丸投げ王子と縁の下の姫騎士
――――近衛騎士!?
大国ユーラストで女騎士になって早五年。
大出世のチャンス!
祖国は世界の中枢から離れまくった小さな島国。
とにかく、貧乏。
嫁入り先なんて、島内の鼻水垂らしたモッサい貴族の息子くらい。
美人だから、国外の貴族にワンチャンとか言われたものの、申込みがあるのはおじさんばかり。
外国で知見を広げ、国の役に立てるから! と、両親を軽く騙して、十六歳で世界の中心的な大国ユーラストに来た。
身分を隠し、初めの三年間は見習い騎士として修行を積んだ。やっとこさ騎士になれて、早五年。
いつの間にやら二四歳になっていた。
今までのあれやこれやを思い出して、涙が出そう。だけど、先ずは――――。
「謹んでお受けいたします!」
「…………あ、うん。オルガならそう言うと思ったけどね。王太子殿下が求めているのは、美しいお人形さんだからね? 素は出したらだめよ?」
「分かってます!」
「………………本当に分かっているのかしら?」
王太子殿下は、三二歳になってものらりくらりと生きている、もっさり色欲お坊ちゃま。正直、大国の王太子じゃなけりゃ廃嫡レベルじゃね?とかは口が裂けても言えない。
「声に出てるわよ?」
仕事は全くしない。
近衛女騎士に、なんだかヒラヒラかつぴったりフィットの白い騎士服を着せている。
もさもさ茶色の頭と、死んだ魚みたいな黒い目。ぶっちゃけ気持ち悪い。
「だから、声っ!」
だけど、給与が騎士の十倍!
どんなにもっさり中年エロ王子だろうと、給与が十倍の前には霞んで見えるというもの。
金髪サラサラロングと空色の瞳、ぱっちり二重の整った顔に産んでくれた両親に感謝ね。
「ほんと、仕事はできるんだから、喋っちゃ駄目よ?」
「はいっ!」
「……うん」
女騎士を纏めているジュリアンヌ隊長が妙に心配そうだけど、大船に乗ったつもりで安心してほしい。
大金のためなら、王太子のどんな無茶振りもガッツリ笑顔で対応しつつ働けるから!
「うん、不安!」
――――酷いなぁ。
「ああ、君が噂の。確かに美しいな。私の側に侍らすのに丁度いい」
王太子殿下に着任の挨拶をすると、もっさり頭と死んだ魚眼を上下に動かして、舐めるように見てきた。
初めて近くで見たけど、なんというか普通に気持ち悪い。顔は悪くない。……まぁ、普通。
気持ち悪いのは、髪型のせい? 目のせい? ニタリと釣り上げた口のせい?
隊長に注意されたことを思い出し、声を出さない様に最敬礼をして、忠誠を誓った。
配置は、王太子の横。
――――横!?
「そこでにこにこ笑ってろ」
「承知しました」
なんで横かは分からないし、なんでにこにこかもわからないけど、笑って立ってるだけで給金が発生するんなら、喜んで突っ立っておく。これ、信条。
ぼへーっと突っ立っていたら、王子の執務室に文官の中でも高い地位にいるアゴスト伯爵が来た。顎がすっごいしゃくれてるなーとにこにこ眺めていたら、顎のヤツが私を見てニタリと笑った。
「相変わらず、ですなぁ。こちらにも花の蜜を分けていただきたいものですな」
「ふむ……ならば、条件を出そうか」
王子が何やら考える素振りをしながら、気だるそうに執務机に片肘をついて手のひらに顎を預けた。そして、まさかのセリフ。
「クサリーノと計画している例の件、私にも噛ませろ」
「はて…………例の件、とは?」
――――ん?
顎のヤツがなんか冷や汗出してない? 気のせい?
クサリーノって、クサリーノ侯爵?
侯爵家の中でもかなりの財力と名声をものにしている。先代は宰相を務めていた。今代は、評議会長を務めている人物。
「まぁ、しらばっくれても構わんがな。色々と起こすなら、お前たちと共謀した方が早いかと思ったが、まぁいいか」
「…………そのような面白い空想が流行っているのですか。本日は別件のため、またの機会に歓談いたしましょう」
「フッ、そうだな。また、歓談しようか」
そして王子が「そうそう」と付け加えたのは、国をより良くする計画を共にできる場合は、私を顎のヤツ――アゴストに貸し出すというものだった。
――――はいぃぃぃ!?
顎のヤツがニタニタと笑いながら流し目を飛ばしてきた。
王子がにこにこしてろと言ったからには、にこにこしてないと怒られそうだし、給金が減ったら泣く。
とりあえずにっこりと微笑み返しておいたら、顎のヤツが頬をポポポと染めて気持ち悪っ!となった。
顎のヤツが王子の執務室を出ていくと、王子が私の方をチラリと見てて、「聞いていたな?」と確認してきた。
「明後日には連絡役になってもらう」
「承知しました」
―――――意味わからん!
給金のため、笑顔で答えたものの、何の連絡役なんだろうか。
王子に何の説明もしてもらえないままに、顎との連絡役が始まってしまった。
「エロめのドレスで夜会に参加し、伝言を届けてこい。メモは取るなよ。全て覚えろ。あと、なんか偉そうな地位のヤツらの脅迫できそうなネタがあれば持って帰ってこい。収集の方法は任せる」
王子、流石に丸投げすぎやしない? と、ツッコミたいけれど、お給金のためならば選択肢はひとつ。笑顔で返事するだけである。
胸元も背中もバーンと開いた真っ赤なドレスを着て、早速夜会に潜入。
頭の片隅に『騎士のやることかしら?』と浮かぶけれど、お給金袋がそれを上から押しつぶす。
うまいこと行ったら、追加ボーナスありらしい。そのためなら、乳でも背中でも太腿でもケツでも、拝ませてやんよ!くらいの勢いで夜会に来たものの、わりとすんなりと伝言任務は完了。
顎のヤツと腕を組んで、腕に乳押し当てて、にこにこ。脳内はお給金ガッポガポ。顎のヤツは、思ったよりもピュアなのか、それだけで頬を染め満足そう。
「顎……ストさまは、皆様にお慕いされていますのね」
国王派の中堅たちが、顎のヤツにコソッと話しかけてはニヤリと笑う。そんな時は私はちょっとだけ後ろに行っているように言われた。
――――読唇、出来るから意味ないのに。
いくら小さな島国とはいえ、王族。ある程度のスキルは取得しなければならない。読唇もそのひとつだ。
あらあら、まぁまぁ、『陛下をなきものにするチャンス』ね、へぇ。
ほぅほぅ、おやおや、『治世する気のない王太子を担ぎ上げる』のね。
うふうふ、へぇへぇ、『クサリーノ様は陛下と腹違い』ねぇ、似てないわね。
今はこの程度でいいかと思いつつ、辺りの貴族たちの唇をそっと読む。
話題は陛下の治世。
おおよそが肯定的なものの、クサリーノ派閥の貴族たちが集まる夜会。世代交代の際はクサリーノが宰相を務めることになるとか好き勝手にささやきあっている。
――――大国ともなると、大変ね。
会場から出て馬車に乗り、二回ほど馬車を乗り換えつつ、髪型を変え、服を変え、王城に到着。
爪磨きをしていた先輩近衛騎士に王太子殿下の所在を尋ねると、執務室横の仮眠部屋で女とイチャイチャしていると言われた。
「えー? めんどっ。人をこき使っておいて、お盛んですねぇ。報告明日でもいいかなぁ?」
「……貴女、そんなキャラだったの?」
「あ、しまった! 隊長から絶対に口を開くなって言われてたんだった」
「あはっ。隊長さんの判断は、正解ね。それから――――」
先輩いわく、早急に必要な報告は早急にしないと翌日には仕事を失うわよ? と言われてしまった。
くっそ面倒だとか心の中でボヤきつつ、執務室の隣にある仮眠室の扉をノックした。
「……なんだ?」
「オルガ・シューバロです」
「シューバロか。入れ」
――――え、嫌だ。
女とイチャイチャしている場に突入して、報告とか何の地獄よ? マジで嫌なんですけど。
「扉の前でも――――」
「あ? 二度も言わせるな」
「あ、はい」
給金のため給金のため給金のため給金のため給金のため給金のため給金のため給金のため給金のため給金のため。
この日、私は『給金のため』を一生分近く脳内で唱えた気がする。
根性決めて扉を勢いよく開いた。
「――――へぁ?」
「何だその声は。さっさと報告しろ」
イチャイチャシーンがバーンと飛び込んでくるかと思いきや、仮眠室の中ではモサモサらしき男性がレターデスクでガリガリと何やら書類を書きまくり、艷やかな肢体のご令嬢はしっかりと着衣しており、ベッドの上であぐらをかいて本を読んでいた。
「あ、はい――――」
レターデスクの男性は、やはり王子だった。
モサモサヘアーを後ろに撫でつけ、モッサリで影になっていた目元がはっきりと晒されていたから、ぶっちゃけ本人か怪しかったけど、尊大極まりない態度からするに、本人。
この人、思っていたよりまともな顔だなぁと思った。
美男子とか美丈夫とかいう部類ではないものの、偉丈夫一歩手前?
「お前…………そんなキャラだったのか」
「………………? ぬはぅ!」
本日二回目のポロリ……やらかした。めちゃんこやらかした。
左腰の剣に手を伸ばしたい。いや、殺れるけど、そのあと確実に殺られるよね? ナシナシ。
「王女のくせに何をやってるのかと思っていたが、中身が残念過ぎて放逐されたか?」
「ぐほぁ? バレてる!?」
「バレないわけがないだろうが。そもそも、お前の両親から『娘をよろしくお願い致します』という書簡が届いている」
――――まさかの!
「私と親父、騎士団長くらいしか知らんがな」
親父とは陛下か!
というか、王子って陛下をブッコロしようと思ってるんじゃ? 陛下、そんなんと情報共有して大丈夫なの?
というのをオブラート百枚くらいに包んで聞いてみた。
「幼かった妹と母が毒殺されてな」
「――――死んでないわよ。お母様は死んだけど」
「……毒殺された体でな。反乱分子の炙り出しをしている」
王妃陛下と王女殿下は、確か私がここに入国した年に病死と発表されていた気が。
――――え? あ?
ベッドの上のご令嬢を見る。
モサモサと似てなさすぎて、判断に困る。が、どうやら実の妹で王女殿下らしい。
王子のモサモサぐうたら色狂いは、偽装らしい。
「今は身分を隠して、とある伯爵家に預けている」
「時々こうやって逢引の振りをして情報交換してるのよ」
「……お前はそこで本を読んでるだけだろうが。コイツくらい情報を持って来い」
「何よ――――」
何やら兄妹の痴話喧嘩?が始まってしまった。
王子、丸投げなのは偽装とかでなく、素なのか。それも偽装であって欲しかった。
ギャーギャー言い合う二人を眺めながらボーッと立っていたら、急に丸投げ王子に睨みつけられた。
「シューバロ!」
「はい?」
「お前が姫騎士だろうと、私はこき使うぞ?」
「あ、はい。お給金さえガッポガポなら文句言いませんよー」
「「…………」」
なぜか丸投げ王子と王女殿下に憐憫の目を向けられた。
丸投げ王子の下でちょいちょい諜報活動しつつ、丸投げ王子の横でニコニコ。
お給金は、当初の更に三倍。
ガッポガポだから、ニコニコも更にニコニコになるわけで。
顎のヤツは更にポポポと頬を染める。
――――顎、チョロいなぁ。
そんなある日、事態が大きく動く情報を入手した。
それはたまたまだった。
王城の庭園の奥でクサリーノが宰相の右腕と言われている文官と話している姿を見て、つい唇を読んでしまったから。
クサリーノがとうとう反国王軍として、来月の建国記念の式典の最中に反乱を起こすという。
国民の目の前で王族を処刑する、と。
クサリーノ自身が持つ私設軍隊と、派閥の貴族たちがそれぞれの護衛として雇っている戦闘員たちを使って。
それを丸投げ王子に報告すると、モサモサ姿でニタリと微笑むものだから、ちょっと気持ち悪かった。
「やっと動くか――――」
ここからは、更に深く潜り込まないといけなくなるのかぁ。顎のヤツに乳くらい揉ませないといけないのかなぁ。
などと考えていたら、丸投げ王子から「身体を求められたら、なりふり構わず逃げろ」と言われた。
え、何そのイケメン感。
いや、間諜させている時点でイケメンではないのだけど。
「アゴストは女好きだが、ナニに欠陥があってな。大丈夫だとは思うが」
――――ナニ?
「……気にするな」
「へい。承知しました」
何か良くわからないけど、顎のヤツで貞操の危機にはなかなか陥らないらしい。但し、油断はするなとのことだった。
なんだかんだで、心配してもらえたのは今回が初めてで、ちょっとだけ嬉しかったのは内緒。
クサリーノを王城で見かけた数日後に、顎のヤツから伝言を受け取った。但し、反乱の内容がかなり変わっていた。
丸投げ王子の役目は、王城の地下に張り巡らされている通路の詳細な地図の情報と、兵士をそこに入れること。そして、共犯がバレないように式典中は必ず陛下の隣にいること。
その日の夜に王城を制圧し、世代交代を完了させると。
この感じは、丸投げ王子も屠られるパターンじゃなかろうか?
「承知しました。…………ハァ」
ちょっと悲しそうな顔をして、顎のヤツの腕に手を絡めてみる。
「どうしたんだい? オルガ嬢」
顎のヤツのポポポと染まった頬を確認して、悲しそうな顔で俯く。
「この聖戦が終われば、アゴスト様ともお別れなのですね。秘密を知っている者は少ないほうが良い。私は消されるのでしょう?」
「なっ……そんなことは…………」
アゴのヤーツの挙動不審さが半端ない。やっぱり、別の計画はモリモリにあるんだろうなぁ。
さてさて。丸投げ王子のためにも、もうちょい働いてあげますか。死にたくないし。お金欲しいし!
「八年前に故郷を出はしましたが、一国の王女ですもの。それくらいは理解できますわ」
「――――は?」
「バロシュ島はご存知?」
「バロシュ? …………あ、西の端にある島国だったかな?」
「まぁ! アゴスト様はやっぱり博識ですわね。知見を広めるために、身分を隠してこの国に来ましたの」
喜色満面で顎のヤツを見上げるとデレッとしていた。ここで、もう一押し!
寂しそうな顔で、瞳を薄っすら潤ませる。
「もっと早くに出逢えていたら未来は違ったのでしょうか?」
「え……?」
「騎士の矜持が邪魔をしますの。騎士ならば、殿下の側にいるべきだと。王女としての私は、いますぐ故郷に帰れと。女としての私は、愛しい殿方の側で――――」
顎のヤツにしなだれ掛かりながら、柔らかな声で囁く。
「ただこうして温かさを感じていたい。そう訴えかけてきますの」
ここからが大勝負!
ハッとしたような顔で二歩離れる。すかさず後悔しているような顔。かーらーのー、潤ませた瞳。
「っ、私ったら…………申し訳ございません、アゴスト様には愛しい奥様がいらっしゃるのに……こんなこと……………………」
「っ、オルガ!」
はい! 顎のヤツ、釣れましたぁ!
ハニー・トラップ完了。
顎のヤツにギュムムムムムッと抱きしめられて、危うく『ぎょえぇぇぇ』と叫びそうになったものの、必死で我慢した。
「――――てな感じでした!」
顎のヤツに抱きしめられ、体臭を我慢しつつ聞いたことによると、王妃陛下と王女殿下を毒殺したのはクサリーノで、陛下にも丸投げ王子にも毒を盛ったのに二人は生き残った。
あれ以来、食事には手出しするチャンスがないから、実力行使するしか手立てがなく、体制を整えるのにかなりの時間を要していたらしい。
笑顔で報告すると、王子が片手で額を覆いつつ、こめかみを揉みだした。
「ハァ。そこまで自分を危険に晒すな」
「え……丸投げしてきたヤツの言うセリフですか!?」
「身体を使えとは言ってない」
「いや。使ってませんけど?」
「は? 抱きしめられ、体臭を我慢したと……」
「ハグされただけだし」
「…………アゴスト、チョロすぎないか?」
まぁ、それはそうなんだけど。チョロ過ぎてびっくりしたけども。
丸投げされてここまで頑張ったんだぞ! 給金の上乗せガッツリやれよ!? というお気持ち表明はしておいた。
「まぁ、ここまで来たらサクッと粛清可能だな。そのためにも、お前は私の嫁になれ」
「はい?」
ちょっと言っている意味がわからない。
「いい物語も思い浮かんだしな。大団円にできるだろ――――」
――――王女である身分を隠していた姫騎士が、王族の義務を丸投げしていた王太子の護衛に。
丸投げ王子と揶揄されている王太子は実は偽装で、反乱分子を炙り出すためだったと知った姫騎士は、人知れず彼のために情報を集め始める。
そうして掴んだのは、この国の大貴族の壮大な謀反計画。それを未然に防ぎ王子の命を助けた姫騎士に、丸投げ王子は心からの恋をし、求婚した――――
「――――な?」
「いや、何が『な?』なの? 何も『な?』じゃなくない?」
「その割には、顔が赤いぞ?」
「……」
確かに、ちょっとときめいたけど。
王子が妹王女と陛下のために長い間してきた努力は、尊敬に値するものもあったけど。
ちょっと、誘惑されそうだけど。
「王太子妃になれば、バロシュがウチの保護下になるぞ?」
それはめちゃめちゃ涎が出るレベルの誘い文句すぎる。
「いや、でも。……そんなんで妃、決めていいんですか? 別に私のこと、好きではないでしょ?」
「あ?」
なぜか丸投げ王子がちょっとキレ気味に近付いてきた。
そして、ガシッと腰を掴まれて、抱き寄せられた。
「ひょわ!?」
「唇は、奪われてないか。変なところを触られてはいないか。逃げろと言ったのに、逃げずに危険に飛び込みやがって……とイライラするくらいには、お前を……オルガを気に入っている――――」
――――っ?
齧り付くような、口づけ。
それは熱く、溶けるようだった。
「っ、ハァハァ……へ? え?」
それから、サクサクッとクサリーノと顎のヤツたちの粛清が完了した。
そして、世間では私たちをモチーフとした『丸投げ王子と縁の下の姫騎士』とかいう本がバカ売れし、劇まで行われている。
「内容が…………なんか、ぜんぜん違う! なんか、でろ甘い!」
ソファに座って当該の本を読んでいたら、丸投げ王子が隣でニヤリと笑った。
「プロパガンダ、って知ってるか?」
「知ってますけど……」
「フッ。あとは国民が勝手にいい方向に受け取るだろ」
――――やっぱり丸投げ!
世間では、現実世界の『丸投げ王子と縁の下の姫騎士』が婚約し結婚間近なことで、更に大賑わいを見せている。
一番の問題は、実はそれが結構楽しいなと思えてしまっている自分がいること。
こういう形の結婚もありかもしれない。
かもしれない、かもしれない……。
「ありだろ。ところで、オルガはいつになったら私の名前を呼ぶんだ?」
「…………さあ?」
丸投げ王子ことテオドーロ様。名前がかっこよすぎて、なんか呼びたくない。
もうしばらくは、丸投げ王子でいいと思う。
―― fin ――
閲覧ありがとうございます!
こちらの作品は、『なろう』や『カクヨム』や『note』などで活動されているhisaさん(https://mypage.syosetu.com/mypage/novellist/userid/1125969/)にタイトルをいただき、妄想爆発させました(*ノェノ)キャー
素敵な機会をありがとうございました!ヽ(=´▽`=)ノ