナギに魔術を教える人物としてドワーフとエルフの二人組、つまりグフウとセイランの原型が登場したのです。ただ、それだと物語の発展性に欠けるのと前作の『最弱最強の英雄騎士』に近いストーリー展開となってしまうため、色々と考えた末にグフウとセイランが誕生しました。そして以前から考えていた『世界を救った転生者の亡きあとの物語』のプロットからヨシノや世界観などを引っ張り出してきて、ドワーフとエルフが時間をかけて愛を育むテーマも添えて本作の骨子が完成しました。また作風に関しては雰囲気系といいましょうか、何気ない物事を大事にするというテーマを据えました。ARIA好きの私の趣味ですね。

 ともあれ、最終的に完成したプロットに沿って本作は書かれました。大まかな変更はほとんどなく、しいていえばショウリョウの外見が茄子から胡瓜に変わったくらいです。茄子だと見た目が軽やかじゃないよなと思って胡瓜になりました。

 

 続いて本作の登場人物などについて少しばかり語りたいと思います。

 まずはグフウとセイラン。この二人はかなり似た者同士で、本当に面倒くさい子たちだなと思いながら書いていました。けれど、二人ともとても可愛らしくてカッコいいので、書いてて楽しかったりします。あと一生二人でゆるくいちゃいちゃしていろ、とは思ってますね。他にもこの二人に関しては書きたいことが山ほどあるのですが、書き始めてしまうと簡単に一万文字は超えてしまうのでここで割愛させていただきます。

 次にナギについて。上述しましたが、ナギは本作のプロットにおいて私が最初に創ったキャラクターでもありますのでかなり思い入れがあります。ただ、この子は本当に過去が重くて、書いている内に誰がこんな設定にしたんだ! と自分に対してかなり憤りを感じていました。それと同時にナギに対しては強い敬意がありました。日本に住んでいる身として災害への恐怖やその理不尽さは思い知っています。人が敵わないのも重々承知です。けれど、現代日本とは別の世界とはいえ災害に恐怖しながらも向き合い戦った彼女を尊敬せずにはいられません。そんな尊敬すべきナギを読者の方々に知ってもらいたいと考え、ナギを本作に登場させました。私のエゴですね。

 次にコチとシマキについて。この二人はナギに深い関りがあるわけですが、二人とも似ている部分が多かったりします。性格だったり境遇だったり。また、無粋ながらもあえて設定上で申し上げるのであれば、コチは魔法使いとして、シマキは聖女として作中でも一位二位を争う天賦の才の持ち主だったりします。特にコチはシオリやヨシノを超える魔法の才を持っています。では、どうして焔禍竜に負けてしまったのかなどツッコみどころはあるかと思いますが、そこはご想像にお任せします。ともかく、シマキもですがコチに関してはかなり設定やバックストーリーを作り込んだのに、本作のストーリーに大きく関わっていないがためになくなくカットした二人でして、ちょっと強い思い入れがあります。

 次はイナサとオロシについて書こうかなと思います。この二人は一言でいうなら本当に大変でした。オロシのようなキャラクターを書くのは初めてだったためストーリーで動かすのに苦労し、またイナサのような使い勝手が良すぎるキャラクターを丁寧に描写するのも難しいところではありました。けれど、自分がもつ実力の全ては出し切れたかなと思います。

 最後にヨシノとシオリについて。まずヨシノですが、本作の立ち位置としては前作主人公のようなものでした。実際、ヨシノは彼女を主人公とした未発表の作品から持ってきているので、そのバックボーンがかなり多い。そのためそこを語りたい欲求がとめどなく溢れてきて、それを抑えるのに苦労しました。次にシオリに関してです。彼女は作中で随一面倒くさい存在です。本当に面倒くさい。長生きするとあんなに面倒くさくなるのかという思いでいっぱいです。素直じゃないんですよ、彼女。誰に対しても。そのくせ、とても優しい。態度や言動がちぐはぐな女性で書いていて楽しかったです。



 さて、まだまだ語りたいことは沢山あるのですが、ここらで終わりにしようかと思います。

 読者の皆さま。つらつらと思いのままに書きとても拙い文章となったあとがきをここまで読んでくださりありがとうございます。

 

 最後に聞き飽きたかもしれませんが、もう一度謝辞を。

 本作『ドワーフの魔術師』を読んでくださり本当にありがとうございました。また、私の別作品や次回作を読んでくださると幸いです。ちなみに次回作はニワトリと吸血鬼のお話です。


 本当にありがとうございました。


 これからもイノナかノかワズをよろしくお願いします。

 

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